Old Quebec

ケベック旧市街の歴史地区をじっくり歩いてみた「町並写真」

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Old Quebec

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豊かな自然ときっちりと整った街並みのイメージを持つカナダには、もう一つの顔がある。

カナダは、ケベック州というフランス語圏をその懐に抱いているのだ。

ケベック旧市街は、先住民たちが暮らす未開の地であった。そこへ、フランス人、イギリス人、そしてアメリカ人までもが入り混じって入植し、それぞれの覇権をかけて戦った。

その結果、複雑な背景を持つ、英語圏に囲まれたフランス語圏が誕生したのだ。

しかし、観光客として見た街は、不思議な中世ヨーロッパ風の空気をまとっている。小さな街に見どころが詰まった、貴重なタイムカプセルのような存在だ。

ケベックの歴史~フランス人の入植

カナダでは、16世紀頃以前から、毛皮取引のためにフランス人が訪れていた。毛皮取引の占有権を得たフランスが、植民地「ヌーベル・フランス」を築いたのが、ケベック入植のスタートだ。

入植者の中には、毛皮業者や漁師だけでなく、地理学者や聖職者たちも多く含まれ、植民地を広げるべく、奥地へと探検に入って行った。毛皮取引で栄えた入植地は、多くの開拓移民団を迎え、インフラ整備が進み、農作物を生産、落ち着いた定住へと移行していったのだ。

ケベックの歴史~イギリス人との戦い

同時期の北米では、イギリスがオランダに変わって植民地化を進めていた。フランス系移民とイギリス系移民の間では、互いの利権や土地を巡って争いが絶えず、また、本国間の「七年戦争」の飛び火もあり、大きな抗争へと発展していった。

戦況はイギリス有利に動き、18世紀半ば、ヌーベル・フランスはイギリスの手に落ちた。これらの戦いは「フレンチ・インディアン戦争」と呼ばれている。

フレンチ・インディアン戦争と征服戦争

「フレンチ・インディアン戦争」とは不思議な呼び名だが、これはイギリスサイドから見た戦いの図が関係している。当時、先住民たちは、フランス軍ともイギリス軍とも同盟を結んでいた。戦いの最中、イギリスはフランスと、フランスと同盟を組んだ先住民と戦ったため、こんな名がついたのだ。

ちなみに、フランスサイドでは、決まった呼び名がなく、時に「征服戦争」と呼ぶことがある程度だ。

戦いの勝敗結果と、両者の捉え方が名前に表れているようだ。

ケベックの歴史~アメリカ独立戦争の影響

イギリス領となったケベックだが、次の試練はアメリカからの革命参加の申し出を断ったことによる、「独立戦争」だった。

一時は、ケベックにまで攻め入ったアメリカ革命軍だったが、長期戦による疲弊と司令官の戦死、さらにはイギリス艦隊の訪米の知らせを受け、撤退していった。

アメリカの独立を好まないアメリカ系ロイヤリストたちの移住により、カナダは、「イギリス系」、「フランス系」、「アメリカ系」の三つ巴の争いへと発展することになってしまう。

こうしてカナダは、「アッパー・カナダ」とケベックを含む「ロウワー・カナダ」に分かれてしまった。

ケベックの歴史~工業化に乗り遅れたケベック

しかし、果てしなく続く三国の争いの中、カナダを「自治領」として連邦化する案が生まれ、ケベック州が誕生。しかし積極的に工業化を進めたオンタリオ州に比べ、カトリック教会の反対を受けて工業化に遅れをとったケベック州は、近代化の波に乗り遅れてしまった。

さらに、第二次世界大戦後も戦後復興の波に乗り切れずにいたケベックは、他州とは異なる独自路線を取り、フランス系の文化を取り入れる「フランス・ナショナリズム」によって、カナダ内では異質な存在となり、ケベックの独立を求める声も高まっていった

ケベック分離問題は、今もカナダ国内にくすぶっている。

ケベック旧市街の歴史地区の特徴

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ケベックとは、先住民の言葉で「狭い水路」を意味するという。ケベック・シティーは、ケベック州の州都である。

市内の旧市街地は、北米で唯一現存する城郭都市であり、街そのものがケベック市民の誇りであり、観光資源でもある。

ケベックの旧市街は、城壁に囲まれた丘の上の「アッパー・タウン」と丘と川岸の間に位置する「ロウワー・タウン」に分かれている。

植民以来長く複雑な歴史を持つが、フランス植民の名残が最も多く残り、公用語はフランス語。街並みにもフランスの面影が見られる、カナダの中でも一風変わった街となっている。

世界遺産として

1985年に、「ケベック歴史地区」として、世界遺産に登録されたが、2006年に、「ケベック旧市街の歴史地区」へと名称が変更された。

カナダという国家の中で、独自の文化を持ち続けているケベック旧市街地。その魅力は、ケベックに先住していた人々と、そこへ植民した人々らが入り混じって戦い、結果として、他のカナダ国内のイギリス風潮とは切り離された、独自の文化を培うこととなったところにあるようだ。

旧市街地の見どころ

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雄大なセント・ローレンス川を見下ろす丘の上、城壁の内側が「アッパー・タウン」。城壁の外側からセント・ローレンス川までの街並みが「ロウワー・タウン」。

新しく近代的な街が多い北米大陸の中にあって、中世ヨーロッパの香りをほのかに漂わせる建造物や街並みが魅力的だ。

ラ・シタデル

「ケベック要塞」とも呼ばれ、英仏の争いの舞台となった場所だ。建造したのはイギリス軍。しかし、現在駐屯しているのはカナダのフランス語部隊。カナダでもここだけに存在する部隊だ。

フランス語で行われる衛兵交代式では、黒ズボンに赤の詰襟、黒いボンボン帽をかぶったおもちゃの兵隊さんのような姿の衛兵がキビキビと歩く姿を見ることができる。

シャトー・フロンテナック

アッパー・タウンのランドマーク的存在の高級ホテル。正式には「フェアモント・シャトー・フロンテナック」。

17世紀後半から2世紀かけて完成した、フレンチ・ロマネスク様式のホテルは、煉瓦の壁に白い縁飾りの窓、緑色の銅拭き屋根の、重さと甘さを兼ね揃えた姿は古城のイメージそのものだ。

2世紀にわたって建て増しが続けられたため、高層棟と5棟の低層棟で構成された、不思議な構造を持つのも特徴の一つ。高級感と歴史風味を求めて、世界中からこのホテルに宿泊するためにケベックを訪れる人が後を絶たない。

しかし実は、名前はフランス提督から、設計はアメリカ人、完成はイギリス統治下という、三つ巴が見事に融和した姿でもある。

ヒッチコックの「私は告白する」の舞台となったことでも知られている。

テラス・デュフラン

シャトー・フロンテナックからセント・ローレンス川沿いに続く「テラス・デュフラン」は、広々とした遊歩道。大道芸人やアイスクリーム売りが現れる人気スポット。

また、ここからロウワー・タウンやセント・フローレンス川とオルレアン島などを見下ろせば、シャトー・フロンテナックのリバービュールームと同じくらい素晴らしい眺望を楽しめる。

この展望の良さを生かしていたのだろう、芝生のきれいな広場には、今も大砲が並んでいる。

さらに、テラスを進むと「総督の散歩道」と名付けられた歩道へと続く。

ノートルダム聖堂

Notre Dame Cathedral

ケベックが今もフランス色を漂わせているのには、「ローマ・カトリック教会」の影響が大きい。

入植者たちと共に海を渡り、国を切り開いてきた聖職者たちは、ケベックの地を理想的なカトリックの地にすべく奮闘した。

その中心となったのが「ノートルダム聖堂」だ。最初の砦がケベックに築かれてすぐに、この教会も建てられ、新大陸最初の聖堂だといわれている。

フランス統治時代の資料や宝物が多く保管されていて、ケベックがフランス文化圏であることを実感できる場所だ。

そのほかの見どころ

神学校の旧校舎を使用した「北米フランス博物館」、旧市街の中心にあたる「プラス・ダルム」、画家の小路として知られる「トレゾール小路」などにも足を延ばしたい。

ジャンヌ・ダルク像のある「戦場公園」、ケベックの歴史の舞台に何度もなった、「ケベック州議事堂」なども見逃せない。

ロウワー・タウンの見どころ

アッパー・タウンのプラス・ダルムから、「首折り」という恐ろしい名のついた急な階段を下りていくか、「フニキュラー」というケーブルカーに乗って降りると、そこは「ロウワー・タウン」だ。

プチ・シャンプラン地区

北米最古の繁華街といわれ、石畳の趣がある通りが続くプチ・シャンプランは、工芸品店、土産物店、ブティックなどが立ち並び、買い物やそぞろ歩きにぴったり。

フニキュラーの乗り場もあり、アッパー・タウンとロウワー・タウンの中継点でもある。

サン・ルイ門

新市街と呼ばれるグランダレ通りから城壁に入るための門。両側にホテルや高級レストランが立ち並ぶグランダレ通りは、プチ・シャンゼリゼ通りとのあだながぴったりな雰囲気だ。

ロワイヤル広場

石煉瓦作りの勝利のノートルダム教会が立つ広場は、歴史上交易所として利用されてきた場所だ。ルイ14世の胸像もある、フランス入植を記念する広場ともいえる。

ウィンターイベント

ケベックは、観光で訪れるなら涼しく過ごしやすい夏がおすすめだが、冬には冬の楽しみ方がある。

19世紀から続く伝統的なカーニバルである「ウィンター・カーニバル」は、街中で雪の彫刻大会、カヌーレース、犬ぞりレース、パレードなどが繰り広げられる大がかりなイベントである。

また、ウィンタースポーツにも最適で、種変地域でスキーやスノーボードなどのほか、アイスクライミングが楽しめる。

行き方

日本から直行便はないが、ケベック郊外に「ケベック・ジャン・ルサージ国際空港」があり、トロントやオタワから2時間前後、モントリオールから45分でアプローチできる。

周辺都市からは、列車や長距離バスもあり、時間と予算に合わせていろいろな交通手段が選べる。

周辺の見どころ

セント・ローレンス川の中州島の「オルレアン島」は橋で渡ることができ、ケベック周辺が開拓された当時の面影を残す田園風景を見ることができる。

メープルの木が多く植えられ、春にはシロップを作る様子を、秋には紅葉を楽しむことができる、人気のオプショナルコースだ。

また、ケベック・シティー郊外には、「モンモランシー滝」があり、落差83mの迫力を間近で感じることができる。さらに滝の先には、北米三大聖地の「サンタンヌ・ド・ボープレ教会」あり、多くの信者が巡礼に訪れている。

レンタカーを利用するか、現地発のツアーを申し込むのが便利。

最後に

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カナダでありながらカナダでない。そんな印象を受けるケベック・シティー。

訪れた者だけでなく、そこに住む人々も、自分たちをカナダの中で異質だと考えている部分があり、現在も独立を求める声は収まっていない。

旅行客としては、複雑な植民の歴史や民族的な争いが背景にあるからこそ、出来上がり、残ったこの情緒あふれる街をゆっくりと歩いて堪能したい。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

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