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モンゴル国民を一つにまとめ上げる祭典「ナーダム」に参加

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モンゴル人の名誉と誇りをかけた戦いの場「ナーダム」(Naadam)/モンゴル

モンゴル国民を一つにまとめ上げる祭典「ナーダム」。

ナーダムとはモンゴルの言葉で「祭り」そのものを指します。モンゴル人にとってのナーダムは、何より優先、何より楽しみ、何より憧れのビッグイベントとしてその血に染み込んだ祭典です。

日本とも深い縁を持つモンゴルだけあって、ナーダムで行われる競技はなにやら見覚えのあるものばかり。日本人のルーツを見るかのよう。そんなナーダムの見どころをまとめてみました。

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ナーダムの特徴

モンゴルを代表する3競技「競馬」「相撲」「弓」の技術を競うのがナーダム。競技の前後や合間には、伝統的な民族楽器の演奏や舞踏が行われて、祭りを盛り上げます。

騎馬民族であるモンゴル人にとって、馬は何より大切な財産であり友でもあります。ナーダムの間、ほとんどの競技に馬が登場します。開会前のパレード、開会式、競技、エキジビションなどで騎馬民族らしい人馬一体の見事な動きが披露され、会場からはどよめきや溜め息がこぼれます。

また、日本の国技相撲に大きな影響を与えているモンゴル相撲の力強さ、老いも若きも男女の区別なく見事な腕前を見せる弓引きなど、逞しく生きる遊牧民として伝統的な生活を送ってきたモンゴル人たちのパワーとテクニックを見せつけられる思いです。

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ナーダムの開催会場・開催日

モンゴル各地でナーダムは行われます。村祭りレベルから、県大会や国体のようなナーダムまであります。そんな中でも、もっとも大きく華やかなのが首都ウランバートルで開催されるナーダムです。会場となるのは、中央スタジアムと競馬場です。

モンゴル全土から優秀選手たちが集まり、その応援に集まる人たちや観客たちで会場が埋まり、さらには、モンゴルの首脳や各国からの来賓も招待されて参列します。

開催日は、地方のナーダムは地域ごとに異なる日程が組まれていますが、ウランバートルのナーダムは7月11日から3日間。7月11日はモンゴルの革命記念日です。

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ナーダムの歴史

チンギス・ハンのいた昔々から、地域伝統行事として行われてきた祭りですが、現在のように国事となったのは1921年のことです。それ以来、毎年7月11日の革命記念日に合わせて開催されています。

モンゴル人、特に男性にとって、ナーダムに出場すること、そして見事な成績を収めること、優勝することは、誇りと名誉をかけた真剣勝負です。

国民をまとめる意味ももつといわれ、競技は個人種目が多いものの、マスゲーム的な団体行動も取り入れられていて、会場に来ることができた人もテレビ観戦している人も、釘づけになっている様子からは一体感が伝わってきます。

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ナーダムのパレード

ナーダムの開会式典の前にウランバートル市内のスフバートル広場からスタジアムまで騎馬隊や演奏隊のパレードが行われます。

広々としたウランバートルの道を、着飾り隊列を組んだ人と馬が、時に駆け、時に跳ね、時に叫びながら行進していきます。

問題は、このパレードの見学方法です。絶好のスポット、当然ながら、全国から駆け付けたモンゴル国民で大渋滞。ところどころで規制も行われているため、観客が一部の場所に集中してしまうのも一因のようです。

通りに面したホテルから眺めようと思っても、条件の合うホテルと部屋が少ないため、非常に狭き門となります。結局ホテルや知人宅のテレビで見るのが一番という結果になってしまいがち。スタジアム観戦のチケットが手に入っていれば、それもいいでしょうが、スタジアム競技もテレビ観戦の予定だとすれば、開会前のパレードくらいは生を見るために、現地の人たちと押し合いへし合い、場所取りをしてみるのもいい経験と思い出になるかもしれません。

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ナーダムのイベント

基本的にナーダムは男の祭りだといわれます。確かに相撲は男だけ、競馬の騎手として参加するのは男の子が、弓引きはおじいさんやおじさんが多く、女性の参加は少なめ。

そんな中、女性も参加しやすいイベントが開会式です。着飾った騎馬隊の登場はやっぱりもっとも注目を受けるシーンですが、国際色のあるミニパレードでは、西洋・東洋のプリンセスに扮した女性の姿や、民族衣装を誇らしげに着こなしたモンゴル人女性たちが多く出場します。

制服姿の兵士か警察官が旗を持って行進し、中国少数民族風のダンスやハリボテの山車まで登場するマスゲーム的なイベントもあり、こちらも女性が主役です。

これらの開会式のイベントは、競技のような緊迫感や白熱感はありませんが、目で楽しめる点では負けていません。

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ナーダムの食べ物

ナーダムだから食べるという特別なものはないようです。ただ、ナーダムの会場やその周辺にはたくさんの屋台が出現し、手軽なモンゴル料理がお手頃価格で食べられます。

モンゴル餃子のモモをはじめとして、アジア人として食欲をそそられるものが多く、味でもハズレがほとんどありません。煮込みのようなカレーも辛さだけでなく、甘さやスパイスのクセがたまらない魅力です。

塩の入ったお茶やバター茶などもモンゴルの気候に合った飲み物らしく、不思議な味わいながら、現地で飲むとおいしく感じられます。

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参加できること

どの競技も飛び入り参加はできません。数百キロも離れた地域から代表として訪れる選手ばかり。

モンゴルに住み、競馬・相撲・弓の名手になる以外にウランバートルのナーダムに正規参加するのは難しいでしょう。

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一番の見どころ

一番人気は競馬です。小ぶりなモンゴルの馬に跨るのはびっくりするくらい小柄な少年少女たち。中には5歳の幼児も含まれます。競馬は馬の年齢によって18~28kmもの距離を駆け抜けるため、スタジアムを飛び出して草原で行われます。

スタート地点らしき場所はあっても、柵もロープもありません。バラバラっとスタートするとあっという間に走り去ってしまいます。そのため、競馬を観戦するにはゴール地点で待ちます。

あまりの長距離をダッシュするため、途中で力尽きて脱落したり、戻りの途中で動かなくなる馬もいるほど。ただ、このレースに勝つことは馬にとっても騎手にとっても、そして馬の飼い主にとっても大変な名誉なのだそうです。

また、モンゴル相撲はより身近で観られる競技として人気があります。各地の猛者たちが集まり、スタジアムで一度に複数組みが対戦して、トーナメント方式で優勝を競います。日本の相撲のように、人気力士や贔屓の力士がいるらしく、登場すると口笛や名前を叫んで応援が盛り上がります。

最後に弓ですが、これは男が75m女が60mも先にある的を狙う競技です。モンゴルの弓は、日本の弓道ほど力が必要ではないため、老人や女性の参加もあり、競馬や相撲に比べれば参加のハードルが低いことでやはり人気があります。

いずれも、個人の名誉だけでなく、出身地の期待や応援を背負った選手たちの頑張りとそれを応援するサポーターたちの熱のこもった様子に、ただの観客としてそこに居合わせる旅人もついつい引き込まれて興奮してしまいます。

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まとめとして

ナーダムから思い出すのは、「スーホの白い馬」という絵本です。おそらく日本人の子どもの大半が一度は目にし、読んでいるのではないでしょうか?

モンゴルの民話を元にしたこの物語は、貧しい少年スーホが白い仔馬と出会って育て、首都で王によって開催される競馬に参加するほどに成長し、見事に優勝します。優勝賞品はなんと王の娘との結婚でした。

人の数と同じだけの馬がいるといわれ、子どもが歩くようになると仔馬があてがわれ、兄弟のように成長するのがモンゴルの遊牧民たちの常識だといいます。

ナーダムで優勝することは、古くは王の婿になるほどの名誉を勝ち取るチャンスだったし、今も周囲の尊敬や憧れを集め、一族の社会的地位の向上に役立つチャンスにつながります。

物語では、貧しいスーホとの結婚を嫌った王がスーホを銀貨で追い払い、白い馬を取り上げてしまいます。傷だらけで遠い我が家へ帰ったスーホのもとに、はやり脱走し傷ついた白い馬が瀕死の状態で帰ってきます。そして、死んでしまった馬は馬頭琴に姿を変えてスーホを慰めます。

実はこの民話、現地ではほとんど知られていません。日本人にとっては、「恩返し」や「絆」といった琴線に触れる内容も、モンゴル人にとっては不名誉な結末なのかもしれません。

ナーダムの競馬で、精いっぱい着飾った少年騎士を見て、そんなことを思いました。

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