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中国鉄道旅・最新事情 〜 きっぷ購入から乗車/下車までの流れ

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1000万平方km近い国土面積に、13億を超す国民を抱える中国。その広大な国土と圧倒的な人口を支えているのは、他でもなく「鉄道」です。

中国はいまや世界一といってもいい鉄道大国となりました。特に長距離旅客輸送に関しては、他国とは桁違いの規模を誇っています。国土を網の目のように鉄路(実質的な国鉄)が覆い、近年は驚くべきスピードで高速鉄道(中国新幹線)が整備されています。

そんな中国の鉄道に乗る際、日本とは勝手が違い戸惑うことも多々あると思います。今回は、切符の購入から移動までの一連の流れを書き起こしてみることにします。

 

1.列車の種別について

さて、切符を買う前に乗る列車を定めなければなりません。中国の切符は地下鉄などを除き全て指定席なので(詳しくは後述)、日本のように駅に行って目の前の列車に乗る、というわけにはいきません。

中国の列車は主に「動車組(动车组)」とそれ以外に分けられます。

動車組の列車は、簡単に言えば中国新幹線。列車番号の頭にはG/C/Dのいずれかのアルファベットが付いていますが、これはそれぞれ「高速動車組」「城際動車組」「動車組」の頭文字。高速運転専用の線路を走り、速達で停車駅が少ないのが特徴です。もちろんそれだけ料金も高いのですが…。座席は大まかに一等座(グリーン車)と二等座(普通車)に分けられます。

それ以外の列車は、日本で言うところの在来線列車。普客列車(頭文字なし)、快速列車(頭文字K)、特快列車(頭文字T)、直達特快列車(頭文字Z)などの種別があります。後者ほど速達で、また一般的に車両も新しく、その分料金も高くなります。寝台車や食堂車を連結している列車が多く、座席は大まかに軟卧(A寝台)、硬卧(B寝台)、軟座(グリーン車)、硬座(普通車)、そして後述の無座(立ち席)に分けられます。

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中央から右側に並んでいる赤や緑の車両は、普客〜特快に使われるタイプの客車列車。左奥に見える白い電車が、動車組に使われるタイプの車両です。

 

2.きっぷについて

中国の列車の切符は、このようになっています。

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青い切符は磁気券で、自動改札機が使えます。赤い切符は自動改札機が使えないので、係員のいる改札を通る必要があります。田舎の駅だと、まだ赤い切符が発行されることが多いです。左上の切符は動車組のものですが、それ以外の列車の切符と見た目は変わりません。

切符の上側には、乗車区間と乗車列車が記されています。例えば、左上の切符なら「瀋陽北(沈阳北)から長春(长春)まで、G1255番列車に乗る」ということですね。G1255番ということで、この列車は頭文字Gの高速動車組であるとわかります。

右上の切符はインターネット予約したものなので、赤丸で囲ったところに「网」の印が付いています。インターネット予約した切符は、キャンセル時に料金が銀行口座に戻されるので注意。

下側のオレンジで塗りつぶしてあるところには、パスポート番号と氏名が記載されています。中国の鉄道切符は実名制なので、中国人は身分証、外国人はパスポートがないと購入できません。

さらに中ほど左側には乗車日と発車時間、料金が記されています。「限乗当日当次車」とあるように、当日の当該列車にしか乗ることができません。もちろん途中下車も不可。

中ほど右側、緑色の枠で囲ってある部分に、号車・座席番号と座席の種別が記されています。右下の切符には「11車008号下舗」とありますが、これは「11号車8番下段」の意味。寝台車の切符には、3段式(軟卧は2段式)になっているベットの上中下の指定があります。

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中国の標準的な寝台車(硬卧)で、ご覧のように3段式になっています。下段は空間が広く快適ですが、上中段はかなり圧迫感があります。ベットのクッションはほとんどなく、ベットを覆うカーテンもありません。それでも、立ち客がいて椅子もリクライニングできない硬座よりは圧倒的に快適。夜間の移動だけでなく、昼間の長距離移動にも寝台車を使うのがオススメです。

右上の切符には「硬座」とありますが、左下の切符は同じ硬座でも「新空調硬座」です。これは空調装置の有無を示しており、ただ「硬座」としか書かれていない列車はエアコン無しとなります。料金としては一番安いのですが、夏場に混雑した時など目も当てられません。

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夏に乗った非空調の硬座。頭上では扇風機が唸っています。窓が開いている箇所も見られますね。この時は列車が空いていたので、蒸し風呂とはならずに済みました。料金が安いので、客層は(失礼ながら)あまり豊かではなさそうな農民や学生がメインです。

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一方こちらは特快列車の「新空調硬座」。特快というだけあって車両も新しく、エアコンはもちろん間接照明や電光案内表示など近代的な内容です。同じ硬座でもこれほどに雰囲気が違うのですね。でも、日本の特急電車のようなリクライニング・シートではありません。硬座はあくまでも3人+2人並びの固定席です。

また、硬座には「無座」という種類の切符もあります。これは硬座が満席のときに立ち席扱いで発券される切符ですが、実際に乗車して席が空いていれば座っていいことになっています。もちろん、正規の指定席券を持っている人が来たときには席を譲らねばなりません。春節などの繁忙期は、この無座の切符が多く発行され硬座車は大混雑になるそうです。

その点、動車組の二等座には無座の扱いがなく、完全な全席指定となっています。切符が取りにくい半面、繁忙期でも快適な旅が保障されているというわけです。

また、各切符はそれぞれ一度まで変更が可能です。キャンセルもできますが、乗車直前のキャンセルは高い手数料を取られるので注意が必要。もし切符をキャンセルするのなら、なるべく早めにしておきましょう。

 

3.切符の購入と改札

中国の鉄道乗車における最大の難関といえば、やはり切符の購入です。大きな駅では切符売り場の前に長蛇の列ができ、横入りも絶えません。最近はインターネットでの予約も始まり、日本人でも中国の銀行口座を持っていればオンラインでの予約ができるようになったので、繁忙期はそちらを利用するのも手です。しかしどちらにせよ、最終的には駅で切符を発券してもらわなければなりません。

さて、窓口についたらパスポートを渡します。前述の通り、切符は全て実名制。筆者は窓口で切符を購入するとき、ミスを防ぐために乗車区間・列車番号・日付のメモをパスポートと一緒に係員に渡しています。あとは代金を払い切符を発券してもらえば完了。

列車の発車まで時間があれば、このあと駅前に出て食事を済ませたりしてもいいかもしれません。ただ、慣れないうちは大都市駅ならば1~2時間まえに駅に入る余裕が欲しいところです。

駅の「候車室(待合室)」「進站口(入り口)」などと表示のある場所へ入ると、まず最初に身分証の確認と荷物検査があります。購入した切符とパスポートを検査官に提示し、荷物をX線検査に通し、身体検査を受けましょう。なんとなく空港のような雰囲気です。

これらを終えると、晴れて駅の待合室に入ることができます。

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大都市駅なら、その規模に驚くことでしょう。待合室にはコンビニや飲食店、土産物屋などが揃っています。マクドナルドとバーガーキングとケンタッキーが同じ駅に並んでいることも。改札がたくさんあるので、一番最初に、電光掲示板でこれから乗る列車の改札番号を確認しておきましょう。

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一方地方の駅だと、新しくてもこのようなシンプルな雰囲気になります。改札も一箇所しかなく、待合室にはトイレと給水機くらいしかありません。流石に長時間を過ごすのは退屈です。

発車の15分まえほどになると、列車の改札が始まります。改めて手許に乗車券を用意し、指定の改札のまえに並びましょう。ここでも一応列らしきものはできるのですが、列が横に広がりあまり意味をなしていません。ただ、少なくとも並んでいれば乗り遅れることはほぼ無いはず。

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改札を通過してホームへ。列車はすでに停車中でした。客車の中央にある行先表示板を見ると、なんとラサの文字が。いつかは行ってみたいものです。さて、何号車に乗るのか切符を確認し、その車両のドアのところに立っている乗務員に再度切符を見せて、いざ乗車!

 

4.乗車から下車まで

列車に乗車したら、切符に記載されている指定の席まで移動します。このとき、硬座車両に乗った場合は自分の指定した席に別の人が座っている場合もありますが、切符を見せて席を譲って(というか、返して)もらいましょう。

硬卧や軟卧などの寝台車に乗った場合には、車掌が切符を回収に来て、代わりに寝台番号を記載したカードを渡してくれます。車掌は切符の行き先を参考に、下車駅が近付くと乗客を起こします。これは寝過ごす心配がないので非常に安心です。もっとも、その後に二度寝して乗り過ごした乗客も何人か見かけていますが…。このときに車掌から切符を返却されるので、カードと引き換えに受け取ります。切符は下車駅の改札でも必要になることがあるので、最後まで無くさないように。

座席車に乗った場合には、居眠りなどで乗り過ごさないように注意が必要です。到着時間に携帯のアラームをかけておくなどの寝過ごし予防は欠かせません。

長距離移動では、列車内での食事も楽しみの一つ。長距離列車の多くには食堂車が連結されており、若干割高ではあるものの熱い食事を楽しめます。また車内販売では弁当やカップ麺の販売があるので、安く済ませるときにはこちらを選ぶこと。カップ麺や茶を淹れるために、車端部には給湯器があります。また、長時間停車する駅のホームで買い物をすることもできますが、荷物の管理や乗り遅れにはくれぐれも注意してください。

…などと注意注意と口煩く書いてしまったので、さも中国での鉄道旅は危険が隣り合わせ、のように見えてしまうかもしれませんね。しかし実際には、私は荷物の盗難はおろか車内で恐怖を感じたことはありません。むしろ、近くの席の方々と中国語や筆談で談笑して楽しい時間をいつも過ごしています。時にはお菓子を恵まれたり、電話番号を渡されて「困ったらいつでも連絡しろよ!」と励まされることも。これこそ、中国の鉄道旅の楽しみといったところです。

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車窓には、ネオンの眩しいビル街や険しい山、赤い風の吹く荒野が広がっているかもしれません。線路端では牛が草を喰み、鶏が忙しなく歩き回り、そして人々が思い思いの生活をしています。飛行機では見られない中国のリアルが、窓の向こうに広がっています。

車内放送はあまり親切では無いので、下車の時間が迫ってきたら早めの準備を。混んでいる硬座車などでは、デッキにたどり着くのにも一苦労です。しばしの移動時間を共に過ごした隣客にさよならを言い、少しだけ名残惜しさを感じつつ駅のホームへ。

駅の出札口を抜ければ、まだ見知らぬ街が目の前に広がっています。旅はこれから!

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