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伝統そのままの街を完全復刻した古都~ポズナン(ポズナニ)を訪れて

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poz5伝統そのままの街を完全復刻した古都~ポズナン(ポズナニ)「Poznań」/ポーランド

ワルシャワとベルリンを結ぶ中間地点にあたる商業都市ポズナニ。ポーランドでも最古の都市といわれる歴史を持ち、古くは東西ヨーロッパの交易の中継地として、今もポーランドの商業地区としてその地位は確固たるものだ。

しかし、その歴史の長さに反して観光面ではほとんど知られていない。それというのも、ポーランドの政治的なお国事情もあったが、それ以上にヨーロッパ各地で現代版「ツーリズム」が流行し始めた時期に、町の大部分が壊滅状態にあったことも関係しているようだ。

第二次世界大戦禍。多くの国や地域がそれを受けたが、ほとんどの地域は新しい街を立ち上げたり以前の姿を復元したりで復活を遂げていったが、ポズナンではそれに長い年月がかかってしまったのだ。

しかし、町の90%以上が破壊されたというポズナニは見事に復活した。それも在りし日の姿を限りなく取り戻すという素晴らしい形で。今こそ、その姿をその目で確認しにいこう。

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ポズナンの見方

もっとも見どころが集まるのが「旧市街地」で、ポズナン中央駅から西へ1.5kmほど離れたエリア。狭く小さくまとまっているので、数時間もあれば十分に観光できるだろう。一度は第二次世界大戦の戦火や社会主義時代の傷跡が残り、ボロボロの状態になってしまったが、20世紀後半になってほぼ元通りの姿に復元された。

「新市街地」と呼ばれるのは、ポズナン中央駅と旧市街地とに挟まれたエリアで、旧市街地よりも広い。新市街地と呼ばれてはいても、建造物の中には第二次世界大戦前に建てられたものも残されている。このエリアの特徴は、古めかしい建物と今風のモダンな建物とが入り混じっているところだろう。新市街という名前に油断したのか、無計画に新しい建物を建ててしまったように見えて、残念なような、興味深いような。

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旧市庁舎

旧市街地の代表的建造物。

最初に建てられたのは13世紀だが、その時の姿はもう残っていない。現在の姿は16世紀のルネッサンス様式の再建版だ。第二次世界大戦でドイツ軍に破壊しつくされた後、元通りの姿に市民の手によって復元された。白と青のファサード前面のバルコニーはたくさんのアーチで支えられている。

現在は旧市庁舎と呼ばれ、内部は市史博物館やホールとして開放されている。市庁舎での見どころはこの博物館の優雅なアーチとフレスコ画と、建物の外壁上部にある仕掛け時計だ。正午になると、山羊が現れて角のつきあいをするという珍しい仕掛けを見ることができる。

この山羊時計には、16世紀に市庁舎に時計を取り付ける時、みんなの食事になるはずだった2頭の山羊が逃げ出したという逸話も残っている。

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旧市場広場

旧市街地の中心にあたる、旧市庁舎、大ポーランド軍事博物館などの見どころが並ぶ旧市場広場もまた、戦禍で壊滅的な被害をこうむったものの復元されて、中世から続いてきた古都中心地の姿を取り戻している。

ヨーロッパ各地の古都や旧市街地で見かける四角い広場とその周囲を取り囲む3、4階建の建物は、しっとりとした落ち着きある色と佇まいを見せている面があるかと思えば、カラフルなマッチ箱を立て並べたような明るい面もあっておもしろい。現在、これらの建物の中には、カフェやレストラン、ギャラリーなどが多く入っている。

白と赤の壁を持つイエズス会の教会は、比較的質素な大聖堂と比べて内部も煌びやか。ここにも2頭の山羊の像が置かれている。

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大聖堂島

ヴァルタ川の中州のような島こそが、実はポズナンでもっとも古くから人が暮らす地区だといわれている。ヴァルタ川はポーランド3大河川の一つ。河港都市として発展した歴史を持つだけに、大聖堂島もまた、都市の一部として機能してきた。

大聖堂島と呼ばれるその理由は「ポズナン大聖堂」がここにあるからだ。もともとは、ポーランド人が住み着く前にこの地に住みついていたスラブ人の信じる異教の神殿があったと考えられている。それを壊して10世紀頃に最初の聖堂が建てられた。

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ポズナン大聖堂

ただ、この大聖堂もまた戦禍で破壊され、オリジナルは地下礼拝堂「クリプタ」しか残っていない。聖堂そのものはほぼオリジナルに近い形に修復されている。2本の高い塔が目印で、旧市街からも新市街からも少し離れているが、高いビルの少ない町だけに、どこからでもこの塔を目にすることができる。

内部は積み上げたレンガの肌が丸見えのシンプルさもあれば、異常なまでに目を引く金色に輝く「金の聖堂」もある。複数の礼拝堂がそれぞれに違った特徴を持っているので、聖堂に飽きている目にも楽しめるだろう。

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グルカ宮

16世紀にアンジェイ2世(グルカ)が所有していた宮殿で、市場広場の角にあるが、その門のルネッサンス風の意匠が素晴らしい。

現在は考古学博物館になっているため建物内部見学も可能で、中庭のオベリスクは大きくはないが、「こんなところで!」と懐かしい友に再会したような気持ちにさせられる。

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ホテル・バザール

その名の通り広場にあるホテルで伝統でも高級さでもトップクラス。

新しいホテルのようなピカピカ感はないが、落ち着いた雰囲気と格式あるサービスを受けられること、また、当時の有力者や貴族たちがパーティーを繰り広げていたその場所に立てることから人気がある。

現在もホテルとして営業しているため、宿泊もできるし、ロビーは見学も可能。

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スタリ・ブルヴァル

ビール醸造所の跡地をショッピングモールにした人気スポット。もとの建物を生かした現代建築物としての成功例といわれている。

赤いレンガの壁からは、今もホップの香りが漂ってきそうだ。

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ポズナンと鉄道

ヨーロッパの東西をつなぐベルリンーワルシャワ急行の停車駅があり、ポズナンはベルリンからもワルシャワからも300kmほど離れていて、電車では3時間ほどの距離となっている。遠くモスクワやキエフまで続く路線もあり、ヨーロッパやロシアを鉄道で旅する時に立ち寄ることも多い。ポズナンにはヨーロッパで唯一的路線となっている蒸気機関車も走っている。日本では鉄道マニアが行列する蒸気機関車が、普通の買い物や通勤通学の足となる列車として使用されているところがスゴイ。

また、ポズナンにおける鉄道は町の運輸と観光の両面で活躍する存在だ。ポーランド内の各都市への移動、周辺国への国境越えの旅、そして、ポズナン市内での移動にも使われている。

市内の移動はもっぱらトラムと歩き。この路面電車はいろいろなタイプが混ざって走っているので、カフェで座って見ているとひっきりなしにいろんな車体を眺めることができる。

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ポズナンの夏至の祝い

世界各地にランタンを使った祭りはたくさんある。特に、映画ラプンツェルにランタン飛ばしのシーンが登場して以来、その人気が高まり、各地のランタン祭りの地元は「我が祭りこそが、あの映画のモデルだ」として宣伝にいとまがない。

そんな中、ポズナンのランタン祭りは、聖ヨハネ祭りとも呼ばれ、夏至の日の夜に数千の大きなランタンを空へと飛ばす。夏至を祝う習慣は古くからあったが、ランタンを飛ばすようになったのは最近のことらしい。ただ、2014年以降は、資金不足とゴミ問題などの苦情から、開催は無期中止状態に入っているのが残念だ。

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最後に

ポーランド最古の都市と呼ばれ、1000年を超える都市としての歴史と伝統を持つポズナンだったが、先の大戦では町のなんと90%が壊滅的被害を受けたとされる。しかし、ほかのヨーロッパの同じような戦禍から再建された古都と同様、瓦礫の山から一つ一つ建築材を拾い出し、古い図面や写真や記憶をもとにコツコツと建てなおしたその姿が今のポズナンなのだ。

すなわち、今目に見える歴史的建造物の9割が再建されたもの。とてもそうは見えない出来栄えと、そこまでにかかっただろう費用や労力、そして、これが日本の古都である京都や奈良であったとして、元通りに復元させることが可能だろうかと考えた時、そのパワーのすごさを感じ、町を見る視点が変わってくる。

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