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北朝鮮の高麗遺跡~開城(ケソン)の文化財と遺跡群を訪れて

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日本文化の流れを見る、北朝鮮の高麗遺跡~開城(ケソン)の文化財と遺跡群「Historic Monuments and Sites in Kaesong」/朝鮮民主主義人民共和国

世界で唯一、一国が分断されて「壁」が設置されている場所。それが朝鮮半島の北朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国の間に横たわっている板門店だ。

その板門店のすぐそばにある北朝鮮側の都市「開城」の文化財と遺跡群が2013年に世界遺産に登録された。北朝鮮としてはようやく2か所目の登録となり、国を挙げての祝事として扱われた。

日本文化にも大きな影響を与えた「高麗」から「李氏朝鮮」、10~14世紀頃までの建造物やその廃墟が遺跡として整理されている。

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開城の文化財と遺跡群に含まれるもの

918年に高麗王朝が興った頃から首都として機能し、その後李氏朝鮮に征服される1392年までの約400年間繁栄した。

高麗の滅亡後も街は李氏朝鮮の商業都市として発展を続けたが、高麗王朝ゆかりの建造物などの保護や修復はほとんど行われず放棄されてしまい、長く顧みられることがなかった。そのため、現在残されているもののうち、初期のものはその基礎や壁などの一部の廃墟であり、完全な形で残っているのは、比較的後期に建造されたものだ。

現在、12件の遺跡が高麗時代の政治や文化を伝えるものとして世界遺産に指定され、修復・保護・整備が行われ、観光客に公開されている。

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満月台と開城瞻星台

高麗成立翌年の919年に建設された王宮の跡が満月台。山麓に階段状に建てられた壮大かつ壮麗だったといわれる王宮は、高麗王朝末期に起きた紅巾軍による侵入で燃え落ちてしまった。現在残るのは、基礎部分だけだ。

満月台のすぐ隣の開城瞻星台は、その漢字から想像される通り、星などの天体や気象を観測するための施設だった。王宮の名「満月台」といいい、高麗王朝が「天体」を重要視していたことがうかがえるネーミングだ。ここで、高麗王朝の繁栄も滅亡も天体の動きと共にすべて記録されていた。

開城瞻星台もまた、満月台と同時期に建てられたが現在は礎石部分が残る遺跡となっている。

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開城城壁

開城は典型的な城郭都市で、首都は城壁によって守られてきた。城壁が守るエリアは、開城の発展とともに拡大変化し、初期に建設された拔禦塹城から高麗滅亡時期に建設された内城まで、5つのエリアに分けることができる。

残っている城壁は、石組の歴史を感じさせるものが多い。また、開城内城の周囲を囲む城壁には7つの城門があり、そのうちの南に置かれた大門が「南大門」である。

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南大門

日本でも韓国料理店の名称として使われることの多い「南大門」だが、城内を囲む城壁に造られる門や仏教寺院に造られた門のうち、南に面する門をそう呼ぶ。

開城城市の内城には7つの門が設けられていて、その一つが開城南大門。1391年から2年かけて建造され、そのほかの建造物の多くが基礎や土台を残すばかりになっている中で、高麗王朝初期の建築様式をもっともよく残す建物であり、朝鮮半島全体でみても、最古の城門としての価値がある。

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高麗成均館

現在は高麗博物館としてオープンしている。

11世紀初期の建造で、当時は外交上の接待を行ったり、国賓の宿泊所として使用されていた。その後、儒教経典の保管や教育のための施設として学校のような業務を担っていた時期もある。

博物館としても立派な体裁を整えた高麗成均館内には、貴重な文化財が集められ、興味深い展示も多い。また見どころは内部だけでなく野外にもあり、高麗時代に造られた石塔や石碑、石灯籠などが集められているため、散歩をしながら高麗文化を堪能できる。

さらに、朝鮮戦争中にアメリカ軍が破壊したという石碑も展示されるなど、若干の政治的主張も含まれている。

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崧陽書院

高麗王朝末期に活躍した儒学者「鄭夢周」の住宅を学校として開放したところから、両家の子息や政治官僚候補生たちの勉学の地として大学のような役割を担ってきた。

ここでは、朝鮮で伝統的に最重要とされ、政治でも文化でもその根幹となる儒教が教えられていた。高麗が滅びた後、李氏朝鮮の代になっても、学校としての機能は引き継がれた。

鄭夢周ら高名な儒学者や指導者たちの霊廟ともなっている。

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善竹橋

高麗時代の儒学者「鄭夢周」は、高麗王朝末期の有能な政治家でもあった。そんな彼が李氏朝鮮を建国した李成桂の一派によって暗殺された場所がこの橋の上だったという。

もとの名は選地橋だったが、鄭夢周の暗殺後、橋のたもとから竹が生えてきたことから、善竹橋と呼ばれるようになった。

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表忠碑

善竹橋のすぐ近くにある2つの石碑は、鄭夢周を供養するためのもの。北に置かれた石碑は1740年に、南の石碑は1872年にそれぞれ建てられた。

碑には、鄭夢周の活躍と供養の文が刻まれている。

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王建王陵

高麗王朝建国者が王建。王建王陵は、王建の広大な墓所だが、現在の王陵は、20世紀後半に再建されたものだ。

風水に従って設計されたという墓室は、松竹梅の壁画が描かれているという。

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恭慇王陵

高麗末期の第31代王、恭慇王の陵墓として知られている。

この王陵は王の生前から計画され建造も始められていた。王自身だけでなく、すでに亡くなっていた妃も一緒に葬るように作られている。

夫婦の墳墓はすぐ近くに造られ、その睦まじさが伝わってくる。

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七陵群、明陵群

王建王陵の北西に7つの王陵が点在し、それぞれ12、13世紀に建造されたものだといわれている。調査は行われているものの
現在までその王陵の持ち主は確定されていないままだ。

同じく明陵群も王建王陵近くにある3つの王陵。3王陵のうちの1つは第29代王の陵墓と確認されたものの、あと2つはさまざまな説があり、はやりまだ確定されていない。

発掘調査などは行われ、修復や再建も行われてはいるが、考古学的・科学的な調査は不十分な面があり、今後の調査が待たれるところだ。

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板門店

こちらも焼き肉やの名称としてよく目にする名だが、その本元は開城市から10kmほど離れた場所にある南北朝鮮を分断する北緯38度線の壁のある場所だ。世界遺産には含まれないが、近くになる観光地といえる。

冷戦の最前線ともいえる停戦協定調印が行われた本会議場があり、現在も北朝鮮兵士が微動だにせず見張りに立つ内部へと入ってみることができるほか、会議場内に設定されている38度の境界線を、またぐこともできる。ツアーでのみ訪問可能だ。

高麗人参

高麗と聞いて高麗人参を思い出す人も少なくないだろう。

それもそのはず、開城は高麗人参の産地として有名。輸出品として外貨を稼ぐもとにもなっている。

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韓国の経済協力により開城工業団地

北朝鮮と韓国の関係が良好だった時期に設置された工業地区で、韓国企業100社以上が進出して経済協力を行っている。これも世界遺産には含まれない。

開城の街そのものは瓦屋根が続く昭和初期のような風景だが、このエリアだけは、ファミリーマートなどのコンビニが立ち、韓国企業のバスが走り、行き交う作業衣に身を包んだ人々も、気のせいか垢抜けてみえる。

しかし、両国の関係が悪化するとその影響が大きく現れるのもまた特徴で、韓国企業が出入り禁止にされることもある。

通常は、北朝鮮内ツアーでその発展ぶりを見せつける場所として組み込まれることの多いポイントだ。

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最後に

朝鮮民主主義人民共和国と呼ぶよりも北朝鮮として耳になじむその国は、日本からそう離れていないにも関わらず、心理的に遠い国。観光旅行の目的地として考える人は多くないだろう。

でも、日本に伝わった多くの文化が朝鮮半島を通過してきている。そこにある遺跡が日本人の琴線に触れるものであるのは想像できるだろう。

北朝鮮には2件の世界遺産がある。個人旅行はできずツアーでの参加となるものの、旅は可能だ。あっちもこっちも行き飽きたというベテランの旅人であっても、ここなら新鮮さを味わえるのではないだろうか?

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか?あなたの旅の話を聞かせてください。

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