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地球の割れ目にある神秘的で豪快な地シンクヴェトリルを訪れて

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地球の割れ目にある近代議会発祥の地~シンクヴェトリル/アイスランド

アイスランドには、本来海底にあるはずの海の山と山とがぶつかってできた嶺が、地表に飛び出している地点がある。

のどかな平原に現れた岩の壁は、ユーラシアと北アメリカのプレート同士がぶつかり、はじき合い、マグマを噴出させてできたものだという。

地底活動が作りだす、神秘的で豪快な景観を上から下からじっくりと味わおう。

世界遺産としてのシンクヴェトリルの意味

シンクヴェトリルは2004年に世界遺産に文化遺産として登録された。自然遺産ではない。

世界遺産における文化遺産の登録基準のうち、「現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠」であり、「顕著で普遍的な意味を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの」の2点をクリアしたとみなされたのだ。

シンクヴェトリルの歴史的意味

無人島だったアイスランドに人が定住したのは、9世紀のこと。長く、世界的にはもちろん、ヨーロッパにおいてさえ、「最果ての地」として忘れられた存在であったこの島は、ヴァイキングの時代に入って、「氷の島=アイスランド」として認識されるようになったという。

植民者となったのは、ノルウェー人とスコットランド・アイルランドのケルト人たち。彼らは、930年までに植民を完了させ、アイスランド全島の調整機関的役割を果たす存在として「アルシング」と呼ばれる議会が創設された。

このアルシングが開催されたのが、シンクヴェトリルだったのだ。現在もその地点には、アイスランドの国旗が掲げられている。

アルシングの意味

アルシングは、世界最古の近代議会だとされている。

この時代のヨーロッパ各国は、国王・皇帝らによって統治されていたが、初期の入植者たちによるアイスランドでは、定住地や出身地別に自治が行われていた。

毎夏、各自治体の族長たちはシンクヴェトリルに集まり、アイスランド全体の統制を取るための法律を定めたり、論争を解決したりするためのアルシングを開いていたのだ。

この頃のアイスランドには、権力が集中する存在がいなかったため、決定事項はあくまで人々によって守られるという理想国家だった。もちろん、法律は文章化されず、「法の宣言者」と呼ばれる者が選ばれて、全てを記憶していたという。

アイスランドの植民地化と発展

入植者たちによる自治は、グリーンランドの発見によってその範囲を広げていったが、その後ヨーロッパ全土から世界へと広がっていく植民地化の波にのまれ、アイスランドはノルウェーやデンマークの植民地となる。

植民地化されてもアルシングは続けられていたが、1800年にとうとう解散。その後、アイスランドの自治確立運動が活発化すると再び開催されるようになるなど、政治的に不安定な時代が続いた。

外国の植民地化政策だけでなく、疫病の流行や火山噴火などの影響もあり、アイスランドは一時人口が激減、国としても困窮を極めた。しかし、持ち前の開拓精神で乗り越えてきたのだ。

近代・現代のアイスランド

デンマークとの関係は徐々に改善され、自治権も獲得。同君連合ながら、「アイスランド王国」として成立していた時期もある。

第二次世界大戦後には、ついに念願の独立を果たし「アイスランド共和国」となったが、冷戦の影響を受け、火山噴火の影響を受け、さらには世界金融危機の影響も大きく受け、国家経済は再び危機状況に陥った。

しかし、アイスランドは再び立ち上がろうと前を向いている。

アイスランドと女性

アイスランドでは、ほんのわずかな期間を除き、アルシングが常に国家の諮問機関として存続し続けてきた。1930年には創設1000年の祝いも開かれている。

アイスランドが、入植当時から非常に進んだ国家形態を持っていたことが分かるが、女性の権利をいち早く認めた国としても知られている。女性参政権は1917年に、世界初の女性大統領も1980年に誕生している。

観光地としてのシンクヴェトリルを楽しむ

シンクヴェトリルは、世界遺産・文化遺産だが、そこを訪れて、文化的意義を感じるのはおそらく数十分。残りの数時間はアイスランドの持つ世界的自然地形を堪能するのに費やされるだろう。

シンクヴェトリルの楽しみは、「ギャウ(ギャオ)」を登り、またぎ、歩く。それに尽きる。

「ギャウ」とは、地球の割れ目のこと。

本来、海底深く数キロメートルの地点にある海底山脈の海嶺(かいれい)。これが、シンクヴェトリルでは、地表に現れているのだ。

ここのギャウは、ヨーロッパやアジアを乗せたユーラシアプレートと北アメリカプレートが力比べをしている地点。現在も年間2~3cmずつ離れていく両プレートによじ登って溝を見下ろしたり、両プレートを両足で跨いだり、両プレート間を歩いたりできる。

ギャウの上は足場が悪いので注意が必要。自分自身が転がり落ちないようにと、ギャウの間を歩く下の人に向けて落石を起こさせないためにも、足元の石や岩場を崩さないようにしよう。

また、ギャウの高さに注意を払ってみたい。途中で急に高くなっている場所がある。そこは、アルシングが開催された場所に面している。ローマのコロッセウムなどのように、このギャウの壁が起こす音の反響を利用したのではないかとも言われている場所だ。

「エキジビジョンセンター」と「インフォメーションセンター」

広大な国立公園は、アルシングが定めたシンクヴェトリル保護法案に沿って、アルシングが選んだシンクヴェトリル委員会によって管理されている。

それによると、この地は「永久に保護すべき国家的聖地」であり「永久の財産」であり、居住すること、開発することは完全に禁止されている。許されているのは、訪れることと守ることだけだ。

その保護体制を支えるのがエキジビジョンセンター。双方向マルチメディアを使用した施設内で、シンクヴェトリルの自然や歴史を体験的に学習することができる。センターのすぐ傍には、ビューポイント・ハキーズがあり、国立公園を一望できる。

また、公園のキャンプサイトに近いインフォメーションセンターは、冬季は閉鎖されているものの、キャンピングやハイキングの季節には、豊富な情報が揃う公園のガイドセンターとして使用できる。

オクスアルアゥルフォスの滝

駐車場から歩いて10分ほどでギャウの嶺の間に盛り上がるように見える滝の姿。それがオクスアルアゥルフォスの滝。

オクスアルアゥルフォス川には深い淵があり、古くは溺死刑に使われた刑場だったという。景観が美しいだけに、ゾッとするものもある。

また、溺死刑は主に女性対象であり、麻袋に入れられて淵に投げ落とされた後は滝へと流されていったという。では男性はというと、やはり滝の上で斬首刑。そしてやはり、滝へと落とされたとか。

割れ目で冷え冷えシュノーケリング&ダイビング

シンクヴェトリルの「シルフラ」は、知る人ぞ知る極寒のダイビングスポット。

氷河からジワジワと染み出した水は、1年中水温2~3度。その透明度は100m以上だといわれている。この透明度のおかげでダイビングだけでなくシュノーケリングでも、かなり楽しめること請け合いだ。

エントリーポイントへは、カンカンと金網の階段を下りていく。水面から覗くと、濃紺なのに、数m以上の深さがある淵の底までくっきりと見通すことができる異世界だ。

ギャウの間は狭くなったり広くなったり、岩に囲まれたり、広い砂地に出たりと変化を見せる。

海と違い、潮などの影響は受けないが、とにかく冷たい。ドライスーツをきっちりと着込むのはもちろんだが、体温チェックはこまめに行おう。

Gullfoss - Vetur_1

青と黒の世界を探検

シンクヴェトリルのシンクヴァトラヴァトン湖の底63m地点には、「シルフラの洞窟」と呼ばれるスポットもあり、周囲の濃い蒼と洞窟内部の暗黒に、全身を包まれる感覚を味わおうと訪れるダイバーも多い。

深さ、天候、岩肌、湖底などの状況によって、その蒼の濃さが変化し、寒さを忘れるようなダイビング体験ができる。

アイスランドのゴールデンサークル

シンクヴェトリルと「ゲイシール」と「グトルフォス」の3か所は、アイスランド観光のゴールデンサークルと呼ばれている。アイスランドを訪れた人が必ず観光するスポットなのだ。

シンクヴェトリル国立公園は、歴史的意味でも、特殊な地形を観察するにも、自然景観を味わう意味でも、ツアーからは外せないポイントだ。公園自体は広大だが、駐車場とビューポイントや見どころまでの距離が近く、観光しやすい。

ゲイシール

首都レイキャビクから80kmの地にあるゲイシールは、アイスランドでも有数の間欠泉。しかし、火山のマグマ活動の影響を受けやすく、活動がストップしたり規模が変化したりしている。

政府は、水路の新設・清掃などの努力を重ねたものの、間欠泉の安定には結びつかず、長く活動は休止状態だった。しかし、2000年の大地震を機に再び活動開始。1日に3回程度と多くはないが、最大50mもの間欠泉を吹き出している。

周囲には、温泉や小規模な間欠泉が多くあり、何も見るものがないという心配はない。

近年は特に、「ストロックル間欠泉」の活動が活発であり、10分ほどの間隔で20~30m規模の間欠泉を噴出している。

あちこちに小さな間欠泉の吹き出し口やお湯の湧き出し口がある。総じて湯温は非常に高く、周囲の散策時には、定められた歩行ルートを守らないと、思いがけず熱湯を浴びることになりかねない。

グトルフォスの滝

Waterfall of Gullfoss

シンクヴェトリルにも滝はあるが、グトルフォスの滝は、その規模でも、2段構えの珍しさでも、アイスランド一だといわれるだけの価値がある。

まずは駐車場そばの展望台から全景を見下ろしておこう。それから通歩道を通って、滝壺のすぐ近くまで歩いていける。滝が段々になっているため、かなり水勢は削られているはずだが、それでも滝壺では水しぶきで全身を濡らすことになる。

時間と体力に余裕があれば、さらに滝の上まで登ってみると、滑るように流れ落ちていく滝の違った姿を見ることができるだろう。

いつ行くか

アイスランドはその名前から想像するほど極寒の地ではない。日本と比べれば、北海道よりは温かいくらいだろう。

しかし、アウトドア中心の観光地であることから、冬場の観光は天候の影響を受けやすい。また、10月~4月は閉鎖されている施設が多いことを考えると、ベストシーズンは5月から9月いっぱいといったところだ。夏場は白夜となる。

ただし、冬には冬の楽しみがある。オーロラ観察とセットで観光するならば、冬の方がおすすめとなる。

冬には完全防寒で、夏であっても、防寒具の用意は必要だ。

旅の注意点

アイスランドの治安はいい。犯罪面での不安をほとんど感じる必要がないのはありがたい。しかし、旅行者にとってつらいことに、物価が非常に高い。特にハイシーズンは値段設定もさらに高めとなっている。海鮮をはじめとした料理もおいしいが、予算繰りに苦しむ可能性がある。

アイスランド内の移動は、車が主となる。国内航空路も発達しているが、予算より時間短縮が最優先という時以外はおすすめできない。

長距離はバスで、シェアする相手がいればレンタカーで、というのが一般的だろう。

最後に

アイスランドはその気候と地形から、激しい変化を見せる自然に囲まれた国だ。地球の割れ目「ギャウ」も間欠泉もその一部。しかし、激しさゆえに自然のままの美しさを持ち続けている。

アイスランドは、近代議会を世界に先駆けて開催し、1000年を超える歴史を重ねてきた国であり、自然を自然のまま守ることをどの国よりも早く表明した国でもある。

小国故に、他国の争いに巻き込まれた時代を長く過ごしてきたが、アイスランドの人々は常に変わらず、温かく聡明で進歩的だ。

旅をしながら、人から自然から、そんなアイスランドの温もりを感じたい。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

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