世界最大級の仏教寺院ボロブドゥール寺院遺跡を見学してみた

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Borobudur temple ruins2

巨大な丘の上に積み上げられた石の曼荼羅~ボロブドゥール寺院遺跡

ボロブドゥール寺院は、今から1200年ほど前に建造された、世界最大級の仏教寺院だ。

自然災害である火山の降灰や、王朝の盛衰、宗教的価値観の変化により、1000年もの間、土とジャングルの中に埋もれていた遺跡でもある。

巨大なピラミッド型の寺院は、訪れる者に仏教の成り立ちやその思想を壁面のレリーフを通じて語りかけてくる。さながら、仏教の曼荼羅のような存在である。

ボロブドゥール遺跡の位置

the historic ruins park

東南アジア・インドネシアのジャワ島中部に位置する。国際空港のあるジョグジャカルタからは40キロほど、ジャカルタからは400キロほどの距離だ。

周囲を山に囲まれた平原である。山々の中でひときわ目立つのが巨大なムラピ火山。歴史的な大規模噴火でボロブドゥールをはじめ周辺地域で大きな被害が出している。近年では、2010年にも噴火し、降灰による被害が出ている。

自然の丘地形を生かした寺院だと考えられている。周囲は歴史遺跡公園と整備され、高級ホテルも立っている。

周囲は歴史上長くジャングルであったところを、細々と農地として開拓されていったようだが、現在は、周辺農地は公園用地として収用され、いくつかの小さな町や村落が点在している。

周辺住民の大半は仏教徒ではなく、ボロブドゥールは観光歴史遺跡にすぎない。巡礼に訪れているのは、遠くからはるばる訪れている仏教徒たちだけで、そのほかは観光客とそのガイドや、遠足で訪れるインドネシア人たち。そこに宗教的な意味はあまりないようだ。

成り立ちや支配王朝と宗教の移り変わり

海のシルクロードのルートにあたっていたインドネシアには、さまざまな宗教が渡来したが、8世紀にジャワ島中部のこの地に興ったのは、「シャイレーンドラ朝」と呼ばれる仏教国だった。

シャイレーンドラ王家のダルマトゥンガ王の命の下、服属するサンジャヤ王家のパナンカラン王の指示でボロブドゥールの建造が始まったのが780年ごろだとされ、完成は792年といわれている。

続くサマラトゥンガ王の在位中にも増築が続いていたようだ。しかし、9世紀中期以降、シャイレーンドラ王朝は衰退し、その中心をジャワ島からスマトラ島へと移したとの説がある。

いずれにせよ、ボロブドゥールはシャイレーンドラ朝の衰退とともに、歴史上から姿を消してしまう。

宗教的にも、ジャワ島での仏教勢力はヒンドゥー教に押しやられ、その後15世紀には、そのヒンドゥー教もイスラム教に取って代わられた。

宗教的な意味合い

仏教には大きく分けて「小乗仏教」と「大乗仏教」とがある。ボロブドゥールは大乗仏教の下で建造された超大規模な石造寺院である。

巨大な寺院の頂上部の世界最大級のストゥーパ(仏塔)には、釈迦の遺骨が納められていたとされる。内部には大日如来像を置かないことで、仏教の「空」思想を表現していると考えられている。

このことから、ボロブドゥール自体が、仏教の宇宙観を示す曼荼羅的な意味合いを持っているともいわれている。

また、ボロブドゥールは大きく、「基壇」、「方形壇」、「円壇」の3段で形成されているが、それぞれが仏教の三界である「欲界」、「色界」、「無色界」に相当するという。

欲界は一般的な人間から地獄までを、色界は天上界のうち物質欲だけが残った世界、無色界は欲望も物質的条件も超えた精神的な世界を意味している。

巡礼者・参拝者は、下壇から順番に上へと登っていくことで、欲深い世界から悟りの境地へと近づいていく偽体験を味わえるのだ。登りの道すがら、壁にぎっしりと掘られたレリーフからは、因果応報や釈迦の誕生や説法などのストーリーを読み取ることができる。

基本構造

the historic ruins park2

自然の丘を基礎とし、その上に盛り土されている。20センチ×30センチの石を煉瓦のように組み上げたのがボロブドゥールだ。基本的に接着剤の役割を果たすものは使われていない。全体は、内部に巨大なドームを抱え込んでいるように見えるが、内陣は持たない。

全体としては前述の基壇に、方形壇が5層、円形壇が3層の9層構造であり、全体像は階段式のピラミッドに似ている。

5層の方形壇にはそれぞれ回廊がめぐらされていて、細かなレリーフで仏教説話を学ぶことができる。浮彫のレリーフは1460面に及び、登場人物は1万人を超えるといわれる。

また頂上部の円形壇までは、階段で登っていけるようになっている。階段の入り口には鬼(カーラ)と海竜(マカラ)の像が装飾された門がついている。

途中には、多数のストゥーパが作られているが、内部中央には仏像が配置され、その周囲を切石のブロックで格子状に積み上げて丸い釣鐘のような形に覆っている。仏像の姿は格子の隙間から覗き拝することができる。

500体を超える仏像は、各回廊やその方向によって異なる印を結んでいるので、見学の際には確認してみたい。

さらに、方形壇の縁でみられる不思議な生き物の像は、すべて想像上の生き物だ。吐水口として使われていたために大きな口を開けている。ついその口に手を入れてみたくなる姿だ。

ボロブドゥール1000年ぶりの再発見

jungle

9世紀に歴史から姿を消したボロブドゥールは、ジャングルの中に埋もれているのを1814年に発見されるまで、土に覆われていた。

これは、異教徒による破壊を恐れた信者が埋めたとの説と、自然災害である火山の降灰によるものだとする説があるが、はっきりとは分かっていない。しかし、これだけの規模の寺院を埋め尽くすのは、どちらにしても大変なことであるのは確かだ。

発見は、後のシンガポールの創設者であり、当時のジャワ総督代理のトーマス・ラッフルズとオランダ人の技師コルネリウスによった。1851~1855年の調査では、壁面のレリーフや土台部分までが発掘されたが、作業の途中で倒壊の危険性があるとして埋め戻された。

1900年以降はオランダ政府による大掛かりな発掘調査が始まり、写真で記録をとりながら、復元工事も行われた。

ユネスコによる修復作業

インドネシア独立後、放置されていたボロブドゥールは崩壊寸前の姿となっていた。

ユネスコは、1973年から2000万ドルの予算、10年計画で大規模な修復工事を行った。その際、方形壇部分の石組みはすべて解体され、番号が付けられコンピューター管理した後、コンクリート補強された基礎の上に元通りに積み直された。

その後も日本の協力で、ボロブドゥールと周辺の遺跡を合わせた複合歴史公園として整備が進められた。

しかし、この計画は周辺の観光面での地域振興とはなったが、農地収用による反感もあり、イスラム過激派によるストゥーパ破壊事件を引き起こしている。インドネシア内に仏教徒が少なく、ボロブドゥールは観光地に過ぎず、仏教遺跡としての信仰心が全体的に薄いことも関係しているようだ。

しかし、世界遺産に登録され、インドネシアを代表する観光地となっている今、それぞれの心に持つ意味合いは異なっても、インドネシア人にとって重要な建造物であるという意識は強まってきているようだ。

おすすめ観光方法

個人よりも、ガイドをつけたほうが周りやすい。移動手段が限られるため、車付のガイドツアーが便利だ。また遺跡でも、見どころをある程度絞り込んでくれるため、時間の限られている旅行者におすすめだ。

また、ボロブドゥール史跡公園内唯一のホテル・マノハラでは、サンライズとサンセットに合わせたツアーを催行している。このツアーは、公園の一般入場時間外に行われる。朝四時出発はつらいが、美しさと涼しさにそれだけの価値はある。宿泊者でなくても利用できる。

注意事項

ボロブドゥールにはエスカレーターもエレベーターもない。地面の高さから根気強く石の階段を上っていくしかない。階段の段差は大きく、小さな子供は手をつかなければ登れないほどのところもあり、大人でも息が切れる。また、おぶって登るのも危険なので、子連れの場合は計画自体に再考が必要だろう。

さらに、登り始めると、日中はほとんど日陰がない。ガイドや現地の観光客たちは、わずかなストゥーパの影などに座りこんで涼をとったり休んだりしている。

十分な水分と帽子などの日除けを準備しよう。同時に、雨季には雨具の用意も必要だ。

ムンドゥ寺院とパオン寺院

Paon temple

世界遺産としての「ボロブドゥール寺院遺跡群」には、ボロブドゥール同様にシャイレーンドラ朝によって建造された、2つの遺跡「ムンドゥ寺院」と「パオン寺院」が含まれている。

ムンドゥ寺院は、ボロブドゥールとパオン寺院を結んだ直線の延長線上にあり、ボロブドゥールからは東へ約3キロ離れたところにある。

細かい石で組まれた寺院内部には、釈迦如来・観世音菩薩・金剛手菩薩の石像が納められているが、特に中央の釈迦如来像は、「世界でもっとも美しい仏像」の一つともいわれる、優雅な姿を持っている。

パオン寺院はボロブドゥールから東へ1.7キロの位置にある。小規模な寺院だが、レリーフの美しさで知られていて、伝説上の生き物や神たちの姿を見ることができる。仏教遺跡でありながら、土着宗教的要素の濃いヒンドゥー教と文化的に融合しているのが分かる。

ほとんどのツアーやガイドは、この3寺院をセットで連れていってくれる。寺院の近くには小さな売店や食堂はあっても、ホテルはなく、流しのタクシーも捕まえにくい。個人では移動しにくい場所だ。

近隣の世界遺産

Prambanan Temple Compounds

ジョグジャカルタを基点とした日帰り観光地として、「ボロブドゥール寺院遺跡群」のほかに、「プランバナン寺院遺跡群」も世界遺産であり、複合宗教遺跡として有名だ。公共のバスで手軽に訪れることのできる場所にある。

「サンギラン初期人類遺跡」も世界遺産。ジョグジャカルタから電車で2時間ほどのソロへ向かい、ソロからはバスを乗り継いで行く。ジョグジャカルタ発のツアーかタクシーのチャーターのほうが、時間のロスがない。

アクセス

ジョグジャカルタへは、日本からはジャカルタか、周辺国の首都を経由してアクセスする。ジョグジャカルタからは、バスで約1時間半。タクシーなら1時間弱だ。

ボロブドゥール周辺は、公園内のホテルに宿泊するか、車付ガイドで移動していない場合、夕方以降はバス便がほとんどなくなるので注意。タクシーを捕まえるのも至難の業だ。

最後に

Borobudur temple ruins

石を切り、積んで、削って、人間の手によって造られた石造遺跡は、1000年の眠りから覚め、今世界の注目を受けている。

仏教寺院という宗教的建造物でありながら、宗教色が薄く、歴史遺跡として観光地化している様子は、かえってすべてを超越しているようで、仏教の宇宙観を感じないでもない。

熱帯の太陽の陽射しを直接浴びながら、自分の足で一段ずつ登りつめ、レリーフに描かれた説話の意味を考えていくと、仏教の奥深さとボロブドゥールを作り上げた人々の信仰心が伝わってくる。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

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