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巨大な屏風にへばりついて暮らす仮面族~バンディアガラの断崖を訪れて

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アフリカの巨大な屏風にへばりついて暮らす仮面族~バンディアガラの断崖「Cliff of Bandiagara (Land of the Dogons)」/マリ共和国

幅200km標高差500mの断崖絶壁。まるで巨大な屏風のような姿の茶色い壁がこの世界遺産だ。

ここには、不思議な仮面を被る民族「ドゴン族」25万人が700あまりの村落を作って暮らし、その生活環境や様式、文化、宗教などの特異性から、新たな観光名所として注目を集めている。

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断崖絶壁は天然の要塞

断崖絶壁そのものは、決して住環境がいいとはいえない。上りにくく下りにくいのだから当然だ。

だが、防衛面から見るとその判断は正反対になる。ドゴン族の集落は、断崖の途中にも作られている。その暮らしを守るため、断崖の上下には土で要塞も作られている。

1300年頃に先住民族を追いやって以来、ドゴン族はずっとこの地で暮らし続けてきた。そして彼らの持つ独特の文化は、その長い歴史の中でほとんど変化することなく守られてきた。

しかし近年の観光化によって、それらの伝統が「守るべき自分たちの文化」から「観光収入を得る手段」へと変わりつつあり、同時に都市へと流出するドゴン族も増えているという危機感も生まれている。

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長方体にストローハットの家

彼らの住居は土レンガを積み上げ、さらに土で表面をならした長方体。少し離れたところからみると、四角いバケツに濡れた土をギューギューと詰め込んで、カパっと地面に開けて作った泥の塊のよう。これがニョキニョキと断崖の下にも上にも途中にも生えているわけだ。

それぞれの家には人が通り抜けるピッタリサイズの出入口と50センチ四方程度の窓がいくつかあり、縦長の内部をしきるためにかわされた木の棒があちこちの壁から突きだしている。土でならした外壁には動物の骨が塗り込められていたり、馬や蛇などが浮き彫りで描かれている。

仕上げは麦わら帽子。屋根に当たる部分には藁で作った大きなとんがり帽子が乗っけられている。窓や突き出た棒などの位置によっては、壁が人の顔のようにも見えておもしろい。

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ドゴン族とは

彼らは、雨期の穀物や野菜栽培によって生活の糧を得ている農耕民族。家族や村などのグループ意識が強いほか、つながりの濃いさまざまな集団を作ることで知られている。

男女別、年齢別、宗教的ランク分けなどで作られた集団組織は、政治組織としても活動し、それぞれのメンバーやリーダーたちによって村のあらゆる活動が決定されていく。

彼らは、政治的なまとまりと同時に宗教的なつながりが非常に強く、リーダーも政治面と宗教面で別に存在している。

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ドゴン族の宗教観

彼らの宗教は独自性を守ってきた。ほかの多くのアフリカ先住民たちがキリスト教やイスラム教などの影響を受けたにも関わらず、700年以上にわたりほとんど変化することなく、伝統を受けついできたという。

宗教の中心になるのは、先祖への崇拝。特に父系血族を中心とする宗教儀式が発達していて、男子のみの秘密仮面結社が行う祭りなどもある。

彼らの秘密主義な宗教は、今も「秘密」な部分が多く、村の政治や人間関係にも影響を与えるほどの影響力を持ちながらも、その活動は謎。だからこそ、興味をひかれるのだろう。

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仮面と仮面結社

彼らの生活の中でもっとも特異な存在が「仮面」だ。仮面にはいろいろなタイプがあり、それは父系家族という集団ごと、または秘密結社ごとに異なっていたり、葬祭などの使用目的によっても変わってくるらしい。

ある仮面は、すっぽりと頭にかぶる帽子に前垂れがつき、その前垂れの目の部分に穴が開いている、またある仮面は大きな瓦のようにたわんだ板に目鼻口をつけられている。ウサギのような大きく長い耳がついていたり、頭の上にトーテムを立てていたりとさまざまだ。その数は90種類にも及ぶという。

この仮面を効果的に使っているのが「仮面結社」と呼ばれる秘密結社だ。

ドゴン族がこの地に移動してくる前に定住していたとされるニジュール川沿いでは、他民族との争いが多発し、それを嫌っての大移動だったともいわれている。ドゴン族は自分たちの「顔」を隠すことで、族内の争いを防ぐ工夫をしたらしい。顔を隠した者同士が対話を行う秘密結社の集まりは、他者や他部族と争うためのものではなく、部族内で安定した関係を保っていくための手段なのだ。

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60年に一度の仮面の祭典「シギの祭り」

シギの祭りはドゴン族がもっとも敬う祖先の霊をまつる儀式。彼らの現世を創りだした祖霊を表すもっとも長い蛇を象った仮面「イミナ・ナ」と、最長老である男性「オゴン」を中心とした踊りの祭典だ。

シギの祭りはエリア内の各村を順に巡っていくため、7年間かけて行われる。祭りに携わるのは男性で、彼らと彼らの衣装や仮面などは、女人禁制の特別な集会所で、毎夜、神が乗り移った蛇の舌でチロチロと浄められるそうだ。

蛇は年老いた祖先が姿を変えたもの。本来ドゴン族は死ぬことなく、蛇となって永遠に生き続けると考えられていた。しかし、ある時神との約束を破った蛇が罰として死を与えられる。このドゴンの伝説上最初の死の儀式化がこの祭りの元になっている。

シギの祭りはドゴン族がこの地に定住した14世紀から続いている。しかし60年に一度しか開催されないため、次の祭りは2027年だ。

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葬送の儀式「ダマ」

ダマは、部族内や結社内の重要人物や、ドゴンダンスの踊り手などが死んだ時に、彼らに祖先の霊の仲間入りをして、今後も部族を守ってくれるようにと願う儀式として行われるものと、すべての亡くなった仲間のために行われるものとの2種類がある。

前者は、死者の階級によっては死後すぐに行われることもあれば、村の都合で数週間・数か月後に行われることもある。後者は、数年から10年に一度、まとめて行われる法事のような形式の葬送となる。

ダマでも、ドゴンダンスが踊られるが、素人目にはシギの祭りとの踊りの違いは確認できない。しかし実際には、使われる仮面の種類や衣装、そしてダンスそのものも違っているらしい。

定期的とはいえ60年に一度のシギの祭りも、不定期なダマの儀式、どちらもこの目で見ることができるチャンスは少ない。

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ドゴンダンスのデモンストレーション

観光地化が進むバンディアガラ周辺では、シギの祭りやダマで踊るとされるドゴンダンスをオムニバス形式で見せてくれるショーが行われている。

次々に現れる踊り手は、確かに違った仮面をかぶり衣装も違う。もちろん踊りも違っているが、その違いや意味合いは、ガイドがいても多くは説明がつかず、見ている我々が想像するしかない。

それでも、普通では目にするチャンスがなかなか巡ってこないドゴンダンスを一度に見ることができる貴重なイベントなので、ツアーに含まれているかどうかはしっかりとチェックしておこう。

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ドゴン神話

全知全能の神「アンマ」が宇宙や地球を創り、続けて人の形をした大地を創りだした。アンマと大地との間に聖霊や人を産みだし、彼らがドゴンの始祖となったとされる。何やら日本の神話にも似ている。

ドゴンダンスはすべてこのドゴン神話にもとづいているという。しかし、ドゴン神話の中には、もともとのドゴン族が受け継いできたものと、外部から入り込んだ情報とが錯綜しているともいわれ、どこまでが正しいドゴン神話で、ドゴンダンスのどの部分に反映されているかは判断が難しい。

現地へのアクセス

フランス・パリを経由してバマコに入り、そこからは陸路をバンディアガラへ向かう。延々と悪路を四駆で走っていくことになるため、決して楽な旅とはいえないが、マリの観光地は大半が同じようなアクセス状況だ。

現地では当然断崖絶壁が一番の見どころだが、一部だけを見て満足ならいいが、断崖の中にある集落を見学するには、足元が危なすぎる階段を上ることになる。当然、まともな手摺などないので、足を踏み外せば真っ逆さま。かなりの登りとなる上、神経も使うため、かなり疲れることを覚悟しておこう。

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最後に

世界中に残る先住民族たちの生活は、彼ら独自のスタイルを「観光客のため」に継続しているところが増えている。バンディアガラの断崖は、今も14世紀の頃の文化を「独自の意思」で守ろうとしている貴重な世界遺産だ。

しかしそんなドゴン族の間でも、急激な観光客の増加と観光地化によって、ドゴンダンスの見世物化、集落や住宅見学、写真撮影でのチップといった金銭感覚が入り込み、彼らの伝統文化を変化させているようだ。

また同時に、近隣の砂漠化によって農作物が育たなくなるなど、生活環境の変化がこの世界遺産の驚異となっている。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

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