to0

砂に飲み込まれていくトンブクトゥの現実を見た

»旅を職業にしたい人募集中!旅を人生の中心にしてよりハッピーな生き方に!「詳細はこちら」

to0

砂に飲み込まれていくアフリカの黄金の都~トンブクトゥ「Timbuktu」/マリ共和国

地中海沿岸の商人とアフリカ内陸部の商人とが互いの商品と文化とを交換し合う一大交易地として栄えたトンブクトゥ。

ムスリムやヨーロッパの流れを含む地中海文化とアフリカ文化とが混ざり合い、独特の歴史を育んできた。トンブクトゥはアフリカ各国にとっても、ヨーロッパやアジアにとっても「遠く彼方にあるエキゾチックな地」だったという。

そんな栄光も今は過去となり、残された文化と建造物などが世界遺産に登録されている。

to1

今のトンブクトゥ

中世ヨーロッパの探検家たちがその豊かさに驚き、「黄金の都」と呼んだというトンブクトゥの姿は、16世紀の絶頂期を境にあっという間に衰退していく。さらに、ムーア人による占領などにより荒廃したトンブクトゥは、18世紀頃には泥煉瓦を積み上げた貧しい村へと変わり果ててしまった。

トンブクトゥは1988年という早い時期に世界遺産に登録された。

しかしそこで見ることができるのは、日干し煉瓦と粘土で作られた灰色の家、ポツンと残された3つのモスク。それらも今にも周囲の砂と同化していきそうな危うさを持つ。

武装勢力によって破壊された聖堂はユネスコによって修復されたものの、観光施設としての発展は足踏みどころか日々後退している。

to2

トンブクトゥの知的財産

トンブクトゥは、町の存在そのものが文化遺産として登録されている。その中でも黄金時代に書き溜められた大量の手書き書物は、貴重な資料であり歴史的価値のあるものとして特に重要視されている。

一部はフランス本国に持ち出されて保管されているものの、多くは長く現地で放置されていたため、傷み、散逸、闇売買などで失われつつある。また、武装勢力によって略奪されたり、火をかけられたりで失ったものも少なくない。

世界遺産に登録されたことで、これらの書物はかき集められてデジタル化にょる保存・修復が行われ、図書館や博物館で展示されているのを見ることができる。

しかしその多くは今も個人所有であり、実質的な管理は個人の手にゆだねられている。見学できるのも私設の図書館内でとなる。

to3

ジンガリベリ・モスク

14世紀、その建造に際しては200kgの黄金が費やされたともいわれるモスク。しかし、その材料は藁と粘土と日干し煉瓦。建てたのは、メッカ巡礼に際し、人夫6万人に3㎏ずつの黄金を運ばせてトンブクトゥの黄金伝説を広めたというマリ帝国のムーサ皇帝だ。

高い壁、威嚇するように飛び出した突っ先、小さく狭い出入口などからは、要塞のほうがふさわしい呼び名のようにも見える。

しかしここでは、全盛期のトンブクトゥにおける、イスラム神学の学問所として活発に教育活動が行われていた。

トンブクトゥに残るモスクとしては最古のもの。世界遺産ではあるが、原則として最奥部まで入れるのはイスラム教徒のみで、観光客は外観と屋上部分など一部の見学だけが許されている。

to4

サンコーレ・モスク

棘を持つ細長いピラミッドのような塔を持つサンコーレ・モスクは、本来大学として建てられたもので、当時はサンコーレ大学と呼ばれていた。学生数は多い時で2万5千人を超えたといい、アフリカだけでなく、地中海沿岸からも入学者がいたという。

当時の西アフリカでもっとも栄えていたトンブクトゥは、知識面でもどこよりも先んじていたとされ、トンブクトゥには100以上のイスラム神学校があり、サンコーレ大学はその中でも「知の殿堂」としての地位にあった。

大学そのものは世界で見れば、もっと古い歴史を持つものもあるが、サンコーレ大学は黒人による黒人のための大学として最初で最古のものとして知られる。

16世紀以降、トンブクトゥが衰退すると、大学としては機能できなくなり、モスクとして転用されるようになったのだ。

サンコーレ大学の過去の栄光は、砂に埋もれそうになったり、破壊行為を受けて、危機遺産として登録されたこともあったが、ユネスコの支援と現地の技術者たちの尽力により修復が行われている。

to5

シンディ・ヤハヤ・モスク

15世紀建造のシンディ・ヤハヤ・モスク「聖なる扉」と呼ばれる入口部分が、武装勢力によって破壊されてしまった。

「聖なる扉」は、開けると災厄を招くとされ、過去数百年間開けられたことがなかった。この扉を偶像崇拝であり、「ハラム(イスラム教の禁)」として破壊すると宣言した武装勢力が、クワやツルハシで遺跡へと突入したのだ。

聖なる扉の奥にはイスラム聖人の墓があり、それもまた、偶像崇拝にあたるとして一部が破壊された。

しかし、トンブクトゥがフランス軍によって制圧されたことを受け、現在はほぼ元通りの姿に修復されている。

to6

平和の炎

この記念碑の下には、3000丁の銃が溶かされてコンクリートとともに埋め込まれているという。

何を記念しているのかというと、トンブクトゥに平和が訪れたことだ。トゥアレグ族とアラブ人たちの反乱が集結した1996年に建てられたものだが、その後のトンブクトゥも決して平和だったわけではない。

そのせいかどうか、モニュメントは広々とした砂の通り道に立ち尽くすばかり。周りに人の気配はほとんどない。

to7

塩商人のキャラバン

トンブクトゥの町から一歩外へと踏み出せば、もうそこは砂漠。乾季には、千年以上にわたって続いている、岩塩を積んだラクダやロバのキャラバンが砂漠を渡っていく様子をみることができる。

しかし、砂漠は危険と隣り合わせ。交渉次第ではラクダに乗ってちょっとしたキャラバン体験ができることもあるが、キャラバンの一員として参加するのは事実上不可能であり、その様子をみるには、4WDとガイドとドライバーとを雇い入れる必要がある。

トゥアレグ族のキャンプを覗いたり、民芸品の店に連れていかれることもあり、興味のある人はホテルで相談してみるといいだろう。ホテルなどで手配は可能だが、残念ながら、ツアーの類はほとんど存在しない。

to8

トンブクトゥへのアクセス

マリ第二の都市であるモプティをトンブクトゥ観光の拠点とする旅人が多い。バマコからはバスか船でアクセスできる。空路の定期便は必ずしも期待できない。

モプティからは車で半日。日帰りは難しいものの、現地での宿の手配も安心とはいえない。

to9

インフラ整備状況

世界遺産に登録されたり、近くをバリ・ダカール・ラリーが通過したりで、知名度は少しずつ高まってきている。しかし、都市としては衰退したまま、細々と交易が続けられているにすぎず、トンブクトゥの現状は非常に貧しい。

トンブクトゥは遊牧民であるトゥアレグ族の町だったが、長い歴史の中ではさまざまな民族が流入し混血化も進んだ。しかし、マリ国内は民族解放を求める複数の武装勢力と旧宗主国フランスの間で断続的な戦闘もあり、政治的にも経済的にも安定には程遠い状況が続いている。

そのため、市内は水道や電気といった基本的なインフラ供給さえも不安定であり、観光客が大勢訪れるだけの設備は整っていない。

to10

トンブクトゥを襲う危機

周辺の砂漠からの砂の侵入によって、町そのものが消滅してしまう恐れも指摘されている。

これまで、砂漠化を理由とする危機遺産登録も行われた。修復作業と並んで砂漠化の対策も講じられてはいるものの、砂の威力を押さえきることはできていない。街は丸ごと砂に埋もれてしまう危険をはらんでいる。

また、大きな抗争や内乱こそ起きていないが、政治的・経済的に不安定な状況が続いていることに変わりはなく、魅力的な観光資源はあっても訪れる観光客は増加していない。

トンブクトゥは、世界遺産を抱えながらも、貧困にあえぎ続けているのだ。

to11

最後に

世界遺産に登録された、非常に貴重な文化や建造物が破壊されるという悲しく残念な事件が世界各地で起こっている。

人工的に建造されたもの、考え出されたものは、有形無形にかかわらず、保護されなければいつかは失われてしまう。

トンブクトゥもまた、このまま十分な保護を得られなければ、いつか砂という自然に埋もれるか、宗教・政治対立という人災で破壊されてしまいかねない。

しかし、安全が確保され、インフラ整備が進まなければ観光客は訪れない。このままではトンブクトゥが宝の持ち腐れになってしまう、その前に是非訪れたい。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

自由に旅をして稼ぎませんか?

自由にゆっくりと、風の吹く方向に歩む。旅そのものが職業、旅そのものが人生。
そんな生き方をする人が増える事が私たちの願いです。
だから私たちは、旅を職業にしたい人、誠の自由を手に入れたい人を心から応援しています。
このプロジェクトに参加したい人は以下の「詳細を見る」にアクセスしてください。

おすすめ

まだ読んでないの?

リアル本:2万8千部突破 世界一周の本ベストセラー

Yuuma Family – pickup

  1. この町では、玄関、窓、車、すべての鍵は開けっ放し、刺しっぱなし!だから僕たちもアパー…
  2. 一週間お世話になった宿のオーナーや従業員たちに挨拶をして、親切にしてくれた人たちには精一杯大…
  3. IMG_2078
    コルカタで撮れたちょっといい写真。家族写真も思い出に少しだけ。 …

新着記事

  1. red
    みなさん、ミャンマーは実はワインの名産地だということを知っていましたか?ミャンマーを訪れる観…
  2. cs_promologoorangerevrgb_fullsize
    みなさん、カウチサーフィンをご存知ですか?世界中の旅行先で、無料で泊めてくれる人を探すことが…
  3. barista
    日本でも大人気のスターバックス。繁華街のスタバ店内はいつもイス取りゲーム状態です。海外ほとん…
PAGE TOP