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鎧を着た貴婦人~バレッタの市街を歩いてみたら~マルタ共和国

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va1鎧を着た貴婦人~バレッタの市街「Valletta」/マルタ共和国

サイズはミニだが、周囲を威嚇するように堡塁で囲んだ町は、遠くから見ているとツンと澄ました貴婦人のようだが、近づくと鎧をまとって小さく牙をむいているのが分かる。この地を原産とする小型犬マルチーズが、その美しく気品ある姿と小さな体で外敵に勇敢に吠えかかる様子そのものだ。

地中海のど真ん中に残された中世騎士団に作られた街並みは、激しい戦禍を潜り抜け、長年の風雨での傷みを受けながらも、それらさえも勲章のように受け止めて、今世界遺産として訪れる人を厳しくも優雅に迎えてくれる。

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世界遺産に登録された市街地

バレッタはマルタ共和国の首都だ。しかしその規模は小さく、坂こそあるために疲れはするが十分徒歩で観光できる。そしてそこで暮らす住民はわずかに7千人ほどだ。

ヨーロッパによくある大きな都市の一部である「旧市街」が歴史地区として世界遺産になっているのではなく、バレッタ全体が旧市街であり歴史地区であり、世界遺産でもある。

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コンパクトかつ効率的な町

要塞都市とも呼ばれるバレッタはわずか15年で作り上げられたという。

聖ヨハネ騎士団がこの地に当時最新のヨーロッパ文化を持ち込み、美しい建造物がそびえまっすぐな道路が貫く計画都市を完成させた。その結果、小さな町はその小ささを生かした、守りやすいコンパクトさと、生活しやすい効率性の両面を持つことになった。

フランスやイギリスの指揮下でも、バレッタはその長所を伸ばすよう少しずつ改造されていったが、第二次世界大戦のドイツやイギリスの攻撃で大きな被害を蒙った。その傷跡は、興されなかった「ロイヤル・オペラ・ハウス」が代表だ。

現在のバレッタは、そんな傷跡を懐深くに隠しつつ、小さくも誇り高き貴婦人のような姿で、旅人を魅了している。

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聖ヨハネ騎士団大聖堂(聖ヨハネ準司教座聖堂)

バレッタのためにあり、バレッタを愛した聖ヨハネ騎士団の騎士たちが多く眠る聖堂。壁や床は彼らの墓となっている。町の名の由来となったジャン・ド・バレットもここに眠る。

バロックスタイルの厳かさと重々しい美しさは小さな町の教会とは思えない迫力。内部を飾る絵画や彫刻も一流品ばかりだ。

併設の美術館にはカラヴァッジオの作品「洗礼者聖ヨハネの斬首」と「聖ヒエロニムス」があるので、見逃さないように。

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勝利の聖母教会

バレッタの最初の礎石が置かれた地。バレッタ最古の建築物だ。

バレットは死に際して、自身が建造させたこの教会に埋葬されることを遺言したが、後に建てられた大聖堂に移されたという経緯を持つ。

教会は大聖堂の影となりその強力な保護を失い、さらに戦禍で傷ついたが、21世紀の修復活動で美しい創建当時の姿に近づいた。特に天井画が見事だ。

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騎士団長の宮殿と兵器庫

バレッタで圧倒的な権力を保持していた聖ヨハネ騎士団の騎士団長のために建てられた宮殿。現在はマルタ共和国大統領府兼国会議事堂として機能している。そのため、入場が制限されることがある。

併設の武器庫が博物館として公開されていて、当時の武器庫内に収められていた数々の武具や、対するオスマン帝国の大砲などが展示されている。騎士団の栄光を象徴する世界最大規模の武器博物館だ。

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国立考古学博物館

マルタ島もバレッタも、聖ヨハネ騎士団が訪れるその何千年も前から、人々の暮らしがそこにあったことが知られている。

マルタ島独特の古代文化を示す出土品などが集められた考古学博物館は、直接バレッタの市街地観光とは結びつかないが、珍しいデザインの工芸品などを見ることができるので、強い日差しから避けて一休みするのにはちょうどいいだろう。

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国立戦争博物館

マルタ島は、聖ヨハネ騎士団の時代から現代にいたるまで、「軍備」で自分たちを守ってきた。その歴史を紐解くことのできる資料を展示しているのが国立戦争博物館だ。

騎士団宮殿の武器庫が中世の武具展示が中心であるのに対し、ここでは近代軍事資料が中心となっている。特に、今はその傷跡の多くが修復されているが、第二次世界大戦中にバレッタが受けた大きな戦禍の様子を知ることができる。

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カーサ・ロッカ・ピッコラ

十字軍として活躍した聖ヨハネ騎士団が、マルタ島で一つの国家として存続していくにあたり「マルタ騎士団」となった。そして現在も修道会や医療団体を経営している。

カーサ・ロッカ・ピッコラは、マルタ騎士団員の邸宅として建てられた宮殿だ。現在も個人所有として実際に住居使用されているが、そのゴージャスな内装は一定時間見学者のために開放されている。

通りからは何の変哲もない姿しか見えず、見過ごしてしまうそうだが、中はスゴイ。

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マルタ・エクスペリエンス

バレッタの地中海コンファレンスセンターで行われている、マルタの歴史をテーマとする45分の体験ショー。

有史時代から現代までマルタ島の歴史を凝縮した映画で、観光の前に見ておくといい。日本語対応あり。

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騎士団施療院跡

地中海コンファレンスセンターとして、住民や観光客のインフォメーションセンター的な存在になっている。

地下には展示エリアが設けられていて、騎士団たちの施療院の様子が再現されている。ガイドツアーもあり。

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マノエル劇場

世界で3番目に古い現役劇場。18世紀の建造で、今も現役で使用されている。

ステージや観客席、併設の博物館はガイドツアーが行われているので、それに参加するとその見どころをかいつまんで説明してもらえる。建築そのものも内装も素晴らしいが、何より小さく美しく厳かというバレッタのイメージそのままの姿がそこにあり、騎士団の時代の華やかさがまだそこに残っている。

オペラやクラシックコンサートなどが今も行われているので、滞在中のチケットをゲットできれば最高だ。

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ロイヤル・オペラ・ハウス跡

1866年完成のオペラハウスは、ドイツ軍による空爆で廃墟となった。今も崩れ落ちた姿を残してそこにある。

ギリシャ宮殿のように列柱が立ち並ぶ荘厳な姿だったが、完全修復は行われず、廃墟を生かした野外劇場として整備された。

これは、古き良きロイヤル・オペラ・ハウスを完全修復することは事実上不可能であったこと、しかし、廃墟を更地に戻して新しい劇場を建てるプランは住民に受け入れられなかったことから、苦肉の策として考案された。

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暑く苦しい町

夏は40度近くまで気温が上昇する酷暑に苦しむ。海からの風は吹いても、これが日中は熱風のようだ。冬も気温は大きく下がらず温かい。年間を通じて雨が少なく常に乾燥しているので、気温のわりには過ごしやすく感じられるが、それで油断をするとすぐに日射病や熱射病にかかるので注意が必要だ。

市街地を歩いている間は、道の両脇に立ち並ぶ建物が日陰を作ってくれる。また、飛び込むカフェもある。しかし、町を少しでも外れたり海岸沿いに出ると、またたくまに干上がるだろう。

特に、この街は狭い中に厳しいアップダウンの坂がある。この坂の上り下りで体力を消耗することも計算に入れて徒歩観光の計画を慎重に立てておきたい。

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最後に

地中海の小さな貴婦人、マルタ島のバレッタはまるで鎧を着るように堡塁に囲まれ、剣と盾を掲げるように、砲台や教会も内蔵している。

一見、小さく古く飾り気のないその街は、修道院の質素さを表に見せてはいるが、その内側には煌びやかな栄光と難攻不落の自信を隠しもっている。

町を歩く際には、外側の地味な外装に騙されないように注意が必要だ。バレッタの町は、その美しさを見せびらかすことなく内側にそっと隠しているのだから。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

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