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黒い鬼が踊る!イタリア・マモイアーダのカーニバルを訪れて

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ma2カウベルを背負った黒い鬼が踊る「マモイアーダのカーニバル」(Carnival of Mamoiada)/イタリア・サルデーニャ

マモイアーダのカーニバルの登場人物は2パターン。

真っ黒い仮面に黒い頭巾に黒い毛皮のマント、背中には大量のカウベルを背負った姿がまるで黒い蓑を着込んだナマハゲのような雰囲気を持つ「マムトーネス」が主役。そして、白いお面に黒い帽子、赤いシャツに白いズボン、腰には手縫いの黒いショールを巻いた姿の「イッソアドレス」が準主役。

カーニバルのメインイベントである仮装行列では、鈴を鳴らして暴れ踊るマムトーネスをイッソアドレスが統率し、群衆に向かって縄を投げつけます。

復活祭前の謝肉祭「カーニバル」の祝い方はその地域ごとに異なります。今も伝統的な形式のカーニバルを残すといわれるイタリア・サルデーニャでは、ほかの地のカーニバルとはかなり毛色の違う登場人物による仮装行列が行われるとして、古き良き時代の祭りを愛する人たちの間で知られています。

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マモイアーダのカーニバルの特徴

マモイアーダのカーニバルの根っこにあるのは「死」と「復活」。これは、本来の謝肉祭(カーニバル)が持つ意味そのものです。

原始的な民間信仰や自然信仰の中には、必ず「死」と「復活(再生)」とかセットで存在していました。時には残忍な形の生贄などの形で「死」を表現し、来るべき「復活」を願い・祈り・祝った人々とその文化を、より洗練され進歩的だと自負するキリスト教徒とキリスト教が丸ごと取り込もうとした時に生まれたのがカーニバルだったのです。

世界各地の有名なカーニバルは、これらの「実」の部分が薄れ、仮装して踊る部分が強調されてきました。しかし、マモイアーダやその近隣の村々には、今もなお生々しい「死」を思わせる仮装や踊りが残っているのです。

そのため、マモイアーダのカーニバルには、ヴェネチアのカーニバルのようなゴージャスさはありません。リオのカーニバルのような華やかさもありません。でもその分、本来の祭りの真剣さや村全体が「ハレ」の感覚で緊張し盛り上がっている様子を感じ取ることができます。

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マモイアーダのカーニバルの開催会場・開催日

イタリアのブーツの東側、サルデーニャ島の内陸部に位置するバルバッジャ地方にある村「マモイアーダ」がカーニバルの舞台となります。バルバッジャの中心となる町ヌオーロの15kmほど南に位置します。

マムトーネスは踊りながら、イッソアドレスは縄をふるいながら、村の目抜き通りを行列していきます。広場ではマムトーネスが火を囲んで背中の鈴を激しく鳴らしながら踊り、最後には死体となって荷車に載せられて街中を廻っていくこともあります。

開催日はキリスト教の謝肉祭の時期にあたる1月17日。この日は聖アントニオの祝日でもあります。聖アントニオは家畜を守る聖人。1月17日はその年の農業事始めの日とされ、この日に人は豊饒を祈って歌って踊って食べるという祭り事を行い、家畜たちは聖アントニオと聖なる炎に守られて、この日だけは人の言葉を用いて聖アントニオに訴えかけることができるといわれています。

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マモイアーダのカーニバルの歴史

さまざまな言い伝えがあり、どれもありそうなようでなさそうなストーリーばかり。祭りの起源などそんなものかもしれません。

この地に侵略してきたサラセン人とそれを撃退した地元の羊飼い、1年の始まりに捧げられる生贄と羊飼い、悪霊や悪魔と羊飼いなど、その組み合わせをマムトーネスとイッソアドレスが表現しているという説があります。どれにも共通しているのが、「死=敗者」と「再生・復活・生産=勝者」というある意味勧善懲悪的な構図。また、1年間12か月分の「悪」と「死」を代表させるためにマムトーネスは12人登場します。

マムトーネスは全身真っ黒。これは敗者が火炙りにかけられたことに由来するとも、黒がそのまま死を意味しているともいわれ、勝者にはこの地の「生産」の中心であった羊飼いイッソアドレスが代表となっているわけです。

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マモイアーダのカーニバルのパレード

マムトーネスとイッソアドレスとが村の通りを練り歩くのがパレードに近いでしょう。カウベルを背負った黒づくめのマムトーネスとそれを取り囲むようにして進むイッソアドレスと、さらにその周囲を近づきたいけど近づききれない観客たちがどこまでもゾロゾロと一緒に歩いていきます。

観客、特に子どもたちにとって、イッソアドレスがふるう縄にあたり、できれば縛られることが少し怖いけれど楽しみの一つ。柔らかい草で編まれた縄が振り回される中を子どもたちがキャーキャー言いながら駆け回っていきます。

その間もマムトーネスは背中のカウベルを揺さぶって鳴らしつつ、気合いを入れるような掛け声をあげる以外は無言で通り過ぎていきます。その様子は少し不気味でもあります。

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マモイアーダのカーニバルのイベント

祭りの前に、村の広場で始まるマムトーネスとイッソアドレスへの変身作業が見ものです。

黒や茶の服の上に黒い羊毛のムートン地の蓑をまといます。そして、顔には木を彫って作られた真っ黒いお面、頭に黒いスカーフを巻きつければ、もう誰だか分かりません。最後の仕上げは鐘。子どもの頭サイズから大人の手の平サイズまでのいろいろな大きさの鐘を背中に何十個と背負います。その様子は磯の岩場で見かける小さな貝の集合体のよう。

マムトーネスに変装するのは男たち。中には小さな子どもも混じっています。

一方イッソアドレスに扮するのも男たち。白いシャツの白いズボン、そこに真っ赤なセーターを着こみ、この地域の女性が手作りするという刺繍織りの黒いスカーフを腰にまいています。頭には黒帽子をかぶってそれを赤や青のスカーフで首にとめるというスタイル。昔の羊飼いはこんな格好をしていたのでしょうか。

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参加できること

仮装行列に参加できるのは村の限られた男性だけ。ほとんどの住民も旅人も、マムトーネスやイッソアドレスに扮することはできません。

ただ、行列の近くで縄に打たれ捕まえられて楽しむことは誰でもできます。

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一番の見どころ

背中の鐘を鳴らして踊るマムトーネスでしょう。

この鐘の音は、羊などの家畜を守り、農作物に宿る邪気を祓うため、村へ悪霊や鬼の侵入を防ぐためなど、さまざまな理由がつけられています。日本でもねぶた祭りなど、鈴を鳴らしながら踊る祭りは少なくありません。似た感覚でしょう。

大量の大きな鐘を背負った黒づくめのマムトーネスは少し猫背のスタイルで上半身を左右に大きく揺らして鐘を響かせます。特に炎を囲んで踊る場面では、12人のマムトーネスが揃って右に左に跳ねながら、気合いの声を発します。音楽や言葉がないぶん、真剣さも不気味さもずっしりと伝わってきます。

また、祭りの最後にはマムトーネス自身、またはそれに見立てた人形を載せた荷馬車が登場します。ここでは祭りに参加するすべての人が死を嘆く歌を唄います。大げさなほどに「死」を演出して「死」を嘆くことこそが、「正」や「復活」へとつながると考えられてきたからです。

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まとめとして

民俗学的にも注目を受ける古い伝統を守ったカーニバルは、祭り文化の隆盛によって観光客こそ増えたものの、その形はまったく変わることなく粛々と行われ受け継がれています。

マモイアーダのカーニバルは、何も知らずに見ても物珍しいものですが、その裏側にある文化を知っているかどうかで、印象は大きく変わってきます。村にはマモイアーダの仮面博物館があり、近隣エリアのカーニバルや祭りの衣装や仮面が展示され、その歴史も解説されています。1時間ほどたっぷりと解説してくれるガイドツアーもあり、マモイアーダのカーニバルを知るだけでなく、サルデーニャ各地で開催される不思議なカーニバルのすべてに興味が湧いてくることでしょう。

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