「ロシア白夜祭り」に参加してみた。長く明るい夜の過ごし方

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はじめに

緯度の高い地域には白夜があります。場所によっては一晩中、ロシアのサンクトペテルブルクでは夜更けまで、パリでも夜遅くまで暗闇は訪れず、白く明るい空が天上に広がります。

夜が長いと日本では古くから「読書」を楽しめるといいますが、サンクトペテルブルクやパリでは長く明るい夜を芸術鑑賞のために費やします。

そして「白夜祭り」は、白夜をよりアクティブによりアーティスティックに過ごすためのイベントなのです。

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サンクトペテルブルク白夜祭りの開催会場・開催日

ロシアの古都サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場を中心に、市内各地でさまざまな芸術イベントが開催されます。劇場では音楽やダンスが、街角ではポスター展や大道芸が、歴史的建造物にはライトアップが施され、花火を上げて白夜祭りを盛り上げます。

マリインスキー劇場には、格調高く歴史ある旧劇場と最新音響を取り入れた新劇場とがありますが、視覚的な美しさを求めるバレエは旧劇場、音が何より大切なコンサートは新劇場で見るのがおすすめです。

5月に、マリインスキー劇場の芸術監督ワレリー・ゲルギエフが中心となってオペラ、バレエ、コンサートなどを上演する「白夜の星音楽祭」が開かれるのを皮切りに、7月までほとんど毎日のように何かしらの公演が続きます。

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白夜祭りの歴史

サンクトペテルブルクで今日のような白夜祭りが開催されるようになったのは、1993年のことです。

白夜が芸術を後押しする存在として受け取られるようになったのは、ロシアが急激に裕福になったごく最近のこと。ほんの数十年前までは、共産党支配の下、白夜は明日がなかなかやってこない象徴だと鬱々として過ごす夜でしかなく、白夜祭りもまた数回のクラシックコンサートが開かれるだけの抑圧された催しでしかありませんでした。

ソビエト連邦が崩壊し、食料供給がまだ安定していなかった頃には白夜祭りの存在すら忘れ去られてさえいたのです。ところが21世紀へと移り変わる頃、急激に経済的に発展し安定した生活を手に入れたサンクトペテルブルクは、長く明るい夜を「楽しむ」ことを思い出しました。

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白夜祭りと赤い帆

白夜祭りの別名ともいえるメインイベントの一つが「赤い帆」です。

ロシア皇帝が冬を過ごした宮殿であり、エルミタージュ美術館本館でもある冬宮殿の前に広がる宮殿広場に赤い帆をイメージしたモニュメントが置かれるほか、街のあちこちに赤い帆が白夜祭りのシンボルとして書かれたり貼られたりします。百夜祭のクライマックスには、真紅の帆を張った船がエヴァ川を花火と河岸のライトアップをバックに悠々と流れていきます。

赤い帆は、ロシアの童話がもとになっています。赤い帆の船が幸せをもたらすと信じた少女が、周囲にバカにされても信じ続け、最後にはその願いがちゃんと叶うというストーリー。この童話をもとに、ロシアの高校が卒業記念に「赤い帆」にちなんだ行事を行ったことから、祭りや大きな行事の最後を飾るイベントとして固定したそうです。

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白夜祭りのイベント

劇場で開催される音楽やダンスの公演や赤い帆のイベント以外にも、白夜祭り中は市内のそこここでいろいろなイベントが繰り広げられます。

小さなものでは、カフェやレストランやバーなどのパーティー、ギャラリーでの特別展、ダンスクラブの深夜営業などが、エヴァ川河岸の遊歩道や跳ね橋では、大道芸人のパフォーマンスもあり、若者たちが集まって歌ったり踊ったり、スケートボードなどのワザを競ったりもしています。

もう少し規模の大きなイベントとしては、マラソンや市が主催する公共施設を使った展覧会や講演会なども数えきれないほど開かれ、サンクトペテルブルクの夏は観るもの遊ぶことに事欠くことはないでしょう。

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楽しみ方

街角で行われるゲリラ的なイベントは無料であり、いつでもだれでも楽しむことができます。見つけにくいという難点はあっても、白夜の散歩中に行き当たりばったりで祭りに出会えると思えばそれも楽しそうですね。

また、日本では年に数回程度しかチャンスのない大がかりなオペラやバレエの公演、有名ソリストや指揮者の演奏が連日連夜同じ会場で公演されているという贅沢さも享受できます。オペラファン・バレエファン・クラシックファンであれば、狂喜乱舞するような豪華キャストで、ありとあらゆる有名な作品が上演されます。マチネーにオペラを観て、夜にはバレエを楽しむというゴージャスなハシゴもできてしまいます。

初心者の場合もおすすめです。なぜなら、どこかで耳にしたことのあるメロディーや名前だけは知っているという作品がたくさん上演される上、ロシアの濃い紅色と金色で彩られた歴史ある劇場の雰囲気も味わえます。最初の一歩としては上等すぎるほど。実際に、白夜祭りをきっかけにクラシックにはまり、毎年サンクトペテルブルクに足を運ぶようになった日本人もいるそうです。

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チケットの取り方

無料であっても、整理券などが必要な場合、席取り・場所取りが必要な場合も稀にあります。ただ、劇場でのコンサートなどは確実にチケットが必要になります。このチケット、現在はインターネット経由で日本にいても取ることができるようになりました。

白夜祭りをテーマとするツアーで訪れる場合は、最初からチケットが含まれているか、オプショナルで選んで購入できるはずです。問題は個人の場合。日本からインターネット経由で申し込む場合、確かに予約はできるし席も選べますが、実際に当日Eチケットを持って現地へ行くと、席が確保されていなかったり違う席だったりということが頻繁に起きるという危険性があります。

ツアーで席を確保する場合は、エリアと舞台からの距離でほぼ間違いなく予約されます。これは、現地で予約の確認を取っているから。では、代理店を通せばいいかというと、手数料などがかかるため、実際のチケット価格の10倍近くが相場となっています。

特別に人気のあるもの以外は、サンクトペテルブルク入りしてから自分で劇場やチケットブースへ足を運び、座席番号のしっかりと入った現地のチケットを購入するのが、確実かつ格安な方法でしょう。

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注意

日本での公演ではまずありえないことですが、白夜祭りがあまりに過密スケジュールのためか、ゲネプロが延長されてしまって開演時間が遅れることも日常茶飯事です。それどころか当日になって中止になることも少なくありません。

チケットを取ってもまだ安心はできないわけです。また、払い戻しは原則として、現地購入分は現地へ出向いて行う必要があります。言語を含めた交渉力も多少必要とされます。

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白夜祭りパリバージョン

白夜とまではいきませんが、フランス・パリも夏から秋にかけて9時過ぎでもまだ空の明るい日が続きます。そんな夜長を楽しもうとパリジャンたちも白夜祭りを開催します。

パリ市内およびパリ近郊の広場や美術館、博物館など多くの公的な場所が日没と同時に無料で一般公開されます。

10月の最初の土曜の夜から日曜にかけては、朝までパリのあちらこちらでコンサートやパフォーマンスなどが繰り広げられ、人も街も眠りません。もちろん、メトロも一晩中無料で運行されます。

ただ、一部の混雑が予想されるイベントでは前もって整理券が配られて入場が制限されるので注意しましょう。

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まとめとして

古くは、白夜の時期には、朝がなかなかやって来ないことで精神的に異常をきたす人が出たり、そうでなくても憂鬱な気分になるとして嫌う人が多かったそうですが、今は長い夜を楽しむ傾向が強くなっています。

サンクトペテルブルクの白夜祭りは、イベントでも公演でもよりクラシックな雰囲気を味わえ、パリではモダンな雰囲気が街中を包みます。

規模は違えど、どちらも大都市が力を入れる祭りだけに、その内容は見ごたえ保証付きです。

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