アフリカ人の失われた文明跡、国史跡グレート・ジンバブエ遺跡を見学

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アフリカ人の失われた文明跡で妄想を膨らませる~国史跡グレート・ジンバブエ遺跡「Great Zimbabwe」/ジンバブエ

ジンバブエの首都の南に、東西南北1.5km四方の広さを持つ石造建築遺跡がある。ところどころにブッシュが生い茂るサバンナの中に、大きな岩を積み上げて造られた丸い建造物の一部、または大部分が残されていることから、高度な文明がこの地にあったと考えられている。

ジンバブエとは現地の言葉で「石造りの王宮」を意味する。隙間なくみっちりと積まれた石の壁、トンネル、塔などの完成度は非常に高い。この地域にも、古代エジプトで栄えたような巨石を使った文明が紀元前から発展していたのだろうか? 彼らはどんな文化を持ち、どんな生活をしていたのだろうか?

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グレート・ジンバブエ遺跡って何の遺跡?

現在では、アフリカ人によるアフリカ人のための巨大な王国遺跡だろうと考えられているグレート・ジンバブエ遺跡だが、発見され初期調査が行われた19世紀には南アフリカに進出していた白人宣教師や探検家によって、宗教や政治的に都合のいい解釈が与えられていた。

ずさんで白人中心的な調査と主張は20世紀に入っても強行に論じられたが、本格的な調査が繰り返される中、徐々にアフリカ人が作りだした文明による高度な都市の遺跡であるとの研究結果が有力視されるようになっていった。

ただ、初期の調査で発見されたものの都合の悪さから破棄されてしまった出土品や調査報告も多く、現在もこの遺跡の正確な過去は判明していない。研究者たちにとって、貴重な材料が失われた、残念な、そしてだからこそ探究心をくすぐられる研究場所として、また、旅人にとっては、想像を膨らませるのに十分な不可思議さを持つ世界遺産として注目されている。

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グレート・ジンバブエ遺跡には何があるのか?

遺跡の中心には、王か首長とその一族たちが暮らすエリアがあり、少なくとも50世帯分の生活跡が発見されている。

そして、この居住エリアは、「アクロポリス」「谷の遺跡」「大囲壁」の3つのエリアに分けて考えられる。全て石造の建造物の集合体だが、それぞれに、住民や使用目的が異なっていたらしい。

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グレート・ジンバブエ遺跡はいつ誰が作ったのか?

これらの石造建築群以外にも、周囲には大小の集落が点在している。遺跡の作り手は紀元前2500年頃からこの地で暮らしてきたショナ人であり、彼らの集落が徐々に発展し、6世紀頃に現れた有力支配者の指導の下で巨石を使った石造建築が始まったのではないかと考えられている。

現在残っている石造建造物の多くは、9世紀頃にインド洋交易の中継地となり急速に発展したグレート・ジンバブエが最盛期を迎え、その石造文化圏を広げていった頃のもの。

しかし、急激な発展と人口の急増から燃料や食料の確保ができなくなってしまい、グレート・ジンバブエは15世紀には放棄されてしまった。そして、住民たちは新たな土地へと移り住んでいったのだ。

今そこにある石造建築物たちは、7~15世紀にかけて造られ使用されていたが、その後19世紀になってアフリカへと進出したヨーロッパ人たちに発見されるまでほとんど忘れられていた。

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アクロポリス

小高い丘の上には、政治や儀式を司る場所が置かれていた。東西に分けて使用されていたことが分かっていて、東は宗教的な役割を果たし、西は政治の中心となっていた。

東のエンクロージャーでは、ショナ人たちが天と地とをつなぐ存在として崇めていた半鳥半人の姿を象った柱などが出土していることから、霊的な儀式が行われていたと考えられている。高さ8m前後の壁で囲まれた直径30mの円形スペースが当時の礼拝堂だったのかもしれない。

一方で西のエンクロージャーは、権力や武力を象徴するような出土品が多く、ひときわ高い位置に広々とした空間を作りだしていることから、王やその側近による政治活動の場となっていた可能性が高いという。石で丁寧に組まれたテラスや塔が残されているのがその証拠らしい。

しかしこの東西エンクロージャーは隣接していて、政治と祭事とは非常に密接した関係を持っていたようだ。これは、古代エジプトなどの政治体制ともよく似ている。

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谷の遺跡

一般ショナ人たちの住居跡だと考えられている。アクロポリスとは石の長い階段でつながっていて、当然天により近い丘の上が王などの身分の高い人の空間で、下の平地には平民が暮らしていた。

谷の遺跡の中でも、壁で囲まれた円形のエンクロージャーは王の妻やその幼い子どもたちが暮らしていたのではないかといわれ、最盛期には100人もの妻を持つ王もいたらしい。

住居の跡は保存状態が悪く、石を積み上げたただの塊にしか見えない。ただ、現在のショナ人が暮らす円形の小屋と基本構造は変わらないといわれているので、遺跡内に建てられているそれらの住宅の形やシンプル極まりない内部の様子から、当時の生活スタイルを想像してみよう。

発展した文明だったとはいえ、一般人たちの生活は決して贅沢なものではなかったように思われる。

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大囲壁

10mの高さを持つ石の壁がグルリと囲んでいる楕円形のエリアで、「グレート・エンクロージャー」と呼ばれる。厚く高い壁が連続した構造が、薄暗い細い路地を作り出し、屋外のはずなのに秘密のダンジョンへの道を進んでいるような気分になる。

このエンクロージャーの使用目的ははっきりと分かっていないものの、内部に立つ極めて精度の高い円錐型の塔の存在から、神殿のような役割を担っていたのではないかと推測されている。

ただ、十分な出土品もなければ、記録となる文字も絵もないため、すべての根拠は想像。王の別宅だったとの説、王の夫人たちのハーレム的な居住空間説、若者が聖人の儀式を行うための合宿施設など、研究者たちは諸説を唱えている。

訪れたなら、自分が王ならどんな使い方をするか、想像を膨らませながら歩いてみたい。

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グレート・ジンバブエ遺跡へのアクセス

ジンバブエの首都ハラレから300kmの距離だが、遺跡の最寄りの町であるマシンゴまではバスで5時間、マシンゴからは乗り合いバスを利用するのが一般的だ。30分ほどでグレート・ジンバブエホテルまで連れて行ってくれる。そこから遺跡まではさらに歩いて30分ほどかかる。

遺跡内の見学も、広さと高低さがあるため、2~3時間はみておこう。熱中症対策は各自十分に。

問題は帰りだが、乗ってきた乗り合いバスを頼んでおかないと、暑い中、いつくるともしれない車を待ち続けることになりかねない。

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最後に

よく整備された公園のような遺跡だが、入り口近くに半鳥半人の柱などが展示された小さな博物館、エンクロージャー内部に再現された当時の住居跡と売店があるほかは、現地では詳細を説明する案内板もない。入り口で有料のガイドを雇うことはできるが、もちろん日本語はなく、都市部や最寄りの町から送迎付きのツアーもほとんどない。

世界遺産に登録された、非常に貴重な古代遺跡だが、なんといっても未知な部分が多すぎるためか、知名度は高くなく、訪れる人も少ないのが現実だ。

しかし、未知であるということは訪れて見た人が勝手に想像して解釈することが許されているという意味でもある。グレート・ジンバブエの王はどんな姿でどんな生活をしていたのだろうか? 100人の妻がいたというが、どうやって住み分けていたのか? 神官との権力争いは起きなかったのか? などなど、妄想を膨らませながら歩き回るのが楽しい遺跡だ。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

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