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僕がまだ少年の頃からこの地には絶対に行きたいと思っていた。旅番組のテレビスクリーンに映る水の都ヴェネツィアは僕の憧れの地だった。
今だって水辺に小さな家を建てて、庭先にボートを浮かべて暮らしたいと思っている。
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ヴェネツィア島と本土のメストレ地区をまたぐリベルタ橋にさしかかった辺りで、僕の心は完全に少年に戻った。
傍から僕を見ていた観光客やイタリア人も、車窓から真ん丸な目で風景を眺める僕の姿は少年にしか見えなかったはずだ。
ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅の改札を抜け、光のさす方向に歩いていくと瞬く間に視界が広がり、まるでお時話に出てくるような水の都が姿を現した。
まさに少年の頃から思い描いていた風景がそのまま僕の視界に入ってきた。
やばい… 暑さのせいか、嬉しさのせいか、立ちくらみがしてきたぜ。
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ヴェネツィアは観光都市となっていたけど、それでも一本裏路地に入れば人々の暮らしが残っていた。
網の目のように水路が建物の間を流れ、人々は車の代わりに船を足とし生活している。
地元の人も、最高にセンスのいいボートに乗り、最高にセンスの良い建物に住み、最高にセンスの良い服で着飾っている。
そういった生活を一度は捨てた僕だけど、この地ならもう一度挑戦してもいいかな、って本気で思った。
島内のアパートの家賃も調べてしまったほどだ。案の定、べらぼうに高かったけどね。
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観光目線でヴェネツィアを見てみると、まず物価の高さに驚くはずだ。ヨーロッパ近隣国なら高くても逃げ場がある。つまり工夫すれば安く抑えられるけど、ヴェネツィアは逃げ場がない。
ローカルレストランは存在しないし、ホテルは日本の1.5倍。家賃は3倍。ゲストハウスは見当たらない。
この地に訪れた僕らはバックパッカーという肩書を捨てて、景気よく金を使うしかなかった。
アジア諸国で旅をしているときの一月分の予算をわずか5日で使い果たしてしまった。
でもまあ、最高にハッピーな滞在だったから良しとしよう。
もしこの地に小汚いゲストハウスやレストランが存在したのなら、ベネチアの良さが無くなってしまうのだろうし、こんなにハッピーな思い出はできないだろうから。
おわり
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