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聖人の生誕を祝い、イワシを食べ、愛の告白をする日「聖アントニオ祭(イワシ祭り)」(Festa de Santo António)/ポルトガル・リスボン
リスボンの守護聖人聖アントニオの誕生日と聖アントニオにちなんだの愛の告白デー、リスボンっ子大好き新イワシの解禁という3つを同時にお祝いしてしまおうという、なんでもありのイベントです。だから呼び名もある時は「聖アントニオ祭」、またある時は「イワシ祭り」。
街中から、炭火でこんがりと焼かれているイワシのあぶらの匂いが漂ってくるこの日は、ポルトガル人にとってはパンを握りしめて涎をたらし、日本人にとってはその匂いだけでも山盛りご飯を何杯でもいただけそうな「香しい一日」となります。
聖アントニオ祭の特徴
初夏を告げる風物詩として、リスボンどころかポルトガル中が楽しみにしているお祭りです。表向きのメインイベントは守護聖人聖アントニオの生誕を祝うこと。でもこの時期、イワシ漁が始まることから、その年の豊漁を願うイベントも各地で開催され、実質的にはどちらがメインか分からないような盛り上がりようとなります。
聖アントニオの生誕を祝うパレードなどの目を楽しませるイベント、イワシやチョリソーの炭焼き屋台とビールやワインが鼻を刺激し、舌をうならせるイベント、さらには、聖アントニオが愛の守護者であることから、バレンタインデーのようなラブラブイベントも盛りだくさんとなります。
それぞれがピンでも十分に祭りとして成り立つ内容であるにも関わらず、3つのイベントが同時進行します。当然リスボンの町は大盛り上がりで大混乱。12日の前夜祭から13日の生誕日当日まで、町も人も眠らずに歩き踊り歌い食べ飲み続けます。
聖アントニオ祭の開催会場・開催日
メイン会場になるのはリスボン市内アルファマ地区。イワシを焼く屋台以外にもいろいろな飲食の屋台が店を並べます。また、目抜き通りのリベルダーデ通りなどもパレード見物客を狙った屋台が出たり、沿道のカフェやレストランが通路ギリギリまで椅子を並べて客を呼んでいます。どのエリアも非常に混雑するので、迷子やスリなどには十分に注意しましょう。
開催日は毎年6月12日と13日。聖アントニオの誕生日である13日がメインとなります。12、13日を含めた1週間が聖アントニオ祭ウィークとして、レストランやカフェでは特別メニューが出されたり、各地でイベントが開催されたりもします。
聖アントニオはリスボンの守護聖人であり、縁結びの聖人でもあります。リスボンの聖アントニオ教会周辺は、この日に結婚式を挙げることで結婚費用補助を受けたラッキーなカップルとそれを祝う人々のドレスや笑い声で華やかに彩られます。
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聖アントニオ祭の歴史
聖アントニオ祭の中心ともなるサント・アントニオ・デ・リシュボア教会は、聖アントニオ生誕の地ともいわれています。
12世紀末に生まれた聖アントニオは生前から布教活動などで広く知られていた存在であり、死後すぐに列聖されました。彼が生まれ幼少期を過ごした場所には、15世紀に小さな礼拝堂が建てられた後、建て替えや改装、改築、破壊、再建などが繰り返され、現在の姿は18世紀のもの。初期の礼拝堂の姿は残されていません。
聖アントニオ祭が始まったのは1755年。守護聖人アントニオの生誕と彼の偉業を讃える祭りであることから、その開催日は彼の誕生日である6月13日となり、教会で礼拝を済ませた信者たちがリスボン大聖堂を通りアルファマの丘を通り再び教会に戻るというパレードを行います。この時、パレードが華やかな音楽隊を率いているのが特徴。また、この日にパンに乗せたイワシと赤ワインを食して祝う習慣も、この頃から続く伝統となっています。
さらに、聖アントニオが男女の恋愛をサポートする守護聖人でもあることから、この日に願掛けをすると恋が叶う、告白をするとOKがもらえる、結婚をすると幸せになれると信じられていて、町では告白イベントや結婚式があちこちで行われます。
聖アントニオ祭のパレード
前夜祭である12日の夜から、町の大通りや広場は野外クラブ状態になります。大音量の音楽に合わせて踊る若者、それを見ながら食べて飲む人たち。そんな喧騒が始まる前の日中には、リスボンの地区対抗パレードが行われます。
これは、地区ごとにテーマを決めた衣装やダンスや音楽で練り歩き、その完成度を競うというもの。陽気なパレードは見ているだけでなく、参加したくなるような身近な雰囲気を持っているため、沿道で見ている人たちもウズウズと落ち着きません。
聖アントニオのパレードは13日の生誕祭当日。リスボンの町を白装束に身を包んだ神職者とカラフルな服装の信者たち、そして、音楽隊とが爆音を響かせながら通り過ぎていきます。聖アントニオは派手好きだったのかもしれません。
聖アントニオ祭のイベント
12日の夜を中心に、町のあちこちでレイブやDJイベントが開催されます。聖アントニオ祭とは直接関係ないものの、この祭りを通して、派手な音楽と踊りは必ずどこにも存在しています。
ステージを組んだ本格的な会場もあれば、街角に楽器だけを持ち寄った手作りコンサートもあれば、カフェの店先がディスコに早変わりしているところもあります。
どこも、踊るだけなら無料で自由参加です。
聖アントニオ祭の食べ物
何はなくとも「イワシ!」。
表向きはともかく、胃袋は確実に「イワシ祭り」を感じ取ります。12日の昼前から、リスボンはイワシの匂いでいっぱい。日本でも食べる青魚のイワシですが、リスボンで見かけるイワシは丸々と太りアブラがたっぷりとのったイワシで、炭火で網焼きしているとアブラがはねて、匂いを撒き散らします。
屋台では、新鮮なイワシに軽く塩味をつけレモンを絞って食べ、レストランなどでは素揚げでも供されます。どちらも、パンに乗せて食べるのがリスボン風。
イワシのアブラを少し硬めのパンにジュワっとしみ込ませます。小骨があるのも気にならないくらい、1匹また1匹と食べたくなります。小さな小分けボトルにポン酢しょうゆなど持っていくと、さらにもう2匹は食べられます。同じようにイワシを食べているリスボンっ子に分けてあげると感激されるでしょう。
イワシ屋台はそれこそわんさか並んでいますが、どこも大行列です。並ぶのがイヤならできるだけ昼間の早い時間に買って食べましょう。夜になると30分待ちもザラです。
イワシと一緒に焼かれているチョリソーや豚の塊なども美味しそう。地ビールやワインと一緒についつい食べ過ぎてしまいます。
聖アントニオ祭の記念品
聖アントニオの縁結びの守護神である面を祝うのは、恋する若者たち。彼らは「マンジェリコ」を買って、想い人にプレゼントします。マンジェリコとはバジルなどのハーブを使った鉢植え、または花束のことをいい、そこに愛のメッセージを添えます。
花屋、屋台、スーパーなどで大小サイズのものが売られているので、恋人への贈りものにいかがでしょうか?
一番の見どころ
聖アントニオのパレードもその前日の地区別パレードも華やかですが、一番の祭りの見どころは町のハジけっぷりです。
狭い路地も広い通りも人、人、人でギューギュー。そこに漂うイワシの香り。日本の夏祭りにも似た雰囲気です。爆音レベルの音楽はさすがにここが日本ではないことを教えてくれますが、この人と音と匂いの流れに身を任せてみるもよし、早めに落ち着けそうなレストランやカフェの席をゲットして、見物するもよし。どちらにしても、リスボンっ子たちのハジける様子は十分に堪能できます。
まとめとして
リスボンで過ごす、香ばしくも賑やかな1日。聖アントニオ祭は、宗教的な匂いよりも港町の香りがより濃いイベントです。陽気なリスボンっ子たちがいつも以上にハメを外しまくる様子には、それなりの覚悟を決めて臨んでも驚きを隠せません。
リスボンの聖人祭り、夏祭り、漁師祭り、さらにはラブイベントまで兼ねた2日間。じっくりと宗教イベントを味わいたい人には不向きですが、逆に祭り好きはもちろん、クラブやパーティーが好きな人、とにかくスカーっとハジけたいという人には絶対的におすすめできるイベントです。
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