エジプト・アスワンの観光地全部行ってみた。

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Egypt

流れを変えたナイルと水没の危機から救われた古代遺跡~アスワ/エジプト・ヌビア

ナイル川は古代エジプトの文明を育んだ源だ。しかし、現代のエジプトは、ナイル川を現代生活に合わせて改造した。そのため、数千年その地に立ち続けてきた遺跡はダムの底へと沈む憂き目に。

幸いなことに、エジプトと遺跡を守ろうとするユネスコや世界の識者たちの協力によって、多くの遺跡が水没の危機から救われ新たな地を与えられた。

アスワンとアスワン・ハイダム

HighDam

アスワンは、古代エジプトではもっとも南の端っこにあたる辺境の地「スウェネト」の街だった。

極端に雨が少ない地域であり、降雨量は限りなくゼロに近かったが、他のエジプトナイル沿岸地域と同じく、ナイル川の季節ごとの氾濫によって恩恵を受け、肥沃な土地を持ち、数々の古代遺跡が残される結果になった。

しかし、近代以降ナイル川流域は農地ではなく居住地として利用されるようになり、川の氾濫による恩恵よりも洪水による被害が重く見られるようになり、アスワン・ロウダムとアスワン・ハイダムが建設された。

その結果、エジプトの水は完全にコントロールされるようになり、洪水も干ばつも起こらなくなった。電力にも不自由しない。しかし、多くの近隣住民は移住を余儀なくされ、多くの遺跡もまた水没してしまうことになったのだ。

ナセル湖

LakeNasser

アスワン・ハイダム計画を成功へと導いたエジプト大統領の名を取った巨大なダム湖。なんと琵琶湖8個分の大きさがあるという。

実は、ナセル湖の底に水没した地域には少なくとも18の歴史的遺跡が含まれていた。エジプトは強行にダム建設を進めたが、世界からの批判とユネスコからの援助によって、その後、重要な遺跡は、巨額を投じて標高の高い別の地域へと移設させられた。

巨大な湖の出現は、ナイル川流域の住民の生活を安定させはしたが、環境に与える大きな影響が問題ともなっている。一つは、湖から蒸発した水分による集中豪雨の発生、もう一つは周辺地域の土壌の湿度だ。

どちらも、これまでなかったものであり、遺跡の存続にも関わる問題であるとして対策が求められている。

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イシス神殿(フィラエ神殿)

TempleofIsis

アスワン・ハイダムの建設によって、古代の神殿が立っていたフィラエ島は水没してしまった。そこで地形が良く似ていて標高の高いアギルギア島が代替地の一つとして選ばれた。

フィラエ島はオシリスやイシスが暮らした神々の島とされ、そこに建てられたイシス神殿には、エジプト神々がずらりと並ぶ。

エジプトの母的存在である女神への敬意を示すために建てられたとされ、数千年に渡って民族の区別なく敬われてきたが、6世紀に神殿から教会へと改宗させられた、

現在は、キリスト教様式とエジプト古代神殿様式の両方が見られる場所として人気。

イギリスに持ち帰られたオベリスクやロゼッタストーンなどはこの地でみつかったものだ。

アブシンベル神殿

AbuSimbeltemple

エジプト古代建築上最高傑作だといわれるのが「アブシンベル神殿」だ。そんな最高傑作もまた、水没の危機から救われた建造物の一つ。

紀元前1250年頃に岩山から掘り出すように作られた神殿だが、19世紀になって発見された後、70年以上かけて砂の中から掘り出されたという。

オシリス神の姿となったラムセス二世が立ち並ぶ大列柱、やはりラムセス二世がアメン神らと共に並ぶ至聖所などがあり、神殿内部には、偉大なる王と古代エジプトの神々の活躍する様子が克明に鮮やかに描かれている。

アブシンベル小神殿

アブシンベル神殿のすぐ隣に立つのがアブシンベル小神殿。

「ネフェルタリ小神殿」とも呼ばれることから分かるように、ラムセス二世から妻であるネフェルタリに贈られた結婚記念の神殿とのこと。

愛と美の女神「ハトホル神」に捧げられている。

カラブシャ神殿

Kalabshatemple

水没から救われた遺跡の一つ。

紀元前30年頃に建てられたとされている神殿で、壁一面に古代エジプトの神々の姿が刻み込まれている。

特にマンドゥリスはハゲタカの羽根で体を覆った神でありヌビアの太陽神。豊穣の神としても崇められている。

水辺から石の階段が神殿入り口まで続いている。

切り出しかけたオベリスク

Obelisk

エジプトのシンボル的存在であるオベリスクは、アスワン近くの石切り場から切り出され、各地へと運ばれていった。

ここには切り出される際に亀裂が入ってしまったために、途中で放置されたオベリスクが残されている。

巨大な石をどのように切り出し、搬出していたか、その謎の一部が解明されるきっかけとなった。

亀裂の入ったオベリスクは横たわったままだが、これが完成すれば高さ40mを超えるエジプト一の巨大な姿となったはずだ。

古代貴族の岩窟墳墓

ナイル河の西の丘の岩を掘って造った墳墓群もまた、アスワンの観光地として有名だ。古王国時代からローマ時代までの長い歴史を生きた貴族たちが眠っている。しかし、そのほとんどは盗掘によってカラとなっている。

夜間はスポットライトで照らし出されて、ナイル川クルーズ上からも、アスワンの街からも、まさにこの世のものとは思えない美しさを眺めることができる。

ヌビア族とヌビア博物館

NubianMuseum

アスワンに広く暮らしていたヌビア族の多くは、ナセル湖によってその土地を奪われてしまい移住していったが、一部はアスワンの地に残り、その伝統や文化を守り続けている。

ナイル川岸には、ヌビア族が暮らす地域がところどころにあり、観光客向けに生活の様子を見せてくれたり、手工芸品を売ったりしているところもある。

またヌビア博物館では、屋内外に古代から現代に至るまでのヌビアの文化や文明に関する遺物や資料を展示している。

アスワン・ダムの建設や水没の危機に陥った遺跡の移築などの資料や模型もある。巨大な遺跡をどうやって移築させたのか、どれだけの費用がかかったのかなどの疑問が解ける。

オールド・カタラクトホテル

OldKataLactobacillushotels

1899年に建てられたコロニアル風の建物で、ナイル川を望む小高い丘の上にある。ホテルとして開業してからは、世界のセレブ達が訪れている。中でも有名なのは、アガサ・クリスティだ。

「ナイル殺人事件」を執筆する際に作者であるアガサ・クリスティが宿泊していたこと、作中にも登場することから、文学ファンに人気がある。

現在は隣にニュー・カタラクトホテルもオープンしている。

ファルーカとクルーズ船

ナイル川は、ダムのおかげで水量の変化がなくなり、年中安定した水運として利用されるようになった。

もっとも身近な乗り物がファルーカと呼ばれる帆かけ船だ。大型ヨットのような形だが、ごくシンプルな構造で、川の流れに身を任せるように流れていったり、帆で風をつかまえて走ったりする。

ナイル川の両側を結ぶ渡し船として活用されている他、近場の観光地への手軽な足として利用されている。

また、近年人気なのがクルーズ船。ナイル川やナセル湖には、小型・中型の豪華客船がかなりの数浮かんでいる。日帰りのデイ・ナイトクルーズもあれば、数日間から数週間にわたってナイル川沿いを優雅に旅するクルーズもある。

その豪華な設備の割には手頃な価格なので、余裕があれば是非挑戦したい。

ショッピング

Shopping

アスワン周辺では、各種香油・手工芸品・香辛料などが有名だ。うまく交渉できれば、良いものを安く手に入れることができる。

しかし、外国人観光客にとってエジプトでの買い物はかなりの交渉術を要する。時間や労力、そして心がすり減ることと値引き率を考えると、現地のガイドを雇ってのショッピングの方が割安な場合もあるほどだ。

最後に

古代文明エジプトを今に伝える巨大建築やレリーフ、壁画たち。

目の当たりにすれば、その迫力と偉大さに見上げっぱなしの首が痛くなる。これらが水の底に沈んでしまう運命だったと聞かされると少なからずショックを受けずにはいられない。

今回はダムによる水没から免れたものの、その副産物的な環境への影響が今後エジプト古代文明にどのような影響を与えるのだろうか。数千年の歴史の中で残されてきた遺跡。今後もこの地に残していきたい。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

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