カタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院に行ってみたら超豪華でシビレた

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もう一人の天才、ガウディの師ドメネク作の世界遺産~カタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院/スペイン・バルセロナ

「芸術には人を癒す力がある」。そう語った建築家リュイス・ドメネク・イ・ムンタネーは、バルセロナに音楽堂と病院を建設した。

人々の心と体を癒し続けた彼の作品は、世界遺産に登録されている。

リュイス・ドメネク・イ・ムンタネー

リュイス・ドメネク・イ・ムンタネーは、バルセロナ生まれのバルセロナ育ち。バルセロナ建築学校で学び、教授として後進を教える職についた。

建築家としては、ムダルニズマ(モダニズム)やアール・ヌーヴォーに影響を与えつつ、自身も積極的に当時の流行スタイルとモダニズムの融合に取り組んだ。

その完成品として、設計・建築されたのが、「カタルーニャ音楽堂」と「サン・パウ病院」である。

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ガウディとリュイス・ドメネク・イ・ムンタネー

どちらもバルセロナを代表する設計・建築家である。

リュイス・ドメネク・イ・ムンタネーが先にバルセロナ建築学校を卒業して教授となったため、その後入学してきたガウディは彼の教え子となった。

二人の間に親しい交際があったかどうかは分からないが、現在のバルセロナでは、アール・ヌーヴォー建築の双璧ともいうべき存在として知られている。

日本ではガウディばかりがもてはやされているが、バルセロナではリュイス・ドメネク・イ・ムンタネーの人気も高い。華美でありながら合理的、荘重でありながらモダンな彼の建築にも、是非足と目を向けたい。

カタルーニャ音楽堂の絢爛豪華な内部

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大きなコンサートホールではなく、どちらかといえばこじんまりとした空間。しかしその内部の絢爛豪華さはスゴイ!

金と赤と黒をバランスよくそして繊細に組み合わせた装飾は、足元から壁を通って天井まで続いている。特に素晴らしいのが、色鮮やかなガラスタイルのデコレーション。

20世紀初頭に建てられた鉄骨建築だが、ステンドグラスの窓で囲まれた雰囲気は中世風。ドメネクは「花の建築士」とも呼ばれるだけあり、至るところに大小の花々が咲き乱れているかのような装飾を施すよう設計している。ライトの灯りに照らされてきらめく様子はまるで金の蓮の花のようだ。

丸いドーム型の座席はどこからでもステージを見渡せ、臨場感ある演奏を楽しめるよう設計されている。

カタルーニャ音楽堂のやっぱり豪華な外観

Appearance

内部に負けず劣らず素晴らしい外観は、巨大で豪勢なパイプオルガンのようなイメージ。

下から、ドーム型のエントランス、その上にパイプ型の柱とバルコニー、一番上にはモザイク画がぎっしりという三段構え。

それほど大きな建造物ではないが、手前にスペースがないために全体像を視野に入れにくい。エントランスの前に立って思いっきり頭を上に向けて見上げるようにして口を開けている観光客を大勢見かけるだろう。

なぜか日本人がいないカタルーニャ音楽堂

バルセロナの世界遺産の中ではサグラダ・ファミリア大聖堂などガウディの作品とリュイス・ドメネク・イ・ムンタネーのカタルーニャ大聖堂・サン・パウ病院は、同じように大切に扱われている。訪れる観光客の数も引けを取らない。

しかし、なぜか日本の観光マップや案内では、ガウディ作品ばかりが注目されていて、ドメネク作品にはほとんどページが割かれていないのが現実だ。

不思議な現象だが、そこを逆手に取り、自分だけが知っている優越感に浸りに出かけてみてはいかがだろうか。

見学方法

自由見学だけの入場はできない。見学ガイドツアーに参加するか、コンサートのチケットを購入して優雅に訪れるかして初めて、内部をじっくりと見ることができる。

見学のためのツアーは約1時間。英語・スペイン語・カタルーニャ語・フランス語のガイドツアーだが、人気があり定員いっぱいになることが多く、予約しておくほうが安心だ。

ガイドツアー料金10ユーロとほぼ同じ金額でサイドの席が購入可能。コンサートを楽しめる上、ゆっくりと自由見学ができるので、時間の都合や演目の趣味さえ合えば、こちらもおすすめだ。

ただし、内部撮影は一切不可となっている。

サン・パウ病院

HospitaldeSantPauBarcelona2

病院と名がつく通り、15世紀からバルセロナにあった病院6つを統合して設立されたのが「サン・パウ病院」である。

14万5千平方メートルという広大な敷地の中に48の建造物がシメントリーに立ち並ぶ様は見事としか言いようがない。正面から見ると、大きく羽を広げた鳥のような姿だ。どう見ても日本人的感覚では病院に見えない。

その建築には、1902年から30年近い年月がかけられたという。非常にモダンかつアール・ヌーヴォーの奔放さを持つ芸術的価値の高い建造物だが、もちろん建築当初から公立病院として活躍してきた。

老朽化が進んだため、2009年から2014年まで全面的な修復が行われた。世界遺産として登録されたことから、内部見学を考慮に入れた修復だったといわれている。

修復を終えたサン・パウ病院

これまで通り、市民に広く開放された病院として多くの患者が治療を受けている。それと同時に、見学者に対しても心広く対応している。

以前は無料だった入場料を取るようにはなったものの、そして、見学できる箇所が限られるとはいえ、その規模の大きさとそれぞれのパビリオンが持つ独特の装飾の価値を考えれば、絶対的に見逃せないスポットだ。

修復後は、人を癒すカラーとして取り入れられた「ピンクと黄色」も美しく発色よく輝きを増していて、派手なのに不思議と落ち着く空間を作り出している。

花と天井装飾とモザイク

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リュイス・ドメネク・イ・ムンタネーの作品には、華美な装飾がつきもの。しかし、金や銀を使う豪華さだけでなく、花のスタイルを多用した上品さとかわいらしさを兼ね備えた美しさが主体となっている。

壁や柱、そして天井のデザインは建物ごとに異なっているが、どれにも一貫したテーマがあるようだ。それがデザインに動植物を取り入れていること。ガウディにも通じるデザインだが、リュイス・ドメネク・イ・ムンタネーのそれは、より優しい美しさを追求しているように見える。

また、各パビリオンの外壁には一見壁画かと思われる巨大なモザイクが埋め込まれている。病院のためにこれだけの手をかけたのか? との疑問が浮かぶが、確かに美と自由を愛するバルセロナ市民なら、この病院で治療を受ければ心も体も浮き足立ち、治りも早いかもしれない。

万一バルセロナで病院にかかる必要に迫られた日には、是非ここのお世話になりたいものだ。

最後に

とかく音響ばかりに気を取られて、内観外観の芸術性は置いてけぼりになりがちな近年の音楽コンサートホール。同じく機能性ばかりを追求している病院施設。それぞれに合理的な良さや美しさは持っていても、その建物自身が心や体を癒せるかといわれたら、答えに詰まりそうだ。

それに比べて、リュイス・ドメネク・イ・ムンタネーの建てた音楽堂と病院の、遊び心と芸術的ゆとりはスゴイ。耳で聴く音楽に視覚的芸術が必要か? 病人に芸術を鑑賞する余裕があるのか? という疑問の声もあるだろうが、「ゆとり」が人を癒すことにつながるのも確かである。

最新設備が必要なのは、あくまで幕の裏や扉の向こう側だけ。観客にも病人やけが人にも必要なケアは、違った方角から見た設備も必要なのかもしれないと考えさせられる世界遺産だ。

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