カブの流れ弾に要注意!ハランプラス祭りに参加してみたら

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スペインでは豆のかわりにカブで厄払い「ハランプラス祭り」(El Jarramplas)/スペイン・ピアルナル

人って本当にかけたり投げたりが好きなようです。

日本では豆、タイでは水、スペインではトマトを投げまくる祭りが有名です。どの祭りでも、厄払いや悪魔祓いを目的として力いっぱい投げつけますが、豆なら痛みもたいしたことはありません。水ならびしょ濡れにはなってもアザにはならないでしょう。トマトもトマト臭くなったり目にしみたりすることはあっても、トマトが直接の原因でケガをすることは少ないはずです。

ところがスペインでは、トマトを上回る「投げる」祭りが存在していました。それはカブ投げ放題のお祭りです。投げられるカブに、日本の小ぶりなカブを想像してはいけません。拳骨以上のサイズで熟れていない硬く青いカブが主役なのです。

それを力いっぱい鬼に向かって投げつけます。痛くないわけがありませんね。

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ハランプラス祭りの開催会場・開催日

ハランプラス祭りは、スペイン西部ピオルナル村で開催されています。マドリッドからは車で西へ4時間のエストレマドゥーラ州内の小さな村です。

祭りには村人が総出となりますが、近年はさらに周辺地域からも世界から祭りの噂を聞きつけた旅人たちも加わって、数千人規模の祭りへと発展しました。でも、その祭りのスタイルは変わらず、ただひたすらカブを投げつけるというシンプルかる凶暴なものです。

開催日は固定されていて、1月19・20日。聖セバスチャンの休日である20日とその前日となっています。

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ハランプラス祭りの歴史

このカブ投げ放題の祭りは、ピオルナル村のあるエストレマドゥーラ州の指定を受けた特別な祭事で、その歴史は100年以上といわれますが、この祭りがいつどうして始まったかには諸説あってはっきりしていません。

ただ、1月19・20日は殉教者聖セバスチャンの日にあたることから、なんらかの関連性があるのではないかという説や、家畜泥棒を村から追放するのにカブを投げつけたことがきっかけだったという説もあります。

現在のハランプラス祭りで見られる、嬉々としてカブを力いっぱい投げつける村人たちの様子からは、ただの鬱憤晴らし? という感想が浮かんでくるものの、ハランプラスを災厄の象徴として、村中が力を合わせてカブを投げつけ、外へと追い出すことで厄払いをするのが本来の目的、のはずです。

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ハランプラス祭りのイベント

ハランプラスのメインイベントは、村人がハランプラスにカブを投げつけまくるというハチャメチャな騒ぎです。

この祭りはタイの水かけ祭りやスペインのトマト祭りとは違って、投げつける的が決まっています。それがハランプラスと呼ばれる悪魔。この点、日本の節分で鬼に豆をまくのとよく似ています。

ハランプラス役は村人にとってあこがれの存在です。なぜなら、カブの攻撃に20分間耐え忍ぶことができれば、村のヒーローになることができるからです。

ヒーローを目指すハランプラスはカブを避けたり村人たちに背を向けて逃げたりしてはいけません。20分以内に逃げ腰になったり、転がってしまったりすると、「今年のハランプラスは腰抜けだ!」というレッテルがしっかりと貼られてしまいます。

でも、ハランプラス数人に対してカブを投げる村人+観光客の数は数千人。あまりにハランプラスに分が悪く、さらに使われるカブは大根並の硬さです。その総数は2万個近くになるそうです。

命の危険を感じた場合のハランプラスには「待った!」の声をかける権利が残されているそうです。

それでも、壁に追い詰められても背を向けることさえ許されず、全身に数百個の硬いカブ攻撃をくらい続けるハランプラスには哀愁を感じるどころか弱い者いじめを見る思いがします。

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ハランプラスとは

ハランプラスとは日本でいうところの「鬼」にあたります。災厄をもたらす鬼です。

祭りの間、数名の男性がハランプラス役に扮します。色紙を使ったミノムシの蓑にも似たその衣装は、厚手のプロテクターにカラフルな小さなハギレをたくさん縫い付けたものです。これは派手な姿を演出しつつ、カブ攻撃に対するプロテクターの役割も果たしています。ただその重量はなんと60㎏もあるとか。もう、それを着るだけでも十分罰ゲームですね。

頭にかぶるのは、牙を生やし牛のような角を持ち、とがった頭から長い髪を垂らしている異形の仮面。日本の鬼と同様に赤や黒がメインカラーですが、スペインのハランプラスはそこへ、あらゆる色のハギレが付け足されて、ちょっと道化師のようなユーモラスさも加えられています。

小脇にかかえた太鼓を叩きながら村内を歩き回るハランプラスの後を、大人も子どもも追いかけまわしてカブを投げつけるさまは、悪魔祓いであり日本の節分の種まきによく似ていますが、豆とカブではその大きさに雲泥の差があり、どうにもハランプラスは逃げ腰に。そこもユーモラスで人々の笑いと同情を誘います。

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注意点

迫力あるハランプラスと村人の戦いの観戦に夢中になってうっかり近づきすぎると、カブの流れ弾に当たることがあります。

カブの威力は、プロテクターをつけていない身にはかなりの衝撃です。草野球のデッドボールを喰らった感覚に近いでしょう。

頭に当たれば脳しんとうを、顔や体に当たれば青アザができることは間違いないので、観戦を決め込んでいる場合でも距離感には注意が必要です。

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参加できること

基本的には村人のみの参加でしたが、祭り参加が世界の旅人たちのトレンドになりつつあることから、近年は一定数の観光客も参加が認められているとか。

ただ、一度祭りが始まれば、ハランプラス以外はいったい誰が認められた参加者なのか区別はつきません。

ただひたすら、こぶし大の硬いカブを力いっぱい振りかぶりハランプラスに向かって投げつけるばかりです。

ただし、観光客が参加できるのは投げる側だけ。ハランプラスに扮するのは難しそうです。それというのも、ハランプラス役は実は大人気なのです。10年待ちも当たり前だというから驚きですね。さらに、参加者は寄付として百万円あまりの参加費を支払う必要があるそうです。

何が彼らをそこまでさせるのでしょうか? 20分を逃げ切ればヒーローになれる、それが理由なのでしょうか?

旅人の身としては、近くで見ている時に流れ弾ならぬ流れカブが転がってきたら一つくらい投げてみようかな的な感覚で楽しむしかないのが、幸運なような不幸なような。

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まとめとして

どうやらスペイン人は特に投げるのが好きなようです。

トマトにしてもカブにしても、このほか小麦粉やきのこを投げる祭りもあるそうですが、いずれも食べ物ばかりなところも気になります。

農業国でもあるだけに、どれも手近な武器であり、豊穣を感謝しやすい環境であり、農作物泥棒や災厄に対する熱い憤りを感じる機会が多いなどの理由がきっと複雑に絡み合っているのでしょう。

日本人としてはどうしても「もったいない」という気持ちが先に立ち、たとえ参加できても最初は戸惑いを感じてしまいますが、スペインの地元民たちの迫力を見ているとついつい乗せられてしまいます。

ひょっとしたら、日本人の中にある同じ農耕民族としての血が騒ぐのかもしれません。ただ前述のように豆とカブには大きな差があります。

幸か不幸か、このカブ祭りのハランプラスに選ばれるのは難しいようですが、投げる側に参加することができた場合であっても、それなりの「痛み」に対する覚悟をしておきましょう。

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