コルディリェーラの棚田に行ってみた。行き方や見どころ紹介

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天国まで続く世界最大規模の段々田んぼ~コルディリェーラの棚田(Rice Terraces of the Philippine Cordilleras)/フィリピン・ルソン島

棚田は、穀物を育てる土地に恵まれない山間地などで生まれた、狭い傾斜地を使った田んぼのこと。日本各地でも貴重な景観として保護されている。

ここフィリピンの棚田は同じ棚田でも規模がケタ違いだ。コルディリェーラの棚田はかなり広い範囲にわたって造成されていて、総延長は2万km以上だという。これは地球を半周する距離に相当する。

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棚田はどこに?

「よくぞ、こんなところに!」そこを訪れるとそんな言葉が口から洩れる。地図上では伝わってこない、人の生活を阻む地形がそこにはデンと存在している。

棚田は、ルソン島中部の標高1000~1500mの山岳地帯のあちこちに点在している。それぞれの規模は猫の額のような小さなものもあれば、普通のデジカメではいくら後退してもフレームに収まりきらないような大きさのものまである。

しかしどの棚田にも共通しているのは、斜面をきっちりと使いこんでいるところだろう。棚田を守るために植林された林エリアを除けば、その山岳地帯の傾斜地は全て棚田なのではないかと思われるような景色が広がっている。人の手で作られたというよりも、最初からこんな形だったと聞かされた方が納得いきそうな規模と完成度なのだ。

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コルディリェーラの棚田を構成する村々

コルディリェーラとはスペイン語で山脈を意味する。すなわちコルディリェーラの棚田は「山の棚田」のことだ。ルソン島北部の中央に広がる山脈「コルディリェーラ」の裾野の村々は棚田で耕作した米を主食としてきた。

コルディリェーラ地域の中心都市はバギオ。フィリピンを代表する避暑地であり、3~5月には大統領府などの政府機関も移転してくる主要都市だ。

このバギオを中心として、バナウェ、ボントック、バタッド、バンガアンなどが棚田観光地として知られている。

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ここは「ノマド」の サイト

「ノマド」= 場所と時間を選ばず「旅」を、生業とし生きる人たち。

東日本大震災(2011年3月)の経験によって、私たち家族4人は日本の家を引き払い、ノマドライフをスタートさせました。

「子連れで世界一周」達成後も旅を終えず、今現在も海外や日本を無帰宅で旅し続けています。

何処の空の下で、何を学び、何を感じ、写してきたのか。私たちが辿ってきた道のりは、

当サイトの「子連れバックパッカー世界一周」「子連れ自転車日本縦断」「手作りキャンピングカー学びの旅(日本)」「ノマド 7人 で旅へ(海外)」「世界の人々の写真」「石垣島での旅人村づくり」「手作り木造ヨット世界一周」

など、1400記事以上にわたって描かれていますので、少しでも目を通して頂ければと思います。

私たちの旅の様子はコチラ👉https://yuuma7.com/

コルディリェーラを造った人々

コルディリェーラの歴史はなんど紀元前1000年頃まで遡るという。確かにその頃のアジアではすでに稲作は始まっていた。だから、フィリピンの山岳地帯で米を作ろうとする民族がいても不思議ではない。しかし、実際にその時へ行ってみるとその考えは甘いと知る。決して緩やかではない急斜面を切り開こうと最初に考えたのは誰で何故だったのか? ほかの土地へと移り住むという選択肢はなかったのか?

しかし、この地に暮らす民族イフガオは、米作りのために移住するのではなく、困難な棚田造りを選んだ。2000~3000年かけたその結果が、目の前にある世界最大規模の棚田だ。

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どんな棚田?

棚田の幅は2mからという細さ。そして棚田と棚田の境となる石垣や泥壁の幅は30cmあるかどうかの畔と呼ぶには細すぎるが、人々の生活路ともなっている。もちろん観光客もその細い路を歩くことができるが、田に水が張られている季節は足元が危うくかなり怖い。

当然ながら、耕耘機はもちろん車もバイクも侵入不可能。ほとんどの場所で水牛さえも利用することはできない。ここでの労働力はまさに「人」に限定される。

急勾配が続き、場所によってはその石垣や泥壁の高さは10mにも及ぶ。そんな場所で数千年に渡って棚田を造り続けてきた民族の根気強さには感心を通り越して感動だ。

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どこか懐かしさを感じる景色

棚田は日本の原風景でもあるため、日本人の郷愁を誘うのも当然だろう。ここは水に恵まれた地であるため、あちこちの用水路をキレイな水が滔々と流れていて、ちょっと覗き込むと、アメンボやメダカ、鯉かフナのような魚の姿や影もたくさん見える。

棚田の中に作られた集落は数軒から数十軒という規模。高床式の2~3階建ての農家は、スペインの明るさとフィリピンの大らかさを示すかのように、青やオレンジの壁に赤い尖がり屋根を持つという不思議さ。こればかりは日本にはない景色のはずだが、鶏が駆け回り、豚の鳴き声やニオイが漂ってくると、それらの違和感はかき消されてしまう。

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ハドハド(フッドフッド)

イフガオ族は、棚田を代々守り継いでいくそのコツを歌にしている。それが「ハドハド」であり、世界無形文化遺産にも登録されている。

日本にも田植え歌がある。ハドハドはそれをさらに長く詳しく歌詞化している。なんと、歌い始めたなら数日かからなければ終わらないほどの長さであり、その中には200を超える教訓や風習や知恵が盛り込まれているという。

民族のための語りだったハドハドやコルディリェーラの棚田が世界の注目を受けるようになったことから、観光の目玉として求められることが増え、今では定期的にその一部が語り歌われる場が設けられている。

ツアーに参加していくと、民族衣装姿の女性たちがこの大叙事詩の一部を歌って聞かせてくれるオプションがついてくることもあるので、そこは要チェックポイントだ。

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棚田の見どころ

コルディリェーラの棚田はその景観が命だ。そのため、多くの観光客は接近するよりも遠目から眺めることを好む。ツアーの場合にも、ビュースポットとして連れていかれる場所の多くは棚田を見通せたり見下ろせたりするビューポイントになる。

確かに遠目からみた棚田は美しい。ついでに言うと、ところどころにある放棄棚田や現代風建築物の姿が目立たないという利点(?)もある。

写真撮影にはそれでいいだろう。しかし、是非棚田の中にまで足を踏み入れたい。近づいて初めて実感できるその土地の勾配のきつさも足と目で感じたい。そして棚田の狭さと作業の困難さも体感したい。

土で固めた壁の上にしゃがんでハドハドをハミングする農民、農作業を手伝う子ども、水路の中の生き物たち。それらはどれも遠目には見ることができない。

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季節ごとに味わう棚田の美

棚田は田んぼだ。季節ごとにその姿はガラリと変わる。水が張られ空を映す季節、青々と苗が輝く季節、穂が育ち稲の香りで充満する季節、藁のニオイや土のニオイがする季節。

それぞれの季節の色とニオイと風を味わえる。緑の季節に訪れたなら、実りの頃にまた来たいと必ず思うはずだ、日本人ならばきっと。

アクセス方法

マニラの北250kmに位置すると聞くと、車で日帰りできると思いがち。ところがマニラを出発して約10時間かかってようやく入り口。

ツアーであってもローカル路線であってもマニラからの出発は大小のバス。コルディリェーラの棚田を持つ村の中では比較的大きなバナウェに到着するまでの道は山あり谷ありで、夜行バスに乗っていれば、このままトワイライトゾーンへと連れ去られそうだ。

バナウェからはローカルのトライシクルに乗り換え、山路をガタゴトと振られながら1時間半ほどでさらに山間地のボントックやバタッドに到着する。

道も悪いが車事情も悪い。乗り心地の悪さは覚悟が必要だ。多くの旅人は夜行バスを使って強行軍で0泊の旅をする。しかしバギオに宿を取って日帰りで観光するという選択肢もある。

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棚田の保全

コルディリェーラは世界遺産だが、実は2001年から2012年までの間は危機遺産としても登録されていた。その理由は、後継者不足や管理計画の不備、違法建築など様々であり、結果として放棄棚田の増加や水利システムの崩壊、景観悪化などが発生し、棚田としての機能も美観も損なわれてしまった。

この危機遺産登録にいち早く反応したのが日本。同じく多くの棚田を持ち、その保全に長年取り組んできた経験を生かし、現地で棚田を維持していくための知識や文化を継承していくプロジェクトを起こして、根気強く地元に溶け込んだ活動を行ってきたそうだ。

その結果が2012年の危機遺産解除となった。現在は、この棚田が米の生産のためだけでなく、歴史的遺産であり観光的価値もあることを身を持って学んだ現地の人々によって、堅実に守られていることが、そこで農作業を行う若い世代の姿を見かけることからも伝わってくる。

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最後に

訪れる人をして「天国へと続く階段のようだ」と言わしめるその神がかった景観は1995年という比較的早い時期に世界遺産に登録された。

観光客にとっては美しい棚田だが、実際には現金収入が少なく都会の生活に憧れて離農する若者が多い。棚田という遺産の重要性は理解できても、実生活者にとって不便で暮らしにくい部分があるのも確かなのだ。

だからこそ、世界遺産として観光地化が進むのはある意味歓迎すべきかもしれない。観光収入が棚田保全につながる好循環が生まれれば、あの美観は今後も数千年続いていくことだろう。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

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