サンティアゴ・デ・コンポステーラを巡礼してみた感想やその方法

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神の許しを得るために歩く800kmのスペイン版お遍路~サンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)/スペイン

世界を旅する時に「歩く」はごく基本的で中心的な動作になる。旅人の中には、「歩く」ことを旅の目的として掲げる人もいるほどだ。

そして世界には昔から、「歩く」ことが意味を持つ場所もある。日本の四国お遍路もその一つだろう。

スペインには「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」がある。これは1000年以上前から続くスペイン版お遍路ともいえる聖なる巡礼路なのだ。

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サンティアゴ・デ・コンポステーラが巡礼地となった理由

サンティアゴは、聖ヤコブをスペイン語にした呼び名だ。

聖ヤコブは、キリスト教にとって最後まで残ったイスラム教エリアであったイベリア半島で改宗の成果を上げてパレスチナに戻ったものの、その地で囚人として断首の刑となった聖人だ。ヤコブの弟子たちは遺体を大理石に棺に納めてひっそりと小舟で海へと逃れた。それがヤコブの殉教で、時は1世紀頃の話だ。

聖ヤコブの遺体は、伝説によるとスペインまで流され、その地に埋葬されたものの、秘密が守られすぎてしまいその場所を知る者がいなくなってしまった。

9世紀に入ってようやくヤコブの墓が発見されるが、それは天使のお告げによるものであり、発見された墓の上に大聖堂「サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂(カテドラル)を立て、聖ヤコブはキリスト教国の守護聖人として祀られるようになったのだ。対異教徒との闘いのトレードマークとなった聖ヤコブ、中世でもてはやされた聖遺物としての価値などもあり、ヨーロッパ中から大聖堂への巡礼者が集まった。

しかし、サンティアゴ・デ・コンポステーラが巡礼地として年間50万人もの巡礼者を集めた12世紀以降、偶像崇拝禁止の流れ、宗教革命の影響などから、聖ヤコブの聖遺体は再び行方不明となってしまう。無事に再発見されたのは、19世紀後半のこと。さらにスペイン内乱などを経て20世紀後半になってようやく巡礼地は再び人々によって歩かれるようになったのだ。

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巡礼路「El Camino(エル・カミーノ)」

巡礼地はスペイン語で「道」を意味する「エル・カミーノ」という言葉で呼ばれる。

ヨーロッパ中からスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指すための巡礼地が存在しているが、その中でも代表的なのが、フランス各地からピレネー山脈を経由してスペイン北部を通ってサンティアゴ・デ・コンポステーラに至る800kmの道4本、パリをスタート地点とする「トゥールの道」、ヴェズレーからの「リモージュの道」、「ル・ピュイの道」、アルルからの「トゥールーズの道」だ。

ほかにも、イギリスから海路を使用する「イギリスの道」、ポルトガルからの陸路「ポルトガルの道」、古代ローマ時代の道をなぞる「銀の道」などもあり、その巡礼路は遠く中央ヨーロッパにまでつながっている。

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巡礼の方法

巡礼は誰でもどんな方法でも行うことができるが、正式な届出をすることで「巡礼者」として認められてさまざまな特典を受けることができる。あとはとにかく歩く。実際には自転車を利用する巡礼者も多い。ロバや馬を使う者もいる。さらには、観光バスで訪れてその一部だけを体験していく者も少なくない。

まずは、巡礼事務所や観光案内書、宿泊施設、教区教会などで名前を登録して巡礼手帳「クレデンシャル」を受け取る。3~5ユーロ程度。これを所持していれば、巡礼路に点在する救護施設であるアルベルゲに無料または低料金で宿泊が可能だ。食事も提供される。ただしあくまで巡礼途中の宿としてなので、1泊に限られる。

アルベルゲでは宿泊者の手帳にスタンプを押してくれる。これが巡礼の証明となる。

このほか、巡礼者の足を浄めることで旅の無事を祈り、神への祈りも捧げるという「洗足の儀式」もあったが、近年はほとんどみかけない。

巡礼者たちは首からほたて貝をぶら下げていることが多い。これは、古い時代の巡礼者たちが食事を恵んでもらうための食器として身につけていた名残だとされている。

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巡礼証明書「コンポステーラ」

巡礼証明書を得るには、徒歩で100km以上自転車で200km以上巡礼地を進むという条件が付けられている、これは、巡礼手帳申請時の申し出と宿泊所で押されたスタンプによって読み取る。

この証明書があると、サンティアゴ・デ・コンポステーラから帰りの飛行機や鉄道の料金が割引されるという特典がある。

本来の巡礼証明書は贖宥状としての役割を持っていて、これまでに犯した罪を償ったことを認めて軽減してくれるものとして、キリスト教徒には非常に価値のあるものだった。

現在は、宗教的な意味合いに加え、観光客の旅の目的や思い出の一端として積極的に紹介されている。

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サンティアゴ・デ・コンポステーラ市のみどころ

エル・カミーノの最終到達地点がサンティアゴ・デ・コンポステーラ市のカテドラルだ。

街まであと5kmという地点は「歓喜の丘(モンテ・デル・ゴソ)」と呼ばれ、長い巡礼の果てにようやく目的地が見えたことを喜ぶ場所とされているほか、街の入り口には「栄光の門」と呼ばれる門もある。これは、巡礼地である街の入り口であると同時にカテドラルの広大な敷地の入り口でもある。

サンティアゴ・デ・コンポステーラ市の旧市街地は世界遺産に登録されていて、数多くの歴史ある広場と建造物、そしてミュージアムが集まっている。

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巡礼終着点「カテドラル」

ロマネスク様式の壮麗な大聖堂は、聖ヤコブの墓とその上に建てられた古い寺院の跡に建てられた。1075年に始まった工事は、巡礼地として巡礼者と寄進を集める中で増築が繰り返され、時代ごとの建築様式を駆使した巨大カテドラルを造りだした。

地下にはヤコブの墓があり、聖遺物の数々がヤコブを小舟でここまで導いたとされる2人の弟子によって今も静かに守られている。

毎週日曜日の正午には巡礼者のためのミサが行われ、誰でも参加することができる。

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ボタフメイロ

ボタフメイロは重さ80kgの香炉で、天井からつるされた振り子になっている。黄金と青銅に銀メッキを施した香炉はカテドラル内で金色に輝いてみえる。

普段は展示室に置かれているが、重要なミサの時だけ運び出され、天井から吊り下げられて天井で大きく揺れながら香の煙を堂内に撒く。

カテドラルにはほかにも「アーティチョーク」、「キャベツ」と呼ばれる香炉があり、ミサの種類や規模によって使い分けられているようだ。

聖職者たちが大きな香炉を滑車で吊り下げ、綱を引いて徐々にその揺れ幅を大きくしていく様子は、日本の寺で巨大な鐘を突く僧侶の姿を思い出させる。

この香、実は巡礼者たちのニオイを消すためのものだったという。11世紀頃、長く過酷な旅を終えた巡礼者たちはプンプンと悪臭を放っていたのだろう。また、さまざまな病原菌が街を襲うことを恐れ、ウィルス対策として香がたかれていたのだ。

また、歴史の中でこの香炉は何度も事故を起こしている。巨大な鉄の塊状のものが振り子の原理により猛スピードで頭の上を行き来するのは、いろいろな意味で畏怖の対象といえそうだ。

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最後に

長い歴史を持つ巡礼路であり巡礼地だが、現代で一般に知られるようになったのは比較的最近のことだ。小説や映画などの題材となったことで、耳にした人も多いだろう。

本来は聖職者や信徒たちが宗教的な理由で行うべき巡礼だが、四国のお遍路がすべての人に門戸を開いているように、サンティアゴ・デ・コンポステーラもまたあらゆる人を歓迎している。

800kmの道のりを普通に歩くと1ヵ月以上かかる。簡単には「行こう」とも「やるぞ」とも言いにくい距離と時間だ。しかし、いざ「行く」・「やる」となったなら、たとえ宗教的な巡礼でなくとも、この地に対する敬意を示すためにも、できるかぎり歩きたい。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

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