チェコの温泉街で湯治旅? 飲み歩き or 泊まって浸かる~カルロヴィ・ヴァリ

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カルロヴィ・ヴァリ「Karlovy Vary」/チェコ・ボヘミア

日本では、我らの愛する温泉がすでに津々浦々多種多様に湧き出しているため、海外の温泉に対しては「そんなのあるんだ」「日本こそ本場だし」という感覚。

でも、世界に目を向けると「こんなにも!?」と驚くほどの数、質の温泉が各地からやはり湧き出している。その中でもトップクラスの「ホットスプリング」の一つがチェコ・プラハから程近い場所にあるカルロヴィ・ヴァリだ。

中世ヨーロッパで富裕層のリゾート湯治場として、格の高い温泉街だったカルロヴィ・ヴァリ。世界大戦を経てその繁栄に影がさしたものの、今再び、中世の面影を残す鄙びた老舗温泉街として脚光を浴び始めている。

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チェコの老舗温泉街はどこに?

チェコとドイツの国境に近い人口5万人ほどの山間の温泉街はある。長くドイツの支配下にあったため、地名にも人口にも、そして言葉にも多くのドイツ風が残っている。地名を示すカルロヴィ・ヴァリはチェコ語だが、ドイツ語のカルスバードも通用されている。

低い峰に囲まれた小さな盆地のようなエリアに3つの温泉街が三角に点在している。そして、カルロヴィ・ヴァリ山地内から豊かな鉱泉が湧き出し、街を温泉の湿度で覆っている。その泉温は、43~73度と低すぎることはないが、街まで引く間に冷めてしまうため、浴用としては沸かし直し、飲用は常温でいただく。

もちろん、温泉ホテルでゆっくりと湯治リゾートを楽しむのがベストだが、大観光都市であるプラハからバスの便が多くあること、2時間ほどでアクセスできることから日帰り客も多い。

規模こそ小さいものの、プラハにも負けず劣らずの美しい建造物や街並、そして周囲を囲む森のイオンと温泉とが、街に独特の魅力を持たせている。

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まずは飲み歩きにGo!

もちろんビールでもワインでもジュースでもなく、鉱泉の飲み歩き。カルロヴィ・ヴァリの鉱泉は、肝臓や消化器系に効果を発揮するとされ、飲用は立派な治療の一つ。

カルロヴィ・ヴァリでは、街のあちこちでちょっと変わった飲み歩き用のマグカップが売られているので、ぜひ手に入れたい。ごく普通のカップタイプもあるが、パイプのような形で持ち手の部分がストローのような吸い口になっているタイプ、アニマルやキャラクタータイプなどお好みで選べ、ちょうどいい土産にもなるはず。

さて、お味のほうだが、これがなかなか複雑怪奇。あっさりしている泉もあれば、口に含むのさえ苦しい泉もある。日本の温泉は鉄分や硫黄分がきつく、口に含んだとたん「うっ…」となる良薬口に苦しタイプが多いが、カルロヴィ・ヴァリは癖こそあっても、まぁ飲める範囲といえるかもしれない。

さらに、日本だと1日コップ一杯などと規制があるが、ここでは原則なし。あちこちの鉱泉スタンドをはしごしてごくごくと飲み放題。ただ、慣れない人が調子にのって飲みすぎると、後でお腹に異常を来す確率が大なので、ほどほどにしておこう。

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やっぱり浸かりたい

日本人としては、温泉まできて温泉を飲むだけで帰るわけにはいかない。ただ、カルロヴィ・ヴァリは湯治場。日帰り温泉施設は少ないのが実情。

小さな温泉旅館というよりは、規模の大きな温泉エステハウスやリゾートホテルや温泉病院のような施設が多く、それらの施設で一般向けに公開している施設に入場料を支払って入らせてもらうような形になる。

ツアーだと、日帰り入浴がセットになっている場合もあるが、個人の場合には、曜日や時間などで入場できる施設が変わるので、予習しておくべきだろう。

また、それらの施設は「お風呂」というよりは、「ラドンセンター」「室内プール」といった雰囲気で、基本は混浴で水着着用(ただし、水着着用は義務ではない)。費用も2時間で3千円ほどとお手頃とはいいがたい。

そのため、どうせ温泉に浸かるつもりなら、宿泊することをおすすめする。

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ヴジーデルニー・コロナーダで間欠泉に大接近!

定期的に70度を超える水蒸気を噴出させている間欠泉が、なんと室内にある。ガラス張りの室内はもうもうとした湿度で息苦しいほど。間欠泉の高さは最大12mにも及ぶというから、見ごたえはばっちり。

そして、間欠泉とはいっても、かなり頻繁に噴出しているため、ブラリと立ち寄っても目撃できる可能性は高い。

コロナーダとは、温泉を身近に楽しむための建物。飲用の水くみ場があったり、温泉の湿度に包まれながらのんびり座ったりできる施設のこと。ガラス張りの明るいものが多い。カルロヴィ・ヴァリには複数のコロナーダがあり、コロナーダめぐりを楽しむのが、日帰り湯治のスタイルだ。

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007で使われた「グランドホテルプップ」

カルロヴィ・ヴァリでは毎年映画祭も開催されている。その舞台の一つが、映画007シリーズにも登場したホテルプップ。元菓子職人が建てたとされるホテルは、メルヘンの世界の宮殿のよう。

その昔にはゲーテ、バッハ、ワーグナーなどが宿泊し、最近では007が登場した「カジノ・ロワイヤル」にホテルの外・内観とその周辺の景観が使用されている。

湯治リゾートホテルとして、居心地の良さを追求した作りは快適そのもの。スタッフたちの対応も温かく文句なし。その分費用はかさむが、それだけの価値ある滞在になるだろう。

また、滞在だけでなく、レストランやカフェ使用で内部の贅沢な居心地を束の間味わうことも可能だ。

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ガラス工芸にほれぼれ

カルロヴィ・ヴァリは、温泉保養地として下火になっていた時代もあるが、ボヘミアンガラス工芸という伝統地元産業が発達している。

ガラス工房モーゼルは、モーゼル社で作られたガラス工芸作品だけでなく、その歴史、工具などが展示された博物館。もちろん、ショップでは壊れやすいガラス細工たちが所せましと並び、買って帰れと誘惑してくる。

購入するとしっかりとした包装と箱には入れてくれるが、やはり割れ物。その後の旅程などを考慮した上で購入しよう。

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ヤン・ベヘール博物館でCzech版養命酒をゲット

チェコには、「ベヘロフカ」というハーブ酒があり、これが日本でいうところの養命酒。

カルロヴィ・ヴァリには12の源泉がありそれぞれに飲用ができるが、13番目にはこのベヘロフカを飲むというのが、通の飲み方だとか。

ベヘロフカはアルコールではあっても、生活に密着したドリンクらしく、街のお土産屋さんやスーパーでも売られているので、誰でも簡単に購入可能。

ス~っとする薄荷の風味が、胃もたれに良さそう。ビールの飲みすぎとか、こってりチェコ料理の食べ過ぎにききそうだ。

このベヘロフカのミュージアムがカルロヴィ・ヴァリにある。さまざまな味、仕様のベヘロフカが並び、ベヘロフカのボトルの移り変わりや醸造所で使われている樽などを見学できる。さらには、テイスティングも可能。

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スパ・ワッフルを食べよう

ワッフルというと、ベルギースタイルの厚くて甘いパンケーキ状のスイーツを思い浮かべるが、このスパ・ワッフルは日本でいうところのゴーフレットに近い。

薄くてパリパリしたゴーフレットのようなワッフルにバニラやチョコ、いちごなどのクリームを挟んで食べる。街角でも、このワッフルを焼いていて、その場でクリームを挟んで売っている。またスーパーやコンビニで製品化されたものも売られている。

これはなかなかの美味。お腹にはたまらないが、軽いスナックにちょうどいい。また軽いので、製品化されたものはお土産にもいい。

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最後に

チェコの大立役者であるカレル4世が発見したといわれるカルロヴィ・ヴァリ。狩猟中に、傷ついた鹿が泉でその傷を癒している様子を見たのが、「温泉=治療」という発想につながったという。

この話、日本各地にもある。長野県の鹿教湯温泉などはその名の通り、鹿が教えてくれた温泉であり、温泉治療用の病院施設があるところまでそっくり。

日本の温泉街とチェコの温泉が、そこに立つ建物も、入浴スタイルも、空気もニオイもなにもかもが全く違いながら、その発見伝はそっくりなのがおもしろい。

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