チロルとインスブルックの周辺観光地全部歩いてみた感想

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アルプスの麓に残された中世の小都市で緑と歴史を味わう~チロル(Tyrol)とインスブルック(Innsbruck)/オーストリア及びイタリア

「チロル」という言葉は日本語の中に浸透しているものの、実際に何を指すのかは分かりにくい。自然を生かした観光施設の名称だったり、服飾などの柄だったり、食べ物の名前だったりもする。

実際の「チロル」は、オーストリアとイタリアの国境付近、アルプスの山の麓に広がる高原地域を指す。豊かな緑と長く富んだ歴史を持つ地域にはヨーロッパ中からの観光客が通年訪れている。

南北に分かれたチロル

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現在はオーストリアとイタリアという二国に別れているチロル地方だが、もともとはアルプス山脈東側の広い地域全体の総称だった。

チロルの北東部はオーストリアの「チロル州」、南部はイタリアの自治州となっている。国こそ異なるものの、同じアルプスを背負った「チロル」という観光地として通年旅行客を引き寄せている。

チロルの名称

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「チロル」は、征服者たちの思惑によって、地図上ではさまざまな国の統治下となり、分断されたり統合されたりを繰り返してきた。

イタリアの南チロル・メランは先史時代から人が暮らしていたことが分かっていて、12世紀以前には城塞が、その後も城として徐々に増改築が繰り返された。現在もその一部が残されている。小高い丘の上に立つ「チロル城」がそれだ。

チロル城は、15世紀までは「チロル国」の王の住まいであり、チロル王の権力の拡大によって「チロル」の名を持つ地域も拡大していった。そうして、広大なチロル地方が誕生したのだ。

しかし、チロルの中心がインスブルックに移ったことで荒廃が進んでいた城塞は、近年になって修復・改築されて、「南チロル文化・歴史博物館」として公開されている。

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オーストリア・チロル州・インスブルック

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チロル観光のもっとも大きな拠点となるのが、オーストリア・チロル州の州都であり、アルプス地方最大の古都でもある「インスブルック」だ。

古代ローマ帝国時代からハプスブルク家統治にいたるまでの長い歴史の中で、インスブルックを流れるイン川がヨーロッパ各地を結ぶ交通と商業の要となることで、町は大きく発展してきた。

そのため、インスブルックの旧市街地には中世から残っている歴史的建造物が立ち並び、その繁栄ぶりをうかがわせる豪奢な建築様式や装飾などに目を奪われる。

インスブルックとマリア・テレジア

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ハプスブルク家の女帝マリア・テレジアはインスブルックに滞在することを好んだため、彼女の影響を受けたルネッサンスやバロックの文化がしっかりと根付いている。

インスブルックの中心である大通りは「マリア・テレジア通り」と呼ばれ、お土産物だけでなくブランドショップも並ぶショッピングストリートになっている。

マリア・テレジア通りの南は息子である皇帝レオポルト2世の婚礼記念の「凱旋門」、北はスペイン継承戦争で敵兵が撤退した日を記念する「聖アンナの記念柱」が立っている。

細く高く美しい聖アンナの記念柱は、ノルトケッテの山々の威容を背負っているため、通りの南側から北を向いての景観が特に素晴らしい。

また、マリア・テレジアが愛したという「インスブルック王宮」は18世紀にマリア・テレジア趣味に改装された姿で残されている。

黄金の小屋根

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インスブルックでもっとも大切にされているシンボルが「黄金の子屋根」と呼ばれる皇帝専用の観覧席。広場に面した建物の一部をロイヤルボックスに改装したもので、騎士たちの馬上試合や観劇に使われた。

バルコニーの屋根に金箔が貼られていることからこの名がついた。使用金箔数は2657枚。マクシミリアン1世が建設させたこの黄金のロイヤルボックスは1500年の完成だ。

インスブルックの多くのみどころ

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歴史は古く豪奢でもあるが、小さな町であるインスブルックの見どころはほとんど歩いて回れる範囲にまとまっている。

黄金の小屋根のすぐ近くにある「ヘルブリングハウス」は、ピンク色のファサードと花模様がかわいい建物。後期バロック装飾の傑作品とされている。

ルネサンスのパイプオルガンが有名な「聖ヤコブ大聖堂」や「チロル民族博物館」を併設する「宮廷教会」も見逃せない。旧市街の街並みを俯瞰するには、「市の塔」に上るといい。15世紀に建てられた鐘楼であり、中世時代の見張り台でもある。51mの高さを狭い階段を上がっていく必要があるので、体力と閉所と高所に強い人向け。

最後に市街から少し離れているものの、「アンブラス城」も宮殿のような装飾の素晴らしさに目を奪われるほどの豪華さを持つ見逃せない観光スポットだ。皇帝たちの宝物や武具の展示が見事。観光用のバス「サイトシアー」に乗っていくといい。

チロルの通年観光

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チロルは春から秋は高原の澄んだ空気や清々しい気候、そしてアルペン植物を楽しみながらのトレッキングが楽しめる。

ヨーロッパ中から訪れる観光客は、「サウンド・オブ・ミュージック」の世界を実地でいくように、山々を家族や友人たちと上っていく。現在のチロルはもちろん、トレッキングコースが整備され、宿泊施設やレストランなどもあり、命がけの山越えではなく、楽しい散策レベルから本格的な登山まで安全に幅広く楽しめる。

また、もっとも人が集まる夏には高原鉄道が運行され、SLが緑の尾根をバックに走っていくという珍しくも素晴らしい景観を楽しめるとして人気だ。

そしてもちろん、冬のアルプススキーも忘れてはいけない。コースなき斜面へと雪山登山やヘリコプターで上っていく上級者だけでなく、ふもと付近で遊ぶ初心者コースでのスキーやソリも可能。

町観光とアルプス観光の両方を通年楽しめるチロルが人気なのは当然かもしれない。

スワロフスキー・クリスタルワールド(Swarovski Kristallwelten)

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チロルには世界的に有名なクリスタルブランド「スワロフスキー」の本拠地がある。

インスブルックから15km東へ行ったところにある「ヴァッテンス」には、「スワロフスキー・クリスタルワールド」がオープンし、新たな観光スポットとして注目されている。

創業100周年を記念したプロジェクトだが、スワロフスキーの作品の展示にかぎらず、珍しいクリスタル(水晶)やクリスタルと光と音のコラボレーションなどの「クリスタル・ワールド(水晶の世界)」が施設の地下を広く幅とって展示されている。水晶の博物館といった感じだ。

ショップもあり、世界から集められたクリスタルグッズの展示と手頃なアクセサリーや置物から高級コレクションまでずらりと勢ぞろい。

チロルの青い空や緑の山、中世の街並みとはうってかわり、目がチカチカするような地下世界だが、メルヘンチックなところは共通している。

インスブルックカード

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インスブルック周辺を観光する場合には、必ず利用したいのが「インスブルックカード」。市内の公共交通機関の大半が乗り放題となり、観光スポットの入場無料・割引なども含まれている。

短い滞在であれもこれも見たい場合のマストアイテムだ。

最後に

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日本からは、ウィーン、フランクフルト、パリ、ロンドンなどを経由するのが一般的。ヨーロッパ内の空路か鉄道を乗り継ぐ必要があるため、日本を出てまっすぐにチロルへ向かっても丸1日かかる。

訪れるのはヨーロッパ人が多く、日本を含むアジアからの観光客は少なめだが、日本の夏山をスケールアップしたような清々しさや、かわいらしさと豪華さをあわせ持つ中世の古都は、まさに日本人好み。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

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