みんなで臭えば怖くない! ニンニクまみれ祭り「ギルロイ・ガーリック・フェスティバル」(Gilroy Garlic Festival)/アメリカ・カリフォルニア州
ニンニクを全身で受け止める覚悟がなければ、このフェスティバルには出かけられません。
アメリカ随一のニンニク生産地ギルロイで行われるガーリック・フェスティバルでは、メインもデザートも全てがニンニクまみれ。そして、そこを訪れた人はもれなく全身ニンニク臭まみれになります。
ギルロイ・ガーリック・フェスティバルの特徴
会場内はかなりの広さで、さまざまなブースに分かれています。一番興味も食欲もわくのが「グルメ・ブース」で、これは大抵会場の中央に陣取っています。
「アート&クラフト」や「ゲーム」「アトラクション(ショー)」「コンテスト」など、見て食べて遊べるブースがあり、サンサンと照らす太陽の熱射を浴びつつもあちこちへと引き寄せられてしまいます。
小さなテントはあっても、基本は露天。酷暑の季節のギルロイの暑さはハンパないので、日除けや水分の用意をしてから臨みましょう。
ギルロイ・ガーリック・フェスティバルの開催会場・開催日
サンフランシスコから150km、車なら2時間弱、シリコンバレーの隣都市でもある「ギルロイ」が開催会場です。ギルロイはアメリカNo1のニンニク生産地であり、加工地でもあります。人呼んで「世界のニンニクの首都」。
実際に会場になるのは郊外のだだっ広い空き地「クリスマス・ヒル」と呼ばれる場所。10万人以上が訪れるというだけあって、周囲には巨大駐車場がたくさん作られています。ただし、よほど朝から並んで近くの駐車場をゲットしない限りは、会場までシャトルバス移動となります。
ちなみに周囲は10時オープンのその前からものすごい混雑ぶり。フリーウェイも渋滞、フリーウェイから駐車場へも迷う心配のない長いのろのろの列ができています。駐車できない事態にはなりませんが、時間がかかるのは確かなので、時間計算は大切です。
開催されるのは7月最終週末の金曜から日曜の3日間。カリフォルニア州北部とはいえ内陸のギルロイはその頃真夏の猛暑期間です。そして、会場に日陰はほとんどなく、風も吹きません。
PR広告
ギルロイ・ガーリック・フェスティバルの歴史
1979年から始まったというガーリック・フェスティバルは、ギルロイのニンニク農家とニンニクソースなどのブランドが開催する一種の収穫祭です。全米で知られるフェスティバルとして成長し、今では10万人を超える入場者を集めます。
規模が大きくなった分、素朴なファーマーズフェアの趣きはなくなってしまいましたが、アトラクションの数は増加して、体力さえ持てば1日たっぷり楽しめる内容になっています。
ギルロイ・ガーリック・フェスティバルのイベント
毎年、ちょっと有名なバンドのコンサートが行われたり、ニンニク取り放題イベントがあったり、各種試食会があったりと、入場料さえ支払えば楽しめるものもたくさんあります。
そのほかにも、アート&クラフト会場では、ニンニクを使ったディップなど手軽な調理実習ができたり、コンテスト会場では、灼熱地獄と化したテントの下でニンニク料理を作る男たちの戦いが繰り広げられていたりします。ニンニクの香りも、既に食傷気味、立ち上がる炎にも暑さからうんざりといった感じで、あまり観客がいないので、ある意味じっくりと見学することができそうです。
ギルロイ・ガーリック・フェスティバルの食べ物
ニンニクが主役である以上、強烈な香りが辺りいっぱいに漂い、食欲をそそってくれます。
大人気定番スナックのガーリック・フレンチフライ以外にも、ガーリック串焼き、ガーリックソフトクリーム、ガーリック・トーストなどのぜひ食べたい系とかなりチャレンジ系が勢ぞろいしています。
お腹が空いているなら、ニンニクと野菜や肉、ニンニクとシュリンプの炒め物、ガーリック・カラマリ(イカフライ)などなど、パンと一緒に食べればしっかりとオカズになるガーリック料理も揃っています。
変わったガーリック料理の試食ブースもたくさんあり、ガーリック・アイス、ガーリック・ジャム、ガーリック・ゼリーなどを味見することもできます。甘いものが好きなアメリカ人だけに、チャレンジャーは大勢いて、意外なほど長い列ができていたりもします。
ギルロイ・ガーリック・フェスティバルの記念品
お土産として売られているガーリック関連商品も魅力的です。
正統派としては、自宅で栽培するガーリックセット。食欲派向けのガーリック・バターやガーリック・ソース、ガーリック・ピーナッツバターなどはさすがアメリカといったところでしょう。ガーリック・ジャムなども、サプライズのお土産やプレゼントに喜ばれるかもしれません。
会場で売られている各種ガーリック料理も持ち帰りは可能ですが、タッパーのような容器を持参しないと大変なことになります。ソースのこぼれだけでなく、車内はニンニク臭で充満してしまうのです。
用意するもの
まずは暑さ対策で、日焼け止めと日傘と帽子。飲み物は売られていますが、水やスポーツドリンクの持参もおすすめします。
次には食べ物を持ち帰る前提でタッパー。さらには、会場でたんまりとニンニク料理を食べた後に必要なニオイ消しのガムやミントタブレット、消臭スプレーなども持っていくと便利でしょう。
また、どの食べ物も飲み物も量は多いのですが、お値段が観光地的に高めの設定になっています。お小遣いは多めに用意しておきましょう。
参加できること
ガーリック料理コンテストは参加が可能ですが、当日申込みではなく、あらかじめ登録が必要です。
どういうわけか、男ばかりが参加していますが、女性も可。ただし、ガーリックを大量に使うのが条件なのはもちろん、試食のために大量に作る必要があります。大きなフライパンを使いこなす筋力も必要そうです。さらに、強烈な暑さに耐えられる体力も備えておきましょう。
一番の見どころ
食べ物も、アトラクションも、お土産も、これでもかとニンニク尽くし。よくぞここまでと感心します。
普段はちょっと敬遠してしまうようなガーリックまみれの食品を存分に味わいましょう。その調理法や加工法を舌と目で盗んでくることもできます。
中でもニンニク・アイスはガーリック・フェスティバルの目玉的商品です。これを逃す手はありません。試食は小さなコーンにひとスクープ。大柄で甘党のアメリカ人なら一口で終わりのサイズなので、希望者には両手で持てるだけ試食させてくれます。試食は原則バニラ味だけ。でもこれが一番ニンニクの味も香りも活きています。
この試食で気に入ったなら、店で購入しましょう。いくつかアレンジがあり、チョコレートやイチゴ、ミント風味のアイスもありますが、味がついてしまうとニンニク臭はどこかへ消えてしまい、あまり感じられません。売られているアイスでは、メロンの真ん中にバニラニンニクアイスをこんもりと盛り上げたものが人気を集めています。甘すぎないニンニク・アイスとメロンの甘さが中和していい感じ。
まとめとして
バンパイアは決して近寄れないフェスティバルです。あちこちに立つ看板はニンニクだらけ、案内役のマスコットはニンニクガールやニンニクおじさん、食べ物の屋台からは大量のニンニクを使った恐ろしいほどのニオイ、ニンニクの姿からもニオイからも逃げることは不可能です。
でも、ニンニクのニオイが気になるといっても、ここではみんな一緒。みんなで食べれば、みんなが臭い、みんなが臭えば怖くない! 遠慮なくジャンジャン食べましょう。ただし、帰りの車内は大変なことになります。また、ギルロイにある有名なアウトレットモールに立ち寄るつもりなら口臭だけでなく、衣類に染み込んだニンニク臭対策もお忘れなく。
一応会場には「バンパイア・フレンドリー」なる食品もあり、この文字がある食品にはニンニクは含まれていないそうです。