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Kris Goto。ハワイをベースに活躍するアーティストとして、急激にその名が知られるようになりました。
ところがその名前よりも先に、すでに作品そのものが多くの人の目に触れ、ワクワクやドキドキをハワイ中に振りまいていたのです。人の目と意識をわしづかみするような独特の世界観を持つKris Gotoのアートをご紹介します。
Kris Gotoの作品集
まずKris Gotoの作品を少しだけ紹介いたします。
※写真は公式サイトやファンサイトさんからお借りしています。引用元は各写真下部記載
http://www.krisgoto.com/
Kris Gotoの経歴
日本生まれ。九州は鹿児島の田園風景が広がる田舎で9歳まで育ちました。その後、家族で香港へと移住。現地でインターナショナル校に通い、高校生時には2年間ニュージーランドで過ごします。その後香港へ一度戻るものの、19歳の時、またもや家族でハワイへと移住。
アメリカへと進学の予定だったというKris Gotoですが、母親の勧めもあり、ハワイで「自分のアート」を見つめなおす時間を持ち、今にいたります。
Kris Gotoとアート
子どもの頃からマンガ好きで、読むのはもちろん、自分でも漫画家を目指して描きためていたそうです。
好きな漫画家は渡瀬悠宇や矢沢あい。作品では手塚治虫の火の鳥、井上雅彦のスラムダンクやバガボンドなどを愛読していたそうです。マンガもアートの一つではありますが、Kris Gotoの好みはいわゆるアート系のマンガではなく、日本らしい人間味の濃くてちょっぴりクサい系のマンガでした。
マンガ家としての才能には恵まれなかったと本人が気づいたとされるのが高校3年生の時、ニュージーランドのハイスクールに通っていたころのこと。マンガを描くのは楽しいけれど、あれ、これっていろんなマンガの名作シーンの寄せ集めだ! と自分の作品にオリジナリティがないことにショックを受けたといいます。
その頃、学校の美術教師の勧めで描いていたのが、いわゆる芸術系の油絵や3Dアート。本人曰く、「ちょ~下手」で、普通なら使うだろう配色とか当たり前の構図を自分には理解できなかったため、成績はかなりひどかったそうです。
それでも、絵が好きであることはやめられず、自分の描きたいものを描きたい色でコツコツと地味に描き続けていました。そうして白黒の点々や線を描き続けていたKris Gotoがアーティストとして認められるきっかけになったのが、2009年のマークス・ガレージのアート募集広告に応募して合格したことでした。
ハワイのダウンタウンでは有名なギャラリーであるマークス・ガレージで作品が展示された後、当ギャラリーのキュレーターの下で2年間インターンとしてアートの世界を学びます。この経験でKris Gotoの作品は急に色づいていきました。
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アーティスト「Kris Goto」の活動内容
マンガ家を諦め、配色センスのなさに苦しみ、なら白黒でいいさ! と開き直って、モノクロの泡や波や髪の毛を描き続けていたKris Goto。
彼女の作品が最初に公共の場に展示されたのは、前述のマークス・ガレージでの展示でした。その後、ハワイ内のカフェやバーなどを中心に、小規模な個展を開催するようになります。また、モノクロが中心だったKris Gotoの絵に少しずつ色が増えていくのもこの頃。
モノクロなイメージのまま、そこにポップな色合いがプラスされ、モダンなのにレトロな雰囲気も持つという、不思議なモノクロポップアートが完成していきます。
活動拠点は現在住地であるハワイですが、日本を含めた世界にも徐々に活動の場を広げ、特に海をテーマとするサーフアートでは、アメリカやヨーロッパにも根強いファンが生まれています。
Kris Goto作品の特徴
Trypophobia(トライポフォビア)という言葉がひょっとしたら当てはまるのかもしれません。Kris Gotoの作品を目にすると、いい意味で鳥肌が立つことがあります。
Trypophobiaを日本語にすると「集合体恐怖症」。たとえば、ハチの巣、魚の鱗、レンコンの穴、ひまわりの種の密集など、同じような形のものがギュギュっと密集して固まっている様子を見ると、ゾゾゾっと鳥肌が立つ症状のことです。点描画や細密画の中には、細かい点や線が浮き出してTrypophobiaを誘発するような作品があります。Kris Gotoの作品にもその傾向が若干あるような気がするのです。
それというのも、彼女の作品の基礎になるのが、モノクロの丸と線。たくさんの丸は海中の泡になり、細かく並んだ曲線は波や髪の毛になります。
本物のTrypophobiaな作品は見るものの気分を下げる鳥肌を招きますが、Kris Gotoの作品の場合は、思わずもっと近づいてその集合体を見てみたい、そして、近くで見た後は、ぐぐっと離れて遠くから眺めてみたい、そんな気持ちにさせます。雨へ後ろへと動いて眺めすかしているうちに腕に鳥肌が現れます。それは気分の悪さではなく、ハワイのビルのエアコンのききすぎでもなく、気分の高揚を意味しているのです。
Kris Gotoを作り出した環境
日本生まれの日本人。ただ、9歳からは海外育ちなので、英語はもちろん流ちょうに話します。スタイルや動作にも、日本人にはない自然な明るいハジけ感があります。個人としてのKris Gotoにも、アーティストとしてのKris Gotoにも、家族ぐるみの海外転居や高校留学などが大きく影響を与えているようです。
海外で暮らしていると、日本の最新の文化からはどうしても距離感が生まれます。マンガが大好きだったKris Gotoもマンガを日本から取り寄せていますが、送料を考えると新刊にはそうそう手が出せず、数年前の作品で、大量に売れた本の中古が中心になります。
何が言いたいかというと、もしもKris Gotoが日本在住のままで、読みたいままに日本のマンガを読み続けることができていたら、マンガ家を諦めることはなかったかもしれません。近年の日本のマンガには、Kris Gotoが描く作品に近いアート系も少なくないからです。マンガを諦めないということは、画家になっていないかもしれないということ。
現実には、日本を離れ、マンガを諦め、画家になったKris Goto。日本人であり、海外で育ち、ハワイ在住。そんな多様性は、Kris Goto自身の中だけでなく、作品としても現れています。
彼女のアートはハワイアンなポップがメインストリームかもしれません。でもそこには確実にアジアのテイストが顔を出しています。その不思議なミスマッチが見る人をまた惹きつけているように思われます。
Kris Gotoとマオリモチーフ
高校時代の2年間をニュージーランドで過ごしたKris Goto。香港というアジアではあっても、英語という共通語を持つ国で過ごしていましたが、いきなりアジア人が一人もいないような環境に入り込んだ時、誰もが感じるであろう戸惑いがあったようです。自分だけが違うという疎外感です。
だからこそ、さらにマンガにのめりこみ、そしてその限界を知ることにもつながってしまったのかもしれません。
ただ、ニュージーランドでは新しい出会いもありました。それがマオリアート。特にタトゥーとして刻まれるトライバルでシンプルなアートに魅了され、一時期は、ひたすらノートにマオリのモチーフを描き続けていたそうです。
マオリのタトゥーもまた白黒のモノクロ。そして、シンプルな点や丸や線をうまく混合させて複雑なアートを作りだしています。
マオリアートとの出会いは、Kris Gotoの「白黒でいいんだ!」「モノクロがいいんだ!」という現在の絵画につながる路線へと背中を押す役割を果たしたのではないでしょうか。
Kris Gotoとサーフ
また、Kris Gotoの作品のテーマとしてサーフィンがあります。これは、彼女がハワイに住んでいるからこそ身近になったものの代表格です。
彼女自身がサーフィンを楽しむことがあり、彼女の絵に登場する黒髪を結った女性はKris Goto自身だろうというのが、絵を見た人たちのもっぱらの意見です。
今ではサーフアートのKris Gotoとまでいわれることがありますが、彼女自身がずっと描いてきた作品は実はもっと人の内側を描きだすような、ちょっぴりグロい系。
ただ、どちらかというと暗いモチーフが多かった初期の彼女の作品に、サーフという明るさがプラスされることで、一気に注目されるようになりました。地元ハワイではもちろんですが、ヨーロッパからハワイを訪れたサーファーたちがアジアンテイストの加わったハワイアンサーフアートに大きく興味を示して購入し、本国へと持ち帰り、話題を呼びました。
今、Kris Gotoはサーフを描きつつ、再び、彼女の初期作品のような、より細密な細胞や人のパーツなどを描き始めています。
Kris Gotoと米
Kris Gotoを日本人なんだなと思うのは、そして、日本人だけど外国育ちなんだなとも同時に思わされるのは、彼女の作品の中に、米が登場するから。
海の中にスパム寿司がぶくぶくと落ちてくる様子を描くのは、米が好きだからだろうし、でも、純日本人ならアートにはしないだろう観点です。
人生のほとんどを日本以外で過ごしてきたKris Gotoですが、体調不良の時や元気が出ない時には、米が食べたくなるとのこと。そんな、日本人だけど日本にいない空気がKris Gotoの作品のそこここに現れているのを見つけてみるのも面白そうです。
Kris Gotoのアートにはどこで会えるか
いちばんまとめて見ることができるのがハワイ。
サウスショアマーケットの赤い服で赤い傘の女の子の絵、スターバックス・リザーブでは、波とコーヒーの赤い実とカップを持った女の子の絵、アラモアナのターゲットにはドド~ンとあちこちの壁面いっぱいに明るめなハワイアンモチーフ絵画が、それぞれに描かれています。
また、ギャラリー「GREENROOM」では、お手頃なサイズと価格の作品が置かれていて、自分の部屋のアクセントに、プレゼントにと使えそうな絵を選べます。
人気の高まりとともに、海外での個展も増え、日本で作品を目にする機会も増えています。
まとめとして
Kris Gotoの作品として真っ先に思いつくのは、美しく豊かな黒髪の揺れる様子、白黒で表現された泡と波、おにぎりの中に埋もれてお尻と足だけ出している女の子など、ほぼモノクロの世界。
一方で、やさしい色合いの花に埋もれた女の子、ピンクのスパム寿司、青い魚たち、緑のサボテン、オレンジ色のパパイヤなど、色のある光景も増えてきました。
そして、本棚にちょっと飾るような小さな絵もあれば、デパートの壁面すべてを埋め尽くすような大作もあります。
色使いもサイズも異なるKris Gotoの作品を見ていて、思い出したのが、草間彌生。極彩色傾向とモノクロトーンでは正反対に位置するように思える二人の作品ですが、水玉が集まった草間彌生の作品と、小さな丸が集まったKris Gotoの作品。どちらも、目が離せないだけでなく、毛穴が開いて、そこにも目が生まれてしまいそうな鳥肌感が似ています。
Kris Gotoの作品が持つ、不思議な鳥肌Trypophobia系アートの魅力というか威力のほどは、是非実物を見て味わってみてください。
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