バチカン美術館最後の審判を見てみた。予約や見所も紹介

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ルネサンスの芸術家たちに影響を与えた法王の美術館~バチカン美術館/バチカン市国

芸術家たちが創作した作品を蒐集した結果として美術館が成立しているのが当然だと考えていると、このバチカン美術館を理解できないかもしれない。

紀元前後から中世に入り近世近くまで、人々の生活の中心は宗教だった。

生活に余裕があればあるほど、その偏りは激しくなり、王族や貴族たちはみな、こぞって宗教画で居城を装飾し、宗教的な家具で室内を埋めた。

バチカン美術館はそんな宗教の本拠地であり、バチカン美術館の存在そのものが、その時代の芸術家たちのインスピレーションの源泉であり、そうして開花した彼らの才能がさらにバチカン美術館を埋めていったのだ。

世界一小さな国の世界一の美術館

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バチカン市国は、ちょっとした街程度のサイズの小さな小さな国である。

しかしその中にあるバチカン美術館は、その規模は世界最大級とされ、その内容はほかの追随を許さない豊富さである。

バチカン市国には、世界一や世界最大級・最高級とされる建造物や物がたくさんあるが、この美術館にも、そんな「世界」を代表する芸術品が詰まっている。

バチカン美術館の位置づけ

気軽に「バチカン美術館」と呼びならわされているが、実は正式名称があり、「教皇の記念物・博物館・ギャラリー」と呼ぶのが正しい。

この名称からも想像されるように、バチカン美術館は古いものから新しいものまでさまざまな美術館や建造物の複合体である。

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バチカン美術館を構成するのは

バチカン市国の中心であるバチカン宮殿の大部分を占めているバチカン美術館を構成しているのは、ギリシャ・ローマの古代彫刻・エジプト美術・エトルリア美術・現代キリスト教美術の専門美術館、システィーナ礼拝堂、バチカン図書館といった、バチカンの文化部分の大半と、さらには、中世教皇庁の「ボルジア家の間」・「ニコラウス5世の礼拝堂」・「ラファエロの間」などである。

「美術館」の一言で済ませられないスケールであることが想像できるだろう。

バチカン美術館の歴史

History

16世紀初頭に法王座に在位したユリウス2世が、枢機卿時代にコレクションしていた古代彫刻をバチカン宮殿内に持ち込んだことが始まりである。

ユリウス2世は、バチカン宮殿の中庭に、所蔵していた「ベルヴェデーレのアポロン」を代表とする古代彫刻を配し、さらに発見されたばかりのローマ古代の彫像「ラオコーン群像」も購入して同じく中庭に配置した。

この中庭は「ベルヴェデーレの中庭」と呼ばれ、ミケランジェロやラファエロなど当時の芸術家たちに大きな影響を与えることになった。

この「ベルヴェデーレの中庭」を内蔵した美術館「ビオ・クレメンティーノ美術館」が18世紀後半に完成し、歴代の法王と法王に保護された芸術家たちによって蒐集・創作された作品が次々にバチカン宮殿内へと集まっていった。

19世紀に入ると、エジプト・エトルリア・キリスト美術館がそれぞれ増設され、バチカン美術館は所蔵作品の増加とともに、大きく成長していったのだ。

ピーニャの中庭

Courtyard

ピーニャとは「松ぼっくり」のこと。ピーニャの中庭は、巨大な松ぼっくりが目印だ。

ローマ時代、1~2世紀頃に作られたといわれる大松ぼっくりの正体は噴水。今は水こそ吹き出していないが、その威容な姿は見学者たちの目にしっかりと焼きつくだろう。

それというのも、バチカン美術館内、特にシスティーナ礼拝堂は無言が原則。そのため、ツアーガイドによる長く丁寧な説明は入館する前に行われる。その場所がここピーニャの中庭なのだ。

大松ぼっくりの周囲には、身振り手振りを交えて説明するガイドとそれを取り囲む見学者の塊がいくつもできている。

ラオコーン群像

Raokon

バチカン美術館開設のきっかけの一つともいえるラオコーン群像は、ギリシア神話に登場するトロイアの神官ラオコーンとその二人の息子がウミヘビに巻きつかれている様子を表現した彫刻である。

ラオコーンは、トロイの木馬がギリシア軍による罠であることを見破り暴露しようとしたところを、女神アテネの遣いであるウミヘビによって海に沈められたとされる。

発掘当時、ラオコーンの右腕が失われていたため、当時の芸術家たちは知恵を絞って新しい腕をラオコーンに与えた。それが写真やコピー像に残っている、上方へ向けて伸ばした腕である。

しかしその後、偶然ラオコーンの右腕が発掘され、腕は正しい背中側に曲げられた姿に戻されたという経緯を持つ。

システィーナ礼拝堂とミケランジェロ

Sistine

「最後の審判」は、いつの超人気のスポットであり、狭い礼拝堂は人でいっぱいだ。

システィーナ礼拝堂の祭壇の壁面いっぱいに描かれたその壁画は、想像以上に配色が鮮やかで、他の古い壁画と比べると派手に感じられるほどだ。

同じくミケランジェロによる「創世記」は天井画。創世記の9つのエピソードが順に描かれていて、3場面ずつ「天地創造」、「男女の創造と原罪」、「ノアの方舟」となっている。

旧約聖書の知識がない場合でも、この絵で大まかな筋をつかむことができるだろう。

そのほかの見どころ

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見どころというよりは歩きどころだが、出入口に設置されている「二重らせん階段」はバチカン美術館の目玉の一つ。

「地図の間」では、壁一面の地図と天井を覆い隠す絵画に圧倒される。

基本的に美術館の建物の壁も天井も床も、芸術品で作られている。壁にラファエロ、天井にペルジーノ、床にはギリシアモザイクといった感じだ。

バチカン美術館でショッピング

どの美術館にも大小の差はあってもミュージアムショップが付属していて、見学者にとって特別な楽しみともなっている。

ここバチカン美術館のショップは、広大かつ複合的な美術館のあちらこちらに点在しているが、中でも入場してすぐの場所にあるショップはその大きさも品揃えも一番だ。

絵葉書や画集、聖地らしく十字架をあしらったアクセサリーなどが人気。宗教は異なっても、バチカンオリジナルだというシンプルでモダンなデザインを取り入れたグッズは、自分へのお土産にもよさそうだ。

また、バチカンで購入した絵葉書はバチカンで投函していくのがベスト。

郵便局は市国内に何か所かあるが、バチカン美術館内の郵便局なら、消印もお土産の一部になるかもしれない。

見学方法

当然ながら、チケット売り場には朝から長蛇の列ができている。チケットを現地購入して入場するなら早朝が狙い目だ。チケットを購入すると次は入場の列に並ぶことになる。

現在は、ネット予約が可能になっているので、あらかじめ購入しておけば、並ぶのは入場の列だけで済む。

ただし、入場日はもちろん時間帯も予め決めておく必要があるため、しっかりと計画が立っていないと予約購入は難しい。また、ネット予約は予約料金として4ユーロが加算されることも考慮に入れる必要がありそうだ。

最後に

バチカン美術館は美術品を入れて飾る箱ではない。美術品で作られた建物であり、美術品そのものである。

一歩踏み入れれば、その足元からは歴史が、天井や壁からは宗教が語りかけてくる。

1度や2度見学しても、とても見切れるスケールではなく、1週間、2週間という単位でゆっくりと歩いて回りたい。

しかし旅人に許される時間はかならずしも長くない。有効に時間を使用するためにも、公式ホームページやガイドをうまく活用する必要がありそうだ。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

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