バックパッカーで海外の動物園を巡る旅
動物園は子ども連れのお出かけスポット?
初々しいカップルのデートコース? いいえ、大人はもちろんバックパッカーにとっても十二分に楽しめるスポットなのです。
世界中にある動物園の中でも、是非旅行中に訪れておきたい10か所をご紹介します。
1. サンディエゴ動物園(San Diego Zoo)~アメリカ・サンディエゴ
動物たちはゆったりとした飼育スペースにたくさんの自然な遊具や木々に囲まれて暮らしています。そんな環境の中で動物たちの気が向けば、観察者のすぐ近くにまで寄ってくることができる距離の近さが特徴の設計になっています。
サンディエゴ動物園を紹介する時に、目玉といえる動物やアトラクションを一つに絞ることができないのは、それが存在しないからではなく、あらゆる点で万全に整えられているから。
動物園に期待する動物、施設、アトラクションなどが過不足なく揃っている巨大動物園は1日をまるごと過ごしてもまだまだ見足りない魅力にあふれています。
2. サンディエゴサファリパーク(San Diego Zoo Safari Park)~アメリカ・サンディエゴ
サンディエゴ動物園と経営は同じですが、こちらは郊外にオープンしたサファリスタイルの動物公園です。 ひとつの山全体が、動物たちとその生活をできるだけ脅かさずに人が近づけるように改良されています。
基本は歩きで、危険なエリアはトラムに乗って、はたまた、晴れたサンディエゴの空に浮かぶ気球の中から見下ろしてと、動物園というよりはアフリカのサファリを訪れているような気分を味わえます。
人気のショーは「チーターラン」。チーターが全速力で目前を駆け抜けていくというシンプルなものですが、そのスピードとチーターの体の躍動的な動きが素晴らしく、ショーの前には場所取りの列ができます。
園内でキャンプもできるので、ちょっとワイルドなお泊りハイキングも楽しめます。
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3. シンガポール動物園(Singapore Zoo)~シンガポール
早くから体験型プログラムが豊富だとして人気を集めていたシンガポール動物園は、現在もあの手この手で地元民と観光客を楽しませています。 オランウータンと朝食を一緒に食べる「ジャングルブレックファスト」は長年の人気アトラクション、「ナイトサファリ」も予約をしないとすぐにいっぱいになるほど。 また、シンガポール動物園のコンセプトは「オープンズー」。
その名の通り、動物たちと客の間には目に見える檻はありません。
木や堀をうまく使って目立つことがないように工夫されているのです。
注目したいのは「爬虫類の庭」と呼ばれるコーナー。巨大なワニや「ドラゴン」とも呼ばれるコモドオオトカゲ、ゾウガメ、キングコブラなどの巨体が待っています。
4. ギザ動物園(Giza Zoo)~エジプト・カイロ
カイロ動物園と呼ばれることもあるカイロの街中にある動物園です。
都市部にあるわりに広く、飼育されている動物数も多いのですが、動物の種類は少なめ。それというのも、動物も生き物。自然と年を取って死んでいきますが、十分な繁殖が成り立っていない上、補充の際に同じ動物ではなく、ラクダかペリカンで埋めていく傾向があるようです。
それでも、ライオン・トラ・サイ・カバなどはさすがアフリカだけあってきっちりとそしてたくさん檻の中に。 少し前の日本の市立公園などに付設していた市立動物園的な感覚で、カイロの住民たちがピクニック感覚で訪れてのんびり過ごしています。
猛獣以外の檻の前には必ずエサの入ったカゴやバケツを持ったエサやりおじさんがいて、チップを渡すとエサやり係りを替わってくれます。
5. サンプラーン象園(Samphran Elephant Ground & Zoo)~タイ・バンコク
バンコク市街地から車で1時間ほどの場所にある、象に的を絞ったタイらしいテーマパークです。 さすがタイだと思わせるのは、虎との記念撮影エリア。虎があちこちにいて、触れて、写真が撮れるのはタイくらいなものです。
虎は鉄格子と深い堀の向こう側に寝そべっているものという日本の動物園に慣れていると、細い鎖1本を飼育員のおじさんが持っているだけの虎の存在には驚きと恐怖を感じます。 しかし、ここでのスターは象たち。
サーカスで活躍する象がいることから考えれば当然ですが、象は本当に芸達者。
踊って、演じて、戦ってと、アイドル顔負けの活躍ぶりです。
この場所が、土木工事や兵士としての役割から解放され、かといって戻る山も持たない象たちの第2か第3の人生の場となっていることを実感できます。
6. カランビン・ワイルドライフ・サンクチュアリ(Currumbin Wildlife Sanctuary)~オーストラリア・ゴールドコースト
入るやいなやワイルドな小鳥たちが出迎えてくれる野生動物保護が目的の公園です。
入口では、大きめのインコ「ロリキート」の餌付けが行われていて、エサやミルクの入った皿を持って立てば、あっという間に頭も肩も腕も鳥だらけ。コアラやカンガルー、そしてワニとの触れ合いや写真撮影も人気です。 自然保護区として、あくまで動物たち主体に自然に近い形で飼育されているのが特徴。
公園内では、人も自然に戻って遊べる高度なフィールドアスレチックがあり、大人も子どもも楽しめます。 近隣には、動物園と遊園地が合体した「ドリームワールド」もあり、動物園のハシゴも可能です。
7. ベルリン動物園(Zoologischer Garten Berlin)~ドイツ・ベルリン
ドイツでもっとも古く、開園170年を迎える動物園です。戦争によって大きな被害を受けたもののよりパワーアップして再建されました。 なぜか中国風の入り口から入場する広い園内には、約1400種、20000頭近い動物が飼育されています。
飼育環境が良いことでも知られていて、動物たちがノビノビと暮らしている様子をこっそり木陰から観察させてもらう感じ。 広々としているので、かなりの入場者数でもごみごみしている感じがせず、人気の動物の飼育エリアでも人の壁に阻まれて何も見えないということがまずありません。
8. アークアビロン動物園(Ark Avilon Zoo)~フィリピン・パシッグ
マニラ近郊にある屋内動物園。名前の通り、ノアの方舟(アーク)をかたどっていて、建物は大きな木造の船の形になっています。 ライオンやピューマなどの猛獣もいますが、人気はオランウータン。
来園者は一緒に写真を撮ったり手をつないで歩いたりといったアトラクションを楽しめると大人気。 ふれあい動物園のほか、フィリピン固有種や絶滅危惧種動物などの保護も行われていて、都市型ならではのお楽しみと体験学習とが一体になった立ち寄りやすい動物園です。
9. 長隆香江野生動物世界(Chimelong Xiangjiang Safari Park)~中国・広州
アジア最大ともいわれる規模のサファリパーク付き動物園。動物園部分は徒歩観覧となっていて、「白」の字型の順路に沿った展示、サファリ部分は、基本的に乗車観覧で「虎」字型の展示となっています。
動物園の目玉はホワイトタイガー。
今では世界のあちこちで見かけるようになりましたが、ここにはなんと世界のホワイトタイガーの半数にあたる150頭余りがいるとのこと。 サファリエリアでは、5大陸をテーマにしたゾーン分けがされていて、柵や囲いで隔たっているものの、車の窓のすぐそこが砂漠やジャングルといった感覚。
広すぎて、目当ての動物が見つけられないこともありそうです。
10. ルハン動物園(Zoologico de Lujan)~アルゼンチン・ルハン
知る人ぞ知る動物園として、動物園好きや変わった場所好き、さらには怖いことが好きな人が訪れるという動物園です。 何が怖いかというと、園内で飼育されているほとんどの動物がなかば放し飼いの触り放題。
しかし、いわゆるふれあい動物園のように、その構成動物が山羊・羊・ウサギなどではなく、猛獣たちがしっかりと含まれているところが怖さの秘密です。 産まれた時から、犬と人間と一緒に暮らしているため、人を襲わず犬のような触れ合いが可能だとのこと。
大人の虎とキスをしたり泳いだり、大人の雄ライオンにまたがったりお腹の上で昼寝をしたりといった荒業もできてしまいます。 誰にでもおすすめできる動物園とはいえないので10位ですが、この動物園に感じるドキドキははたしてトキメキなのか恐怖なのか?
まとめとして
世界中の国の数以上、都市の数ほどもある動物園も、近年は珍しさに欠けるとして人気を落としていましたが、日本の旭山動物園の例からも分かるように、動物園の見せ方そのものが様変わりして、その人気を盛り返してきました。
各地でそれぞれの動物園が工夫を凝らしている様子を眺めるのは、昔の動物園のように狭い檻の中で暮らすのではなく、広々とした環境を与えられている動物たちを見るのと同じくらいリラックスできます。