ブリュッセルのテロは何故起きた?旅人や滞在者に与える影響は?

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ブリュッセルのテロは何故起きた? 旅人や滞在者に与える影響は?

日本人に人気の旅行先であるファッションの都フランスとそのお隣、チョコレートのベルギー。どちらも、ヨーロッパ旅行で目的地として選ばれることが多い人気国であり、それぞれの首都で観光中心地のパリとブリュッセルは、いつもなら日本人観光客の姿は探すまでもなくいたるところで見られます。

パリの日本人は、ツアー客や駐在日本人が中心ですが、ブリュッセルでは、個人旅行者や世界機関への出向者や出張者が多いという特徴があります。そんな2つの都市でテロが相次ぎ、日本からの旅行者が激減しています。

テロがパリやブリュッセルで起きた理由と、旅人や滞在者に与える影響について考えてみましょう。

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テロが連続したパリは警戒度が高い

パリはヨーロッパの文化的中心ともいうべき大都市です。そこでのテロが世界から注目されることは当然予想されることです。さらに、フランスは古くから移民の受け入れが盛んで、イスラム教徒のコミュニティも発達しています。

そんな背景から、「テロの首謀者」・「隠れ家とネットワーク」・「注目度の高い標的」といった条件が揃っていたこともあり、ここ数年の間に雑誌社、競技場、カフェと大規模なテロが続きました。また、実際には大きな報道こそないものの、小規模なテロやデモはもっと頻繁に発生しています。

しかし、さすがにこれだけのテロが起これば、パリにおける対テロ警戒度はマックスになり、パリにおけるテロリストたちの温床も警察によってかなり摘発を受けました。

そこで、次に標的に選ばれてしまったのがブリュッセルなのです。

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ブリュッセルにも揃うテロの条件

ベルギーもまた、ヨーロッパでは古くから移民を多く受け入れてきた国です。そして移民たちの多くがブリュッセル市内に大きなコミュニティを作って暮らしています。

彼らはベルギーで移民として認められはしたものの、移民として十分な社会保障を受けられず差別を受けているといわれています。ただし、これは移民側の主張であり、生粋のベルギー人たちは、移民であることにあぐらをかき、十分な努力をすることなくベルギー人の食い扶持を奪う存在がベルギー人以上の社会保障を求めるのはおかしいと考える傾向もあります。

どちらが正しいにせよ、移民政策が大成功しているとはいえないのが現状なのです。

ブリュッセルの移民にはトルコ・イスラム系が非常に多く、先にあげた3条件のうち「テロ首謀者」・「隠れ家とネットワーク」は軽くクリアします。実際にパリの襲撃事件の首謀者たちもブリュッセルで捕縛されています。

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※投稿記事とは無関係です。

ブリュッセルはヨーロッパの中枢だった

あまり知られていませんが、ブリュッセルにはEUの本部といえる「EC委員会」が置かれています。これは事実上のEU政府です。さらには、NATO北大西洋条約機構の本部も置かれています。

想像してみてください。ヨーロッパにおける政治と経済と軍事の中心がブリュッセルに集中しているのです。

パリの華やかさはなくとも、観光客数では劣っていても、実質的な世界規模の社会活動や関連機関で働く専門家たちの数は段違いに多いのです。

これでブリュッセルが3つ目の条件である「注目度の高い標的」も十分に持っていることが分かります。

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予想されていたテロを防げないのはなぜか?

テロは、規模の大きな集団が規模の大きな事件を起こそうとすればするほど、未然に防ぎやすいのだそうです。大きな動きには隙や綻びが生まれやすく、事前にその気配を察知しやすいこと、大きな集団からは情報が漏れやすいことが関係しているようです。

パリでは2015年だけでも、5件以上のテロが報告されています。それらを未然に防ぐことができなかった理由について、2つの見方があります。一つは、観光都市であるパリで、完全武装でネズミ一匹たりとも漏らさずシャットアウトするようなテロ対策を取ることができなかったことがあげられます。厳しく取り締まれば、観光客も住民も足留めされ生活の自由が減り、テロを防げても経済活動の妨げとして反感を買ってしまうのです。

もう一つの理由は、実際にテロを起こしているのが大きな組織ではないことにあるともいわれています。パリやブリュッセルのテロに対してISから犯行声明が出てはいますが、直接的な首謀者はヨーロッパ各地の都市に拠点をもつイスラム過激主義団体であり、セル(細胞組織)と呼ばれる小規模なテロ集団です。

例えば、ブリュッセルでのセルの活動内容は、イスラム系住民の結束が固いコミュニティという壁に阻まれて、なかなか浮き上がってこないといいます。

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ブリュッセルはテロ対策初心者

ヨーロッパの中層ともいえる機関が集まっているブリュッセルですが、これまで大きなテロ事件が起きていないこと、移民たちの不満が爆発する機会がなかったこと、イスラム系テロ組織は、その規模も活動も小規模だったことなどから、警備体制は手薄なままでした。

そこに突然立て続けに起きたパリのテロ、そしてブリュッセルへの飛び火。それに対応しきれていないのです。

また、イスラム系テロ集団セルも、細胞組織レベルの規模を保ったまま極端に拡大することなく、ISの聖戦に自主的に加担する形でテロを起こしていることから、大きな組織相手であれば有効な、動きを未然に察知して叩くというテロ予防策が十分に効果をあげないのです。

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観光客の確保・住民の暮らしとテロ対策を天秤に乗せたら

また、テロ対策の厳戒態勢に市民に理解が得にくい現実もありました。今回のテロでは空港と地下鉄の駅という公共のスペースが狙われましたが、空港のロビーも駅も誰もがほぼノーチェックで出入りできてしまいます。

「安全・平和であること」を前提にした警備では、「怪しいもの」だけを選別して排除します。ただ、これでは、テロを防ぐには不十分。「テロ発生の可能性が高い」ことを前提にした警備であれば、「すべて」をチェックして、「安全」と「危険」とを完全に選別します。でもこれには時間も予算もたっぷりとかかり、空港や駅を使用する一般人に多大な負担がのしかかります。

この負担を嫌ったブリュッセルが、警戒態勢を引き下げていたところに、今回のテロが発生したのです。

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観光客激減に苦悩する観光都市

パリもブリュッセルも観光収入は捨てきれない大きな財源です。政府も観光関連企業もすべてが、観光客の安全を確保しながら、その数を減らさずに済む方法を模索しています。

そして考えられるのは、警備体制の強化です。

華やかなパリの町で、銃を抱えて完全武装した軍人が立ってにらみをきかせ、地下鉄の駅ではすれ違い、公共施設の入り口では荷物だけでなくボディチェックも受ける、たしかに気分のいい旅の風景とはいえません。

でも、その状況や扱いに不満を言うよりも、進んで協力を惜しまないことで、自らの安全も確保できると考えるのが得策なのではないでしょうか?

観光客を含めた一般人が厳戒態勢を嫌えば、警戒レベルは引き下げられ、テロが発生する可能性は高まるのです。

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まとめとして

パリ、そしてブリュッセルで起きているテロに限ったことではありませんが、近年発生しているテロのほとんどはその対象が無差別です。日本人だから、観光客だからという理由で危険から逃れられるわけではありません。

では、どうすればいいのか? 旅の目的地を選べるのなら、テロの危険性が少ない場所を選ぶのが唯一の策でしょう。

現時点では、アメリカ、トルコ、中近東、東南アジア、南ヨーロッパなどがテロに狙われやすいとされていますが、それ以外の安全だといわれている場所も、いつまでも安全だとは誰も保証してくれません。

テロとの遭遇は、旅を愛する人にとって旅に出ることを諦めるという選択をするには、漠然とした危険でしかありません。ただ、華やかな観光地も、有名なイベント会場も、便利な公共交通機関も、静かなカフェでさえも、テロの標的になる可能性があること、そんな最悪の事態を防ぐための警備が、旅や暮らしを少し不自由にするのは当たり前であることくらいは、認識しておくべきなのではないでしょうか。

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