世界遺産もビーチも世界一のカジノもある都市~マカオ/中国人民共和国マカオ特別行政区
カジノといえば「ラスベガス」だったのはもう過去。今はカジノといえば「マカオ」がトップだ。
日本からの距離も近く、気軽に足を運びやすいマカオは、一攫千金を夢見るギャンブラーだけでなく、カジノ体験してみたい旅人にも人気となっている。
しかし、マカオの楽しみはカジノだけにとどまらない。マカオをより楽しめるよう、マカオの持つさまざまな顔を紹介しよう。
世界とマカオ
マカオは中国の片隅の漁村だったが、海路を使ったアジア交易の発展とともに、貿易港として栄えるようになった。
ポルトガル人がマカオに初渡来したのは1513年のこと。居留権を得たポルトガルは、マカオを当時の中国の明王朝やアジア各国との交易の拠点とした。
鎖国前の日本とも、マカオとマカオを通したポルトガルの通商が盛んだったマカオだが、中国が明から清へと移りマカオへの影響力が弱まり、さらには大英帝国が香港を得ると、ポルトガルの植民地となった。
第二次世界大戦中は、ポルトガルが中立的な立場をとったため、中立港としての役目をはたしていた。そのため、戦火の影響はほとんど受けなかった。
中国とマカオ
もとから中国系住民が多くその影響力も大きかったマカオは、ポルトガル植民地時代から、自治が進んでいた。そのため、ポルトガル政府はイギリス統治の香港よりもずっと先だって、完全返還を望んだが、主権はポルトガルに残したまま、中国政府が統治を行うという分離政策がとられてきた。
香港がイギリスから中国へと無事に返還された3年後、ようやく、マカオも全ての行政管理が中国へと返還された。
現在は、中国特別行政区とされ、返還後50年間の現状維持が認められているが、実質的に中国共産党の影響下にあり、政治的な自由は一部制限されている。これは香港も同様だ。
PR広告
世界遺産としてのマカオ
ポルトガルの影響を受けた建築物が多く残る「マカオ歴史地区」として世界遺産に登録されたのは、古跡30か所。
それらの全てがマカオ半島の南西地区に集中しているため、もともと小さなマカオのこと、全て歩いて回ることも可能。
見逃せない世界遺産
登録されている8つの広場のうちの1つ「セナド広場」は、中央に噴水があり、そこからあふれ出る波をあしらった石畳が目印の四角い広場。パステルカラーの建築物に囲まれていて、その中には、「民政総署ビル」、「郵政局」、「仁慈堂ビル」などがある。
「媽閣廟(まこうみゅう)」は、マカオの地名の元になったといわれ、マカオ三大古廟の一つでもある。海の神様を祀り、マカオ市民に崇拝されている。巨大な渦巻き線香が天井からぶら下がることでも有名だ。
「媽閣廟」が、マカオの中国的信仰の中心地なら、「カテドラル」はマカオカトリックの中心地。白い石作りの質素な姿が美しく、内部のステンドグラスはマカオの強い日差しを受けてキラキラと輝いている。
「聖ドミニコ広場」前にある「聖ドミニコ教会」は、メキシコのドミニコ会修道士によって創建された聖母子を祀る教会。教会鐘楼が美術館になっていて、300点を超える宗教具が展示されている。
忘れてはいけないのが「聖ポール天主堂跡」。1835年の家事で階段とファサード部分だけになってしまい、不思議な姿を残している。日本でも知られる「フランシスコ・ザビエル」が所属した「イエズス会」によって創建された教会であり、残されたファサードの彫刻には「フランシスコ・ザビエル」の姿もある。
カジノ都市としてのマカオ
マカオのカジノは、マカオ資本に加え、香港とアメリカの資本が入りさらにパワーアップした。ほとんどのホテルにカジノがあり、それぞれに特色を打ち出している。
ただカジノの雰囲気を味わいたいだけなら、宿泊しているホテルのカジノでスロットルに挑戦するだけでもいいかもしれないが、マカオらしいカジノを楽しむならホテルを厳選するか、カジノハシゴをすることになる。
「リスボア」は、マカオといえばリスボアといわれるほどの老舗カジノ。初心者からギャンブラーまで、レベルに合わせて安心して遊べる環境が整っている。
香港人や中国人が真剣に勝負を挑んでいるのが「グランド・エンペラー」。金の延べ棒が敷き詰められた床は一見の価値あり。
「ザ・サンズ」や「ザ・ベネチアン」は、ラスベガス資本の新しいカジノ。ギャンブルだけでなく、キャバレーショーや最新の設備が自慢。
そのほか、有名映画の撮影で使われたカジノや、食事が美味しいカジノ、スタッフに美人が多いカジノなど取り柄はさまざまなので、カジノハシゴの楽しみも幅広い。
ビーチリゾートとしてのマカオ
マカオが半島と島からできている以上、ビーチもあって当たり前。
マカオでもっとも有名なビーチは「ハクサビーチ」。日本語的には白い砂のビーチをイメージするが、黒い砂のという意味を持つビーチだ。
公営の無料ビーチだが、更衣室やシャワーも完備。マカオ中心地のホテルに宿泊していても、足を伸ばすことができる距離にある。
もちろん、ホステルやホテルもある。中には、プールやスパが付属する本格派リゾートホテルもあり、カジノで一攫千金の夢を叶えた際には是非豪遊したい。
アジアンテイストマカオ
マカオが中国に返還されてまだ日が浅いが、もともとポルトガルの影響よりも中国の影響が濃かったこともあり、マカオには中国カラーも色濃く根付いている。
それは、街を歩いていても感じられるが、街角にある小さなレストランなどではさらに強く味わうことができる。香港などで見かけるような麺・粥などの店が多くあり、安くて美味しい中国の味を楽しむことができる。
また、ポルトガル料理ももちろんある。しかしこちらは、アジア各地の料理と絶妙に融合した「マカオ料理」化している。新鮮な魚介を使用したポルトガル風料理もあれば、西洋と東洋が混じり合った結果、どこにもない不思議な料理も出来上がっている。
ホテルなどでは、豪華な西洋料理や中華料理、そして日本料理などが味わえるが、マカオでしか味わえないアジアンな味も是非試してみたい。
モータースポーツのマカオ
マカオといわれて「F1」を思い出す人もいるだろう。年に1度、マカオの市街地はサーキットへと変身する。
この日のために、何年も前からホテルを予約する人も多く、逆にギャンブル目当ての客はレース前後には減るという。
日本にもF1戦を行うサーキットはあるが、市街地レースはマカオがもっとも近い。日本人カーレースファンにとっては見逃せないイベントだ。
マカオへのアクセス
マカオへは日本から定期便が飛ぶようになり便利になっている。マカオだけで過ごす場合は直行便利用がおすすめ。
ただし、香港との組み合わせツアーも多く、カジノだけでなく観光もというタイプは香港経由もおすすめしたい。香港・マカオ間は高速フェリーで1時間。24時間・15分~30分間隔で出港している。
また、マカオの港から主要なホテルまでは無料シャトルバスがある。
最後に
マカオは今、日本の最も近くにある合法カジノ都市だ。
ギャンブル狂でなくても、宝くじを買う感覚で訪れることができる距離に、航空券の安さも手伝い、人気急上昇中だ。
マカオは返還後急激に変化を遂げ、より観光面でも楽しめる街づくりが進んでいる。男同士でギャンブル三昧、カップルでショッピングとスリル、家族で観光と、いろいろな形で楽しめる場所となった。
そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。