オランジュリー美術館に行ってみた感想と写真集

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Orangerie

モネの遺志を形にしたサンルーム~オランジュリー美術館

ミュージアムチケットを使いこなすのが大変なほど、美術館の多さが嬉しいパリ。その中で、ひときわ小さいにもかかわらず人気を集めているのが、「オランジュリー美術館」だ。

世界でも、行ってみたいお気に入りの美術館として名をあげられることの多い理由は、クロード・モネによる「睡蓮」の展示の素晴らしさにあるだろう。

パリにおける位置づけ

Orangerie3

パリは、ルーブル・オルセー・国立近代美術館の三大美術館、ピカソ美術館ギュスターブモロー美術館等々、数多くの美術館があることで有名。さすが芸術のパリ。

その中で、オランジュリー美術館は、印象派とポスト印象派の絵画を展示する美術館として1927年にオープンした。

噴水とオベリスクが目印のコンコルド広場隣、チュイルリー公園の中に位置し、セーヌ川のほとりに建っている。コンコルド公園口、シャンゼリゼ通り口など、入口が複数あるが、チュイルリー公園自体がさほど大きくないので、どの入り口からも、庭園を散歩している気分で少し歩く程度だ。

ルーブルやオルセーからは歩いてアプローチができるため、美術館をはしごするのにちょうどいい。

「睡蓮」のために作られたオランジュリー

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光にあふれる小振りな美術館の元の姿は、1852年にナポレオン3世が建てたオレンジ栽培用の温室(オランジュリー)だったという。何より太陽光をいっぱい取り入れた作りが、モネの希望する「睡蓮」の展示に適していたために、美術館に改造された。

オランジュリーを代表する作品である「睡蓮」は、クロード・モネの最後にして最大の作品である。

家族を相次いで失ったクロード・モネが、人生最後に計画したのが、「睡蓮」の壁画で四方を飾った美術館を設立すること。そのために、死去する直前まで、8連作もの睡蓮画を描き続けた。

国への寄贈を提案していたモネの遺志を受け、明るい日射しに輝く水辺の睡蓮をほうふつとさせる空間が作られたわけだ。

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「睡蓮」のために改装されたオランジュリー

モネの死後数カ月を経た1927年のオープン時には、ガラス天井に布の覆いがかけられ、優しい光が差し込む明るい美術館だったという。

しかし、1960年代に、増加する所蔵品の展示スペース拡大のために2階建てにされたことで、睡蓮の間には自然光が届かなくなってしまった。その失敗を修復するため、2000年から6年かけて大改造が行われた。

再オープンしたオランジュリー美術館は、60年代に行われた改造痕を取り去り、モネの遺志を取り入れた自然光のある睡蓮の間を作ることを最大の目的とした。そして、さらに地下に広々とした展示室が設けられ、より多くの所蔵品が展示されるようになった。

2000年からの改装では、地下を掘り進めていたところ16世紀の遺跡が発見されたことから、調査のために工事が一時中断するなど、予定以上の年数がかかってしまった。

クロード・モネの思惑

Corridor

モネの「睡蓮の間」へと続く廊下には、8連作が完成するまでの歴史が紹介されている。

晩年、家族を相次いで失い、自らの画家としての命運を握る視力をも失う危機状態にあったモネは、「光」に執着した作品を遺している。

「睡蓮」は世界中に多くの作品が展示されているが、そのどれもが、自然光を受けることで浮き出る明暗を表現しているといわれる。

現在のオランジュリーは、モネが希望した通り、楕円形のガラス天井から自然光が入り、優雅なカーブを描く壁全面に睡蓮が咲き乱れる空間を作り出している。

小さなオランジュリー美術館が、世界中のファンを引き付けるのは、偉大な絵画が正しい方法で展示されているところにも理由があるようだ。

気持ちのよい展示室のベンチには、腰を据えて壁の睡蓮を見つめる観賞者の姿も多い。

パリ郊外のジヴェルニーにあるモネの愛した庭を訪ねると、壁に描かれた絵と同じ光景を今も見ることができる。

主な収蔵品たち

Cezanne

オランジュリーには、モネ、セザンヌ、ルノワール、ピカソ、マティス、モディリアーニ、ゴーギャン、シスレーなど、印象派とポスト印象派の画家の作品が数多く所蔵・展示されている。

これらの多くは、ジャン・ヴァルテールとポール・ギヨームのコレクションと呼ばれ、天才画商とその妻ら3人が収集し、国へと寄付された。気に入ったものは、国も年代も問わずに買い集めたといわれるその作品数は144点に上り、有名画家による有名作品が多く含まれている。

以前は、所蔵しているものの、十分な展示スペースがなかったが、現在は、改装によって作られた地下でゆったりと楽しめるようになった。

ミュージアムパスの価値

パリには「ミュージアムパス」という便利なチケットがある。美術館・博物館に加え、歴史的建造物などの入場がフリーとなるチケットだ。

このパスを持っていれば、混雑することの多い各所のチケット売り場にも、入場口にもほとんど並ぶ必要がなく、スイスイト入場可能。もちろん出入りは何度でもできる。

2日・4日・6日の2種類があり、連続した期間中は、約60の美術館などに入場ができる。

ただし、パスは一度スタート日を記載すると、そこから連続した期間内しか使用できない。また、パスの料金は一律で、子どもやシニアの料金設定はない。しかし、12歳未満または18歳未満で入場が半額もしくは無料の場所も多い。

1、2カ所しか見学予定がない場合や、18歳未満の場合、また、滞在中に美術館の閉館日が含まれている場合などに注意が必要だ。

日本国内でもメール便などを使って出発前に買っておくことができる。現地に着いて、使い始める時に日時を書き込むようになっている。もちろん現地でも購入は可能、パリ市内のインフォーメーションや大きな美術館などで購入できる。

安いものではないが、複数個所を見学するなら十分に元は取れる。

周辺スポットと食事など

Place de la Concorde

すぐ隣のコンコルド広場は、18世紀に設計されたもので、エジプトのルクソール宮殿からはるばる運ばれてきたオベリスクが目印だ。フランス革命中にはルイ16世やマリー・アントワネットの処刑地となった。

17~19世紀に宮殿として使われていたチュイルリー宮殿の庭園であるチュイルリー公園は、オランジュリー美術館を内側に含む。パリコミューン時に焼失したほかの王宮たちが再建されたにも関わらず、チュイルリー宮殿は撤去され、残っていた外壁さえも解体されてしまったため、現在は庭園のみが残っている、

緑の美しい公園の中には観覧車があり、パリ市民の憩いの場となっている。現在、チュイルリー宮殿の再建計画が進められていて、約3億ユーロといわれる費用は民間からの寄付で賄われる予定とされている。

再建されれば、ルーブルなどから、展示しきれずにいる所蔵品の一部が移されて美術館としても活用される予定だという。

オランジュリー美術館内に飲食の設備はない。チュイルリー公園またはコンコルド公園内の売店などを使い、外で食べるか、街へ戻ることになる。

改装後の地下には、美術本のショップやギフトショップもできている。睡蓮関連グッズが多数あり、センスもよいのでおすすめだ。

見学方法と注意事項

オランジュリー美術館は、午前中を団体のみの入場制限しているため、一般見学者は、午後からしか入場できない。閉館は夕方6~7時ころ、金曜だけは夜間開放を行っている。時間は変更されるので、確認してから予定を組もう。

また、パリ市内どこの観光施設も共通だが、閉館時間の1時間ほど前から閉館準備が始まる。トイレなどは真っ先にクローズされるので注意。また、ギリギリの時間に入場すると、追いたてられて、ゆっくりと観賞できない。

あまり混雑しないが、入場の際にはセキュリティチェックがあるために、多少の列ができることがある。

入り口でオーディオガイドが借りられる。日本語もあり、他の大きな美術館に比べると展示数が少なく、細かく丁寧なガイドとなっているのでおすすめだ。

最後に

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ルーブルなどを訪れた後で、大規模な美術館を見慣れていると、あまりに小さい姿に「これが?」と疑問がわきそうなオランジュリー美術館。

一歩入れば、世界でもおすすめ口コミ数が多い美術館である理由が分かる。改装されたためもあるが、とにかく明るく居心地のよい空間が作り出されているのだ。

また、画家であるモネが、自分の作品のピッタリな空間を求めたその通りの姿を再現した睡蓮の間では、壁に塗りこまれた自然の美しさにうっとりと心を奪われ、画商たちのコレクションからは、彼らの先見の明やセンス、そして収集欲の激しさに圧倒される。

まるで私設美術館のような居心地の良さと芸術に対する執念のようなものを感じられる場所だ。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

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