海外のユースホテル・ユースホステルの上手な使い方マニュアル

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ユースホステルとは

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バックパッカーが利用する宿泊先としては、ユースホステルも人気です。
安価に泊まることのできる宿という点ではゲストハウスと同じですが、ユースホステルの場合は世界規模での共通システムを敷いている点が異なります。

独自の観光案内や体験プログラムなどを実施しているユースホステルも多く、滞在中のちょっとした空き時間にも退屈することはありません。
いわばユースホステルは、格安で個人旅行をしようとする人々を支援してくれる世界的組織なのだといえるでしょう。

世界80か国に約5500施設があり、そのうち60%ほどがヨーロッパに位置しています。ヨーロッパをメインとするバックパックの旅では、必ずや旅行者の強い味方となってくれることでしょう。
また、必ずしも設備が簡素というわけではなく、歴史的な建造物や豪華邸宅がユースホステルとして利用されていることも多々あります。旅に意外な驚きと彩りとを与えてくれることもあるでしょう。

ユースホステルの歴史

ユースホステルのユース(=youth)とは、「若者」「青春」といった意味の英語です。このことからもわかるように、もともとは、青少年の旅のために作られたものでした(現在はごく一部施設を除いて誰でも何歳でも利用が可能です)。

ユースホステルというシステムの提唱者は、ドイツの小学校教師だったリヒャルト・シルマンという人物です。
シルマンは児童を連れて移動教室を盛んにおこなっていたことでも知られますが、しかし、この試みにはひとつだけネックがありました。宿泊場所の確保が毎回難しかったのです。大勢を引率するとなると旅館やホテルでは高くつきますし、といって子供を預かる立場である以上、野宿というわけにもいきません。
そこで、青少年が安全かつ安価に泊まれる場所を作れないものかと考えたわけです。

世界最初のユースホステルができたのは1912年のことでした。古城・アルテナ城内に宿泊施設を設けたのです。このユースホステルは現在も現役で、その歴史に気軽に触れることができます。

その後もシルマンは、ユースホステルの思想を世界規模に広げるべく、各方面に働きかけを続けてきました。2度の世界大戦やハイパーインフレの影響などで、シルマンの計画は何度も暗礁に乗りかけましたが、それでも再起をあきらめることはしませんでした。何度も挑戦を続け、ついに世界中にユースホステルのネットワークを張り巡らせることに成功したのです。

この日本でも、1951年に日本ユースホステル協会が設立されています。1970年代の最盛期には500以上のユースホステルと60万人以上の会員が存在していました。
現在はかつてほどの賑わいは見せていませんが、それでも国内に250ほどのユースホステルが存在しています。

ユースホステルの特徴・システム

ユースホステルの最大の特徴は、会員制を敷いている点です。
この会員システムは世界共通なので、日本で会員になっておけば、世界中のどこのユースホステルでも会員料金で宿泊することが可能です。

日本の場合、非会員の利用にはビジター料として別途600円が加算されますから、頻繁に利用する予定があれば会員になっておくことが望ましいでしょう。また、国によっては会員以外の宿泊を認めていないこともあります。バックパッカーとしては是非ユースホステル会員になっておきたいところです。

ユースホステルのシステムや料金は必ずしも一律ではありませんが、それぞれのユースホステルが加盟する協会のもと、一定の基準が設けられているため安心して利用することができます。
基本的には男女別の相部屋となっており、寝具の準備や清掃などはセルフサービスです。シャワーやトイレも共有です。この点だけをみると、いかにも安宿といったふうに思えるかもしれませんが、サービスの充実面ではほかの安宿とは一線を画しています。

ゲストハウスとの大きな違いとしては、食事が提供される施設の多さを挙げることができます。世界的に見ると、基本の宿泊料金に朝食代が含まれている施設が多数派となっています(ただし、日本国内では別料金となっている場合がほとんどです)。別途、夕食をつけることが可能な施設も少なくありません。

オプションプログラムも豊富であるため、その地ならではの貴重な体験をすることもできるでしょう。これも一般的なツアーなどと比べればかなり安価です。

また、上でも述べたとおり、施設そのものは必ずしも簡素なものとはかぎりません。海外では帆船や刑務所跡がユースホステルとして活用されていることもあります。日本国内でも、旅館やホテルが館内の一部をユースホステルとして提供していたり、寺院の宿坊が提供されていたりなどバラエティーは豊かです。
どのようなところに泊まれるのかも旅の楽しみのひとつとなるでしょう。

料金面に目をやると、海外では一泊朝食つきで日本円にして3000円前後という施設が大半です。日本国内でも、素泊まりで3000前後といったところが多くなっています。

宿泊客同士のコミュニケーションの楽しみ

バックパッカーの旅の醍醐味は一期一会の出会いです。もちろんユースホステルにおいても、ほかの旅行者たちとの交流を楽しむことができます。

たとえば、古くから日本のユースホステルでは、「ミーティング」という特有の行事が見られました。かつては、夕食後にすべての宿泊者の参加が義務づけられており、歌や踊りなどを通じて交流を深める目的がありました。
ほか、ティータイムと称して情報交換や雑談をするなど、ユースホステルならではの出会いが期待できます。

現在では利用者のニーズが多様化したこともあり、ミーティングを設けていない施設もありますが、談話室に自由に集まって雑談の場が生まれることも多いです。

海外のユースホステルではミーティングに相当する行事はありませんが、各種オプションプログラムを通じて出会いを広げることが可能です。

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ユースホステルの現在

かつては、バックパッカーの宿泊先としてはユースホステルが第一に挙がっていた時代もありました。
しかしながら、近年は価格帯的に競合する宿泊施設も多く登場しているため、ユースホステルの優位性は薄らいでいます。

単純に価格だけを比較するのであれば、年会費の負担がない分、ゲストハウスや素泊まりの民宿などのほうが安く済むケースが多いのです。
また、ビジネスホテルの低料金化も進んでいるため、ユースホステルよりも遥かに便利な設備の部屋に同程度の料金で宿泊できる場合もあるでしょう。

そのため、ユースホステルのありかたも昔とは変わってきました。
たとえば、かつては飲酒が禁止されていたり、皿洗いの義務が課されていたりなど、厳しい規則をもつ施設がほとんでした。しかし現在では利用者の裾野を広げるため、規則は大幅に緩和されており、リラックスして過ごすことのできるユースホステルが増えています。ミーティングを廃止している施設が多いのも同じ理由によるものです。

ただ、ユースホステルならではの楽しみかたを味わいたいのであれば、積極的にほかの利用者とコミュニケーションを図るのもよいでしょう。そうでなければ、この時代にわざわざユースホステルを選ぶ理由はあまりありません。他人に干渉されるのが苦手な人は、ほかの宿泊施設を選ぶほうが良いかもしれませんね。

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