リビア レプティス・マグナ の遺跡全部行ってみた。

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LeptisMagna

1000年の眠りから目覚めたローマ都市~レプティス・マグナ/リビア・アルクムス市

リビアの首都であるトリポリから130kmほど東に位置する、ローマにも劣らないとされる古代都市遺跡が「レプティス・マグナ」だ。

ローマ帝国の一都市だっただけでなく、アフリカ出身としては初めてのローマ皇帝セプティミウスの出身地として、彼の治世にはまさに「マグナ(偉大な)」都市として栄えた。

現在のレプティス・マグナは、そんな絶頂期の様子を想像させる保存状態の良い遺跡都市として世界遺産にも登録されている。

レプティス・マグナ創生期

紀元前1100年頃から成り立っていたとされる非常に古い歴史を持つが、その頃は名もない村にすぎなかったようだ。

紀元前4世紀頃には都市「レプティス」として知られるようになり、カルタゴや共和制・帝政ローマの領地となって、主要交易拠点として発展していった。特に北アフリカ属州としては群を抜いた存在だったようだ。

レプティス・マグナ全盛期

レプティス・マグナが全盛期を迎えるのは、アフリカ初のローマ皇帝セプティミウスの治世である2世紀後半以降となる。皇帝はレプティス・マグナに特別な財を投入して都市計画を勧め、カルタゴ、アレクサンドリアに並ぶ大都市にまで発展していった。

しかし、ローマ動乱の時期を迎えてレプティスもまた衰えていき、侵略者ヴァンダル族やベルベル人による略奪で町は再びかつての繁栄を取り戻すことはできなかった。

レプティス・マグナはこうして、歴史上から徐々に姿を消していってしまったのだ。

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砂に埋もれた1000年

レプティス・マグナは地形的に砂漠を背に追っていたため、人による整備が行われなくなるや否やどんどんと砂に埋もれていってしまったらしい。

1921年になって、砂に埋もれて1000年以上を経て発見されたレプティス・マグナの町は、地中海沿岸だけでなく、ヨーロッパ各地に点在するどのローマ遺跡よりも保存状態のよい町のミイラ状態で発見されたのだ。

現在も発掘調査が細々ながら続いているレプティス・マグナは、その30%程度しか姿を現わしてはいないといわれている。

発見されたレプティス・マグナ

公共広場・スタンドも楽屋もしっかり残ったメドゥーサが睨みをきかせる円形劇場・円形闘技場・数百隻の船が係留可能な港湾施設・公共ローマ風呂などが驚くほど往時の姿を残した状態で発見されたことから、考古学界に大きな波紋を起こした。

3000年以上前から人が暮らし、発展と侵略・略奪の歴史を経た町は、1000年の眠りから覚め、今再び人の目にさらされている。

街全体が砂に埋もれているため、発掘調査はなかなか進まず、復元作業や観光のための整備も順調とはいえない。情勢の影響もあるとはいえ、観光客も驚くほど少ない。

世界遺産に登録され、今後の発掘や復元が待ち遠しい地域だが、リビアの情勢次第では今度こそ破壊しつくされてしまい、砂にかえってしまうのではないかとの危惧もある。

凱旋門

L'arc de triomphe

ローマ皇帝セプティミウスを記念して造られた大門であり、レプティス・マグナ中心へと続く大通りの入り口になる。2本の大通りの交差点にあたり4方から進入できる構造になっている。

保存状態も修復状況も極めてよく、柱から天井にまで施された繊細な彫刻もはっきりと目にすることができる。

公共広場

Leptis Magna

面積8000平方メートルという広さを持つ公共広場は、周囲をぐるりと回廊で囲まれ、北側には商店街、南側には神殿を持つ。

商店街では、主に高級品が扱われていたと考えられている。現代のショッピングモールのようなものだったのかもしれない。雑多な市場はまた別の場所にあったのだろう。

列柱回廊

広場を囲む壁でもある回廊はほぼ完全な形で修復されていて、広場をしっかりと守っていたことが伝わってくる。

巨大な列柱が今も空に向かってそびえ並んでいる回廊には、特徴的な装飾がある。それがメドゥーサの顔だ。

さまざまな表情をしたメドゥーサが回廊の上部に埋め込まれているのだ。現時点で修復されて元の位置にはめ込まれたものはごく一部だという。フォーラム周辺にはゴロゴロとメドゥーサが転がっているのだ。

メドゥーサは、広場を外敵から守る魔除けとして飾られていたらしい。

ハドリアヌスのローマ風呂

baths

白い列柱に囲まれた長方形の池が当時のローマ風呂。風呂というよりはプールそれも競泳用の長いプールほどのサイズだ。今はタダの池となり、青空に浮かぶ雲をくっきりと映している。

これだけの風呂を沸かすための施設である脱衣所、休憩所、ジムなども、一部はその構造が分かる程度に残っていて興味深い。

ローマ時代の人々の風呂好きはこれだけにとどまらず、海の見える露天風呂や豪華な個人風呂なども発見されているという。

公共水洗トイレ跡

Publicflushtoilet

ローマといえば風呂、そして水洗トイレ。

ここレプティス・マグナにも上下水道は行き通っていたらしく、公共水洗トイレはなんと石の便座に大きな鍵穴のような穴をくりぬいたもの。横一列に10人以上が並んで用足しできるようになっている。隣とは新聞や雑誌のやり取りができそうな距離感。もちろん壁もドアもなく、とってもオープン。

彼らにとってトイレタイムはただの排泄タイムではなく、入浴と同じくコミュニケーションのための場であり時間でもあったのだろう。

便座部分の下は水が流れ続けて下水となり、座った目の前には手を洗ったりお尻を洗ったりするための上水道が流されているという完璧なる設備となっている。

円形劇場

Amphitheater

ローマ劇場とも呼ばれる円形のシアターは、ローマ帝国がその権力を伸ばした各地に作られ、今も遺跡として残されているが、レプティス・マグナの円形劇場はスタンド上部まで客席が残り、最上部からは今も海を臨むことができる。

さらにシアター側は、3階建ての楽屋部分まで修復されている。内部には劇中の場面などがレリーフとして残されている。

円形闘技場

回廊に囲まれた広いスペースは闘技場として利用されていたと考えられている。スポーツ競技はローマ帝国の市民にとって必須。参加して楽しみ、観戦して楽しむものでもあった。

広々とした回廊は、選手たちだけでなく、若者たちが朝に夕に汗を流しながら走っていたのだろう。

公会堂(バシリカ)

Basilica

政治的な集会が開かれていただろう公会堂には、柱が整然と並んでいる。高い壁の一部やレリーフで飾られた大理石などが残っているものの、足元は瓦礫の山。これらの石の塊をパズルのようにあるべき場所へと戻すにはどれだけの調査と時間が必要なのだろうか。

現在進行中の発掘と発見

近年になっても新しい発見は続いている。

複雑なモザイクを施した廊下を持つ屋敷跡などは、その保存状態の良さから人気となっている。

また、新たなレリーフや像の発見に際しては盗難を恐れて、発見されてもすぐには発表されず、再び砂に埋めてしまうこともあるらしい。

博物館

遺跡入り口にある小さな博物館は、その開館時間が一定でないため、見逃してしまうことが多い。どうやら、予約をするか直接あたって開けてもらわなければ見ることができないらしい。

規模は小さいものの、遺跡内で発見された陶器やレリーフなど、小ぶりで貴重で保存状態のいいものが集められているので、チャンスがあれば見逃さずに見学してきたい。

最後に

政治的に不安定な状況が続き、武力による内乱も勃発しているリビア。もとよりビザなどが取りにくく訪れにくい国だったが、現在は安全面からも不安のある地域となっている。

攻撃を受けていたり混乱しているのは、主に都市部や工業地帯だが、現在は遺跡と砂漠しかないレプティス・マグナもいつ破壊対象とされるか分からない危険をはらんでいる。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか?あなたの旅の話を聞かせてください。

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