あのスターが踏みしめたレッドカーペットで記念撮影しよう!「ベルリン国際映画祭」(Berlinale)/ドイツ・ベルリン
雨後の竹の子のように、世界中で村おこしイベントといえば「映画祭」と相場が決まりつつあるのか、映画祭の数はどんどん増えています。
どの映画祭もそれなりのこだわりを持ってはいますが、やっぱりネームバリューでも、扱う作品の多さや人気でも世界三大映画祭は別格です。
そんな三大映画祭の中でもスターとの距離が近く、一般向けの上映数が多く、街角でスターに遭遇する可能性が高いといわれているのがベルリン国際映画祭です。
ベルリン国際映画祭の特徴
現地で「ベルリナーレ」と呼ばれる映画祭は、金熊賞という赤い熊がトレードマークの最高賞をはじめとして公式6部門、非公式複数部門の幅広い分野の映画を扱うことで知られています。
この映画祭を訪れる人は40万人以上ととんでもない数ですが、上映される映画の数も400本余りとかなりの多さ。そのため、一般人でもチケットをゲットできる可能性が高いのです。
国際映画祭と聞いても、ニュースや芸能雑誌で結果を知るものだと思いがちですが、ベルリン国際映画祭は自分の足で出かけて行って実際に映画を観ることのできるイベントなのです。
ベルリン国際映画祭の開催会場・開催日
メインの開催会場となるのはポツダム広場のベルリナーレパラストです。それ以外にもベルリン市内の映画館、劇場など10か所以上が使用されます。
どの会場でどの映画がいつ上映されるかは、ひと月ほど前に発表されます。また詳細はメイン会場に置かれる映画祭のパンフレットで調べましょう。
開催日は毎年2月。期間は10日間前後です。
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ベルリン国際映画祭の歴史
1951年がスタートで、当時東サイドに含まれていたベルリンの一部に対して、西側文化を伝えたいという政治的なメッセージ性を持つイベントとして開催されました。
映画祭の内容は、当初は西側色が強調されていたため、時にはハリウッド作品が中心となるような偏りも見られましたが、徐々にロシア作品をはじめとした東側作品、アジア作品など、メジャー路線以外のものも集める方向へと移行してきました。
現在は、同じく世界三大映画祭の「カンヌ」「ヴェネツィア」と比較して、来場者数ではダントツ、また、部門別の作品賞が充実していること、新人の発掘に力を入れていることで差別化をはかり、また、一般人向けの上映が多い、市民参加型映画祭としての色合いも濃く成長しています。
ベルリン国際映画祭のイベント
映画祭中は映画だけでなく、関係者のトークショーなどのイベント、映画に関連したポスターなどの展示なども行われています。
特にトークショーや講演会は、抽選やチケット争奪戦に勝ち抜くことができれば、まるでハリウッドのトークショーに参加しているような親密な雰囲気の中で映画界の裏話を聞けたりもします。
ただ、最低限聞き取ることのできる英語力がないと楽しみきれないでしょう。
ベルリン国際映画祭の食べ物
メイン会場のすぐ近くに屋台村が作られます。各国料理や地ビールなどが手頃な価格で売られているほか、おしのびらしい映画関係者の姿もちらほら。
また、市内の有名レストランには、映画関係者たちも食事に訪れます。映画祭開催中は、市内の有名レストランも混み合いますが、せっせと出かけてあちこちの店を覗いてみることをおすすめします。
運が良ければあのスターが隣のテーブルに! なんてこともあり得ます。
ベルリン国際映画祭の記念品
王道としては、映画祭のチケットやパンフが立派な記念品となるはずです。
そのほかにも、映画祭の会場には公式ショップがあり、目に映るもの手に取るものすべてが欲しくなるような品揃えです。
公式スポンサーの製品は映画祭限定のものも多く、ファンにとってはプレミアもの。また映画祭のマスコット熊のキーホルダーなどのばらまき系お土産もたくさん売られています。
用意するもの
チケット。映画祭の授賞式などは一般人が入るのは難しいものの、参加作品の上映はすべての人に開放されています。チケットの購入も、一部の大人気作品以外はそれほど難しくありません。
ネットでも取れるほか、当日早めに行っても空きのある作品も少なくありません。ただ、ほとんどの作品・チケットは自由席なので、たとえチケットを持っていても、早めに行くのがおすすめです。
コンペティション作品などの人気が集まる映画は、満席と発表されていても、最終日の直前にキープされていた席が開放されることがあります。諦めずに現地かウェブでチェックし続けましょう。
後は、町をブラブラしている時に、同じくブラブラしていたり、撮影をしていたりするセレブたちに遭遇する確率もかなり高くなります。カメラの準備をお忘れなく。
参加できること
映画のチケットをゲットして会場に足を踏み入れる時、なんとあの「レッドカーペット」を踏みしめることができます。
セレブたち専用にその日その時間だけ敷くわけではなく、常に敷きっぱなしなのは、ちょっと嬉しいような残念なような気もします。でも、ちょっとキレイな格好をしてレッドカーペット上でポーズを決めた写真を撮っておけば、気持ちが高まるだけでなく、「ベルリン国際映画祭に参加してるよ!」感はかなり高まること間違いなしです。
一番の見どころ
映画の上映前に監督や俳優陣が幕前に立ち並んで、挨拶をしてくれるところでしょう。
日本でも映画の公開前のプレミエでは舞台挨拶がありますが、あれこそ簡単にはチケットを手に入れることができません。それが、ベルリン国際映画祭で、ちょっと頑張ってチケットを取るだけで目にすることができるのです。
また、映画前に挨拶に現れるということは、会場に出入りしているということでもあります。運が良ければ、実際にレッドカーペットを歩く有名人たちの姿を目にすることができる可能性も高いのです。もちろん、有名度に見合った警備がしかれ、握手ができるほど近づけることはあまりありませんが、スクリーンでしか会えないはずの俳優たち監督たちの生姿には大興奮です。
まとめとして
ベルリン国際映画祭では社会問題を扱った作品も多く取り上げられています。そんな関係があるのかどうか、会場近くに設営される屋台村には移民たちの受け皿となった店がたくさん出ていました。
映画祭の狙いはもちろん映画を評価することにありますが、映画が世界に与える影響の大きさを考えると、映画祭もまたただの娯楽の場としての役割だけを果たしているわけではないのかもしれません。
ベルリンの町は、ここ数年で大きくその雰囲気が変わってきたともいわれていますが、旅行者としても旅をしやすい安全な方向に向かってほしいもの。
この映画祭そのものと、映画祭に興味を持って訪れる人とが今起きている変化をプラスへと向かわせる一つの原動力になっていける可能性もありそうです。
ベルリンを訪れたいと考えているなら、そして映画が好きなら、もしもお気に入りの監督や俳優がいるなら、ベルリン国際映画祭が開催されている時期を選んでみると、普段とは違ったベルリンを味わうことができるでしょう。