ロライマ山に行ってみた。太古の生物・植物との出会い

MonteRoraima

失われた世界を運ぶ偉大なる陸の軍艦~ロライマ山/ベネズエラ・ガイアナ・ブラジル

先住民の間に伝わる伝承では、「巨大な木の切り株」ともいわれるテーブルマウンテン。それが、ロライマ山である。

果物や野菜がたわわに実る巨木だったロライマ山を彼らの先祖が切り倒したところ、幹からあふれた水が洪水を起こし、果物も野菜も集落も全てを流し去ってしまったのだという。

ギアナ高地一帯には、まるで切り株のようにすっぱりとした断面を頂上に持つテーブルマウンテンが点在している。その中でもロライマ山は、その登りやすさと山頂周辺にいくつかの見どころが集中していることから、人気が高くなっている。

ギアナ高地の中のロライマ山

Mount-Roraima-wallpaper

「ロライマ」とは、現地の言葉で「偉大な」という意味だという。

「ロライマ山」は、ベネズエラにある「カナイマ国立公園」の中にある標高2810メートルの「偉大な」テーブルマウンテン。周囲は標高1000メートル前後の「ギアナ高地」。ロライマ山頂は、標高1000メートル地点に広がる草原から約1000メートル分の標高差のあるジャングルを抜け、さらに約1000メートルの切り立った壁を登ってようやく到達することができる。

また、「ギアナ高地」は、ベネズエラ・ガイアナ・ブラジルにまたがっていて、3国境はロライマ山頂にあり、「トリプルポイント」と呼ばれている。

テプイとは何か

「カナイマ国立公園」内には、大小複数のテーブルマウンテンが点在している。テーブルマウンテンとは、その名の通りテーブルのように平らな頂上部とほぼ直角に切り立った側面を持つ山や岩のことで、世界各地で見ることができる。

ここで見られる多くのテーブルマウンテンは、現地の人々から「テプイ」と呼ばれている。テプイとは山よりは小さく丘よりは大きな台地を意味するらしい。

しかし、「ロライマ山」と「クケナン山」の2つは、「テプイ」ではなく「山」である。先住民の間に残る宗教的な理由から、分けて呼ばれているとの説もあるが、この地の文化はその自然同様にまだまだ未知の状態だ。

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地球最古の岩盤

この特殊な自然造形物が誕生し残っている理由は、宗教的・呪術的な言い伝えもあるが、学術的には、ギアナ高地そのものが世界最古の地殻の一つであり、現在のロライマ山を形成している「層」は今から18億年前に1億年かけて堆積した湖内の沈殿物の塊だという。

16億年前に湖ごと隆起を始めた「ローライマ層」はそのまま陸地となって現在に至っているのだそうだ。

ゴンドワナ大陸

当時の地球は「ゴンドワナ大陸」と呼ばれる1つの巨大な大陸だったと考えられている。しかし、地球は地殻変動を起こし、大陸の分裂や合体を繰り返していく。

そんな中、ギアナ高地は地殻変動の中心であったために移動することも分裂することも陥没することもなく、そのままの姿を留めたのだ。

今そこに見ることのできる「ロライマ山」は、16億年前の姿を徐々に風化させてはいても、ほとんどそのまま残しているということだ。

水晶の谷

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山頂付近にある見渡す限り水晶で埋もれているエリアは、ロライマ山観光の一つの目玉スポットといえる。

世界各地に水晶の洞窟や川などが存在しているが、ここほど野ざらしに雑然と、そしてゴロゴロと水晶だらけの場所はほかにない。

水晶の上をザクザクと登山靴で歩き回り、両手いっぱいの水晶を抱えて写真撮影したりと、ちょっとした冒険家気分を味わえる。

しかし、一かけらたりとも持ち帰ることは許されない。麓の村や空港などで厳重なチェックを受けることになっているので、あくまで目の保養として楽しもう。

エンジェル・フォール

AngelFall

今もその切り株から樹液を流し続けている「ロライマ山」。

「エンジェル・フォール」と呼ばれる滝は、東京タワーに並ぶ高さを流れ落ちている。

ロライマ山登山の途中なら、滝のかなり近くまで接近することも可能だ。しかし、ヘリで上空から眺める場合には、ヘリそのものの遊覧が天候の影響を受けやすいこと、滝そのものも天候次第では視界から消えてしまうことから、目撃できる確率はフィフティ・フィフティといったところだ。

また、テーブルマウンテンの構造上、頂上付近で雨が降ると、あっという間に水量が増えて危険となる。雨季はもちろん、それ以外の時期も空模様のチェックは欠かせない。

ホテルとジャグジー

Jacuzzi

「ホテル」と「ジャグジー」は、リゾート気分の旅ならあって当たり前かもしれないが、ロライマ山で味わうそれはかなり原始的だ。

「ホテル」とは、頂上にある岩が天井のように張り出したテント設営地のこと。そしてジャグジーとは、水たまりのこと。深さや水のきれいさはちょうどいいが、その水温の低さはジャグジーには程遠いもの。しかし、ジャグジーの底に敷き詰められた水晶を思えば、豪華なジャグジーと言えなくもないか。

ロライマの魔法

熱帯性の気候の影響か、その地形のせいか、10分と同じ天気を保てないといわれるその変わりやすい空模様は、ロライマ山が近づく者を拒んで起こしている魔法だともいわれている。

頂上付近で一夜を過ごすと、不思議な夢を見て、夢遊病のようにテントから出ようとする人もいるという。これもロライマ山の魔法だ。

水晶をザクザクと湧き出している川も、水煙の中で見え隠れするエンジェル・フォールも、そして下界では見かけない植物や生物たちも全て魔法による産物。

そんな噂も思わず信じてしまいそうな、不思議さを確かにロライマ山は持っている。

太古の生物・植物との出会い

高低差が激しいとはいえ、平均して温かく雨量も多いロライマ山では、可憐な高山植物を多く見かける。

しかし、よく観察してみるとその多くが食虫植物の仲間。それもこの地にしか存在しないものが大半だという。

そのため、ロライマ山を訪れるのは、地質学者より歴史学者よりも生物学者や植物学者が多いのだそうだ。

また、オタマジャクシの過程を飛び越えてカエルとして孵化する不思議なカエルの存在が知られていて、ロライマ山が古代から孤立した存在だったことの証明として注目されている。

日本からのアプローチ

日本からは地球の真裏に位置する。多くのツアーはアメリカの主要都市を経由してベネズエラの首都「カラカス」へ、そこから国内便で「プエルト・オルダス」へと飛ぶ。

「プエルト・オルダス」からは主に陸路を車で移動するのが一般的だ。

現地からロライマ山へのアプローチ

ロライマ山の麓はアマゾン顔負けのジャングルになっているため、出発地点は少し離れた地点になることが多い。

ロライマ山トレッキングの拠点となるのが「パライ・テプイ」。ここへ到達するのに、日本を出発してから少なくとも3~4日かかる。

そこからさらにトレッキングでロライマ山に登るなら5~7日。往復または片道をヘリやセスナで移動すれば日程は短期化できる。

ブラジル側からもアプローチ可能だが、1週間以上のトレッキング日程が必要となる。

最後に

冒険SF小説「失われた世界(ロスト・ワールド)」の舞台としても知られる「ロライマ山」。

原始の岩の上で昼寝をしていれば、風化で不思議な造形美を見せる岩の影を小人が走り、見たことのない小さな恐竜のような鳥が飛んでいるような気配を感じることも、確かにありそうだ。

そして、ここでなら、小説並みの非現実的なことが起きても、受け入れてしまえそうだ。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

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