中東ヨルダンを旅して~世界平和について思った事

anman n1ヨルダンの旅から帰ってきてからしばらく、家族や友達などまわりの人から非常に心配された。

「大丈夫だったの?よく帰ってこれたね!」

イスラム国による日本人ジャーナリスト(後藤健二さん)拘束のニュースが連日のように報道されていた。日本の現地対策本部がヨルダンの首都アンマンに置かれたこと、また交換条件として、2005年アンマン自爆テロの実行犯サジダ・リシャウィの釈放が要求されたこともあり、ヨルダンから帰ってきたばかりの私にとっては無関心ではいられない出来事だった。

しかも、私がヨルダンのアンマンで宿泊していたホテルは、通称「コーダホテル」といって、2004年にアルカイダによって公開処刑された日本人香田さんの追悼を込めてヨルダン人サーメル氏が作ったホテルであった。この処刑映像は、当時中学生だった私もおもしろ半分で見たことがあったが、かなり衝撃的で、後悔となんとも言えない不快感がずっと残った。

帰国してからもいろんな思いが湧き起こり、いてもたってもいられなくなったので、ヨルダンでお世話になったキャンプのオーナーKhaledに連絡を取ってみた。

ところが、日本人が拘束されていることすら知らなかった。おそらく、イスラム国による人質ビジネスや自爆テロなどは中東の人々にとっては格段めずらしいことでもなく、欧米人で拘束されている人など五万といる。

もちろんアンマンなどの都市部に住んでいる人ならば、テレビの報道などで知っている人もいるかもしれないが、砂漠に住んでいる彼らにとっては、自分たちが生きていくことで精いっぱいなのだ。

砂漠での生活

せっかくなので、Khaled に彼らの生活についていろいろ聞いてみた。

ヨルダンのワディラム砂漠でラクダツアーを案内してくれた少年は、数ヶ月前に父親を亡くした、8人兄弟の長男。イスラム教の国々では、女性が外へ働きに出ることはないらしく、この家族を養っていけるのはこの少年しかいない。知り合いであるこの家族の生活を守るためにKhaledは自分のところで少年を働かせているという。

もちろん学校で英語など習ったこともなく、仕事の中で学んでいくしかない。ツアーの途中、英語がなかなか通じず、意思疎通ができなかったためすこし不便な思いをしたが、まだまだ勉強中なので許してほしいとKhaledは言う。英語ができれば、こんな炎天下の砂漠を毎日往復30kmラクダをひいて歩く仕事などする必要はない。もう少し大きくなって、英語も話せるようになると、ジープツアーなどの仕事にステップアップしていくようだ。

jordan desert n2

どうしたら世界は平和になるか

海外をひとりで旅するようになってから、「どうやったら戦争や紛争、テロはなくなるか」すごく考えるようになった。

神社へお参りに行っても、お祈りすることといえば「世界が平和になりますように」。まわりには冗談だと思って笑われるが、私はいたって本気。日本みたいなこんな幸せな国でぬくぬくと生きていて、唯一神に祈らなければ叶わないような難しいお願いといえば、もう世界平和しかない。

特にヨルダンへ行ってから、貧困と宗教が戦争に結びついていることを強く感じた。

最近勢力を拡大しつつあるIS(イスラム国)に限って言えば、「単純に人を殺したい」「社会に対する不満を爆発させたい」「ISの宣伝映像がかっこいい」などさまざまな理由から参加する若者も多いが、根源には「生きていくために戦う」思想があるように思う。

ISに参加することによって、金が手に入る。ISにとって大きな収入源となっているのが人質ビジネスと原油の密売などであり、かなり良い暮らしをしている人もいるようだ。

金がない→最低限の生活ができない→政府へ対する不満、人を殺すことで金が手に入る

また、シリアのパルミラ遺跡など多くの世界遺産が破壊されたり、自らの命を犠牲にする自爆テロに関しては、イスラム教つまりコーランの内容と結びつくものが多い。

コーランでは偶像崇拝が禁止されているため、こういった宗教遺産を破壊する。コーランでは異教徒と戦って死んだ殉教者には天国で素晴らしい第2の生が待っているとされているため、異教徒を殺したり自爆することを恐れない。

宗教というのはすべて信じる人の心によるものなので、何が正しくて何が間違っているという答えを出すのは難しい。しかし、コーランを都合のいいように解釈して、無垢な子供たちを殺人者に教育していくやり方はやはりおかしい。絶対に許せない。

そして報復への報復が繰り返されていく・・・。

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旅をすることと平和について

ヨルダンへ行ってから、中東情勢などに非常に興味を持つようになった。

新聞を読んでいても今まで素通りだった記事や単語が目に入るようになった。

なにげなく見ていたテロや紛争のニュースも、自分のことのように辛いと感じるようになり、子供たちを思うと涙が出てくる。

自分が出会ったヨルダン人や中東の人々は本当に優しく素敵な人ばかりで、彼らと争おうなどとは微塵も思わない。おそらく彼らも私に対して同じ感情であると思う。そこには「愛」と呼ばれるものがあるから。

旅をすることで、少しでも世界が平和になるのではないか。そう思うから私は旅を続けようと思う。

自分が生きている間に世界の平和が訪れるかどうかはわからないが、それが500年後であっても1000年後であっても、平和につながることであれば何でもやろうと思う。

すべての人がすべての人を愛する時が来ますように。

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