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インド北部に残る伝説の城塞とホワイト・シティ~チットガーフォートとウダイプル(The fort of Chittorgarh・Udaipur)/インド・ラージャスターン州
16~19世紀の長い期間、インド大陸を支配したムガル帝国は、その初期にインド北部のラージプート族の各王国に対して恭順を求めた。
しかしそれをはねのけ、最後には一族すべてが玉砕を選んだラージプートがいた。
彼らが最後に立てこもった砦がチットガーフォートであり、そこから落ちのびたラージプートの王が開いた新しい都がウダイプルだ。
ウダイプルとラージプート
多くのラージプート族がムガル皇帝アクバルに恭順していく中、チットールガルのラージプート族は頑ななまでに対抗して戦った。
追い詰められたラージプート族のチットガーフォートにおけるその様子は、「死に装束を身にまとった8000人の戦士が討死し、残された婦女子たちはみな火中にその身を投じて純潔を守った」という日本の戦国時代の落城風景さながらだったという。
こうして、首都チットールガルは落とされたが、ラージプートの王は辛くも逃げ落ち、新しい首都ウダイプルを開き、その後も強大化していくムガル帝国に対抗し続け、その後編み出されたゲリラ戦法によって奪われた国土の多くを取り戻し、英領インドの中でも王国として豊かな都市づくりを続けた。
その結果、ウダイプルは湖に沿って白亜の宮殿が立ち並ぶ「ホワイト・シティ」と呼ばれる美しい宮殿都市として発達し、観光客を魅了する観光都市となって今に至っている。
ウダイプルの水の景観
ファディー・サガール湖とビチュラー湖は、山間部で水に乏しいこの地では珍しい水の景観を創り出している。
この2つの湖はどちらも人造湖。この地に都を作る時に川をせき止めて作られた。しかし現在は残念な状態になっている。
それというのも、都市となったウダイプルの排水が全て流れ込んで、ひどく汚染されてしまっているからだ。
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シティ・パレス(マハーラーナ宮殿)
象兵の攻撃を妨げる鉄鋲付きの大きな城門と木の門をくぐって入るシティ・パレスは、旧王宮だけあってかなりの大きさを持つ。ウダイプルの町の建設と同時に建てられたものだ。建材には、周辺の山々だけでなく、インドや遠く中国からも集められたという大理石や花崗岩が使われている。
メーワールの王は、インド各地に多数存在するほかのマハラジャとは別格扱いされ、「マハーラーナ(武王)」の名で呼ばれて尊敬された。
外壁などには崩れもあるものの、内部はかなり修復されていてキレイだ。また、博物館も隣接されていて、マハーラーナの宝物も見ることができる。
さらに見どころとして足を向けたいのが庭。暑さの厳しい時期やモンスーン期であっても、朝夕の日射しと雨の切れ目には是非散策を楽しみたい、派手すぎず、落ち着いた雰囲気の庭に仕上がっている。
タージ・レイク・パレス(ジャグニワース宮殿)
暑い夏を過ごすための避暑宮殿として建てられた、湖に浮かぶパレス。現在は、ホテルとして改装され、ゴージャスなパレスバカンスを過ごそうと欧米からの観光客が多く訪れている。
ホテルまでは専用のボートでアクセス。内部の意匠はまさにマハラジャ~な気分を盛り上げてくれるものばかり。パブリックスペースは建築当時の姿をできるだけ残しているものの、客室はしっかりと改装が行われていて、インド風ではあってもモダンかつゴージャスな内装になっている。
どの部屋に泊まっても、湖・山・庭のどれかは絶景を見せてくれるだけあり、007の撮影に使われたことも、インドベスト1のホテルに選ばれたというのも納得。
ジャグディーシュ寺院
ウダイプルでもっとも大きなヒンドゥー寺院で、ヴィシュヌ神を祀っている。
おもしろいことに、この寺院はその下に商店街を抱えている。うまく土地活用されているわけだ。ただ、そのため寺院まで長い階段を上る必要がある。
靴を脱いで敷地内に入ると、額に梵字をつけた修行者サドゥーが布一枚待って座り込んでいるかと思うと、そのすぐ横にはカラフルなサリーを着込んだ女性たちが祈りのためにグルグルと巡り歩いている。お百度のようだ。
ジャグディーシュ寺院は、ヒンドゥー教徒にとってはそこへ出かけて祈りを捧げる場所だろうが、観光客の場合は、少し離れたところから見上げたほうがいいかもしれない。それというのも、内部よりも塔を含めた外観にその美しさが集中しているからだ。
外観は須弥山をイメージしたもので、表面には細かく彫刻が施され、そこに掘られている人物は確かにヒンドゥー風だが、不思議とゴシック調の雰囲気ももっている。
アハール博物館と慰霊碑
世界史で暗記したインダス文明、その時代の出土品からヒンドゥー・仏教関連の出土品、仏像などを収蔵するアハール博物館は、ウダイプル市内観光で欠かせないスポットになっている。
すぐ近くにあるドームは王家の墓。宗教的に珍しいヒンドゥーの墓地で、白いミニチュア宮殿のような、庭の東屋のような慰霊碑がいくつも並んでいる。お墓という暗さをまったく感じさせないので、怖がりでも訪れられそうだ。
チットガーフォート
ウダイプルの北東約110km、ラージプート族とムガル勢力との激戦があったチットガーフォート(またはチットールガル)は標高180mの丘に作られた城塞都市で、その敷地内には、100を超える宮殿、寺院、そして多くの貯水池が作られている。
男は死を覚悟して城塞を飛び出し、女子供は火を放って自決したという最後は、この城塞を必要以上に荒らすことなく、今日に遺すことにつながったようだ。
細かい内装などは燃えてしまったとしても、石造りの建造物や仏像の多くが打ち壊されることなく残っている。ラージプート族はその勇猛さばかりが取り上げられるが、この城塞内に残された精緻な彫刻や美しい配置は、彼らの持つ審美眼の確かさを証明している。
パドミニ王妃にまつわる伝説
ラージプートの王にはクレオパトラをしのぐともいう絶世の美女の王妃がいた。その名がパドミニ。
彼女が暮らしたパドミニ宮殿は、城砦内に作られたゴームク貯水池に面して建てられている。彼女は第2王妃だったといわれるがその寵愛は甚だしく、王は何人たりとも王妃の姿を直接見ることを許さなかったともいわれている。
城塞を訪れた各国の王たちは遠く離れた場所の大きな鏡に映った彼女の姿だけを見ることが許されたとか。
そんな彼女の姿を盗み見た王の一人が、この国も王妃も手に入れようとして城塞を攻め落としたのだ。
しかし彼女はラージプートの王に最後まで従い、敵の手に落ちる前に自害したという伝説が残されている。
勝利の塔と7つの門
城塞内が大きく荒らされることはなかったが、勝利をあげた侵略者であるムガル帝国の皇帝はここに「勝利の塔」を建てた。高さ37mの塔はなんと10年もかけて建てられたという。何やら執念を感じさせる。
9層構造の塔の中には螺旋階段が設置されていて、塔の上まで上ることができる。その見晴しの素晴らしさは上った人だけが味わえるご褒美だ。
しかし後にムガル帝国は滅び、ラージプートの王国は残った。その時に作られたのが7つの門。
敷地面積2.8平方kmという途方もないサイズの城壁だけに、この7つの門を全て見て回るのは体力だけでなくかなりの時間がかかるが、それだけにこの地を完全に取り戻したラージプートの喜びの大きさを知ることができそうだ。
最後に
城塞内は、歩いて回ると熱さにやられて倒れる可能性がある。よほど体力に自信があるか、滞在日数に余裕がある場合を除いては、ガイド付きのリキシャーを雇うのが賢明だろう。
遠いインドの地に残る戦国武将とその妻たちそっくりの物語。そう考えると、異質な文化も身近に感じられ興味をますますそそられる。
そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。
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