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妖しい魅力に懐かしさも感じる赤提灯の灯り~九份(きゅうふん、ジォウフェン)「Jiǔfèn」/台湾
たった9世帯しか暮らしていなかったから、物を注文したり購入する時はいつも9世帯分だった。そしてなんでも9世帯で分け合った。だから「九份」。
そんな小さな集落で金鉱が見つかり、ゴールドラッシュが起きて突如として4000世帯の街に発展した。しかし、そんな夢のような時は100年ほどで去ってしまう。
再び過疎化すると思われた九份は観光で盛りかえし、今は週末を中心に観光客で賑わっている。
ゴールドラッシュ時に建てられた街並みが、「千と千尋の物語」のモデルだと、まことしやかにいわれているため、日本人にも人気が高いスポットだ。
九份の楽しみ方
雰囲気は山間の栄えた温泉街といった感じ。狭い路地、坂道や階段、お茶や団子を食べさせる小さな茶屋やお土産物屋が立ち並んでいるほか、金鉱で財を成した一族の豪邸もいくつか残っている。
また、特徴的なのは、建物の軒下にぶら下がるたくさんの赤い提灯。夜になれば、赤く丸い明かりが街中に浮かぶ。たしかに千と千尋の神隠しで登場する食堂や風呂屋などを思わせるが、アニメのモデルという噂はあくまで噂にすぎないらしい。
ただ、映画ファンなら「あの映画のあのシーンはここだ!」という発見もあるはず。
饒河街夜市・基山街
九份に入ってすぐのメインストリートで、台湾における二大夜市の一つとされる。400mほどの1本道沿いに食べ物や土産物、骨董品などの店がズラリと並んでいる。
食べたり買ったりはもちろんだが、そぞろ歩くだけでも少し前の台湾が持っていた懐かしいような独特の雰囲気を味わえるだろう。
朝昼晩と違う顔を持ち、訪れるタイミング次第で新たな楽しみを発見できるところもいい。
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賢崎路
長い石段沿いに赤提灯をぶら下げた道は、夕方以降幻想的な世界になる。
ところどころには山の斜面を生かした展望テラス付きのカフェがあり、レトロな雰囲気に囲まれながら夜景を見下ろすことができる。全体的に明治・大正か昭和初期かといったノスタルジーを感じる。
中国スタイルの建物ばかりのように思い込みがちだが、よく見ると日本統治時代の影響を受けた日本家屋や、洋館も混じっている。台湾なのに普通の台湾とはちょっと違う景色に、台湾人たちも惹かれて多くが訪れている。
非情城市
ヴェネツィア国際映画祭の最高賞金熊賞を受賞した「非情城市のロケ地となったことで、九份は寂れていくことなく観光地として蘇った。
「阿妹茶酒館」は映画の中でも重要なシーンが撮影された料理店で、今も伝統的な台湾家庭料理が食べられる。台湾式のお茶と甘い梅干しや揚げ饅頭、磨きこまれた木の床や建具や家具、飾られた不思議なお面など、キョロキョロと見回すのに忙しいだろう。
さらに夕方になると、周囲の提灯に明かりが入り、さらにテラスから見下ろす町と港の明かりも見えはじめて、あまりに贅沢な光景に席を立つのが惜しくなる。
展望台
町が観光客で混雑する週末などは、ゆっくりと眺めを楽しみたいと思っても、茶店のベランダ席が埋まっていることも多い。
そんな時には、基山街にある展望台に行ってみるといい。小さな展望台だが、穴場的な存在で、あまり人が集まっていないため、写真撮影にも夜景を堪能するにも使える。
金瓜石
九份の隣町で金鉱の町だったことから、「黄金博物館」がある。博物館といっても屋内展示スペースだはでなく、正式には「黄金博物園区」となっていることから想像できるように、公園の中に和風職員宿舎、来客用宿泊施設、黄金館などの見どころが点在している。
開放されている建物のほとんどが、当時の使用状況を完璧なほどに復元して展示しているのが特徴で、さっきまでここで誰かがご飯を食べていたのでは? と思わせるような現実感がある。
また、金にまつわる展示が行われている黄金館では、巨大な金塊を撫で放題。ショップでは金箔入りのグッズや金の延べ棒をイメージした小物が売られていておもしろい。
人気のアトラクションとしては砂金採り体験と金鉱内見学がある。
猴硐猫村
台湾の町といえば、一昔前までは野良犬がウロウロしていることが多かったのだが、どうやら港や山間の地域では最近猫がウロウロしているらしい。
九份から台北ではなく基隆方面へ下った方向にある小さな村で、古くは炭鉱で賑わったらしいが今は猫の村として世界中から猫好きが訪れている。
その炭鉱でネズミ取りとして活躍した猫の子孫が100頭以上になって村中に住みついている。村人とは完璧なまでに共存していて、村のあちこち、店や住宅の片隅に猫がくつろげるスペースが作られている。もちろん、猫たちはバースコントロールもされている。
猫たちがゴロゴロしているのを眺めて幸せ気分になったり、撫でたり、関連グッズの多さに嬉しい悲鳴をあげたりしながら過ごすことができる。
時間の余裕があれば、九份の帰りに立ち寄ってみたい。
食べ歩き
有名店もたくさんあり、食べ物の種類も多いが、歩いている間もお腹の虫と視覚的・嗅覚的食欲を刺激してくれるのが屋台や小さな売店だ。目の前で焼いたり煮たり巻いたりしているB級グルメの魅力に逆らうのは難しいだろう。
「芋圓」は、タロイモの粉で練った団子を湯がいて甘いシロップや温汁で食べるお腹にしっかりとたまるオヤツ。夏場にはかき氷との組み合わせもある。ちょっとした昼ごはん替わりにもなる。
「魚丸」は中華圏でよく見かける魚のすり身の団子のことだが、ここでは中にひき肉も入っているため、魚より肉という人も満足できるはず。熱々のスープと一緒に食べる時には唇や口の中の火傷に注意が必要。
甘いものやお腹にたまるものとは別腹なのがお茶。スイートやスナックほどの強い匂いはないものの、風にのってほのかなお茶の香りも漂ってくる。
さすが本場だけあり、茶坊で扱うお茶の種類は数百とか。匂いをかがせてくれたり、試飲もあるので、好みのものを選んでその場で飲んだり、お土産に購入したりできる。
お茶は原則として、その場で飲むにも持って帰るにもグラム売り。一人で座ってお茶をする場合には、当然使いきれず残りを持ち帰ることになる。
ショッピング
観光地らしい今風のお土産も売られているが、お茶葉や茶器などもよく見かける。どれも、「九份」にしかないわけではないが、もともとが地元物産のある場所ではないので仕方ない。
しいてそれらしいものを選ぶなら、赤提灯だろうか。
九份へのアクセス
台湾を走る快適なMRTでは途中までしか行きつけない。いろんな乗り物に数多く乗りたいという場合を除き、どうせ最後はバスに乗り換えるなら、台北からは40kmほどしか離れていないが山路をゆれながら通っていくため、早い地点でバスに乗って座って行くのがオススメのアクセス方法だ。
台北駅から3つ目のMRTの忠孝復興駅前から九份と金瓜石行きのバスが出ている。ごく普通の路線バスだが、本数も多くたとえ週末などでも乗れない心配はない。1、2本待てば確実座れるだろう。
最後に
九份の夕方、町に明かりが灯った頃の雰囲気にドキドキするのは「吉原」などの花街を彷彿とする光景にそっくりだからだ。
実際の吉原を目にしたことはなくても、映画やアニメなどでそのイメージは日本人の頭に入り込んでいる。木の細い格子で囲まれた部屋、広くても内側までは見通すことのできない玄関、小さく仕切られた二階の部屋にも障子と格子が入っている。そして赤提灯。
それもそのはず。九份の石段付近はゴールドラッシュ時代には花街だった歴史を持つのだ。そしてその頃ここを統治していたのは日本。
日本の江戸後期・明治・大正などの日本のちょっぴり妖しい雰囲気を台湾の鄙びた山間で発見するという不思議さ。ジブリの世界だけではない大人向けの魅力も見逃せないエリアだ。
そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。
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