婚活のため棒での決闘に臨む男達スティックファイティングを見学

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婚活のため、棒での決闘に臨む男達「スティックファイティング」(Stick Fighting)/エチオピア

ところ変われば品変わる。エチオピアでの婚活は棒を使って戦うことなのです。

エチオピアのスルマの男たちは、結婚するに値する大人の男として認められて、結婚相手をゲットするために、スティックマスターになる必要があります。

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スティックファイティングの特徴

日本にも剣道やなぎなたなど長い棒状のものを使った、戦いのための術が伝統としてあります。エチオピアのドンガもそれと同じようにして生まれてきたのかもしれません。

ただ、現在のスルマたちはこの3mほどもあるスティック「ドンガ」を使って戦闘に向かうこともなければ、日々のスポーツや精神鍛錬の一環としてたしなむわけでもないようです。

あくまで、結婚する資格を得るための決闘の場で行われるのがスティックファイティングです。

ドンガを使った死闘を勝ち抜いた男は、まさに男の中の男。男からは尊敬を女からは憧憬を集め、結婚相手は選り取り見取りになるとのこと。彼らのドンガの闘いの激しさからは、男としての戦闘意欲に加えて、モテを意識したアピールへのこだわりも見て取ることができそうです。

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スティックファイティングの開催会場・開催日

エチオピアの南西部、オモ渓谷エリアの集落がスティックファイティングの会場となります。スティックファイティングを行うスルマ族はオモ渓谷周辺で暮らす少数民族の一つです。

スルマ族の中でもさらに少数の集落に分かれて暮らしている単位があり、それぞれの集落の中でスティックファイティングが行われます。これは全て結婚相手を得るための闘いです。

また、集落同士が集まってのチャンピオンシップ的な戦いもあり、集落内のもっとも強い勇者が代表として集まって闘いますが、こちらは名誉のためのファイティングです。

会場となるのは集落の外のちょっとした空き地。決まった場所があるわけではありません。

開催時期は乾季の3か月間。10月から2月頃です。比較的大きな集落では人数が多いため毎日のように、小さな集落なら毎週といった感じで行われています。

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スティックファイティングの歴史

スティックファイティングによる婚活がいつ始まったのか、前振りとなるような戦いや歴史があったのか、それらは彼ら自身も知らないようです。

スティックファイティングは今だけでなく、少し前にもあったし、これからもあるというのが彼らの考えであり言葉。

ただ、近年は徐々にではありますがスルマの間にも近代化の波が押し寄せ、スティックファイティングが観光のための見世物化している場面もあるようです。嫁取りのためではなく、小銭稼ぎのためのイベントとして行われていることもあるわけです。

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スティックファイティングのパレード

スティックファイティングの勝者は、長老に手招きされて集落の若い女性たちが待つ小屋へと案内されます。

途中までは闘いを見守っていたほかの男たちもゾロゾロと付き従います。これがパレードといえなくもないような。

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スティックファイティングのイベント

スティックファイティングそのものがメインイベントであり、唯一のイベントともいえます。

勝者が女性の前に引き出される場面は、本来は他者の立会いは許されないらしく、そこはイベントとはいえません。ただ、ガイドツアーによって連れていかれる村のスティックファイティングではそれらしき場面も目にすることができることもあるようです。

ちなみに、スルマ族の女性は下唇に大きな円盤をはめています。この円盤が大きければ大きいほど、すなわち下唇の穴が大きければ大きいほど美人だとされています。

男の価値はドンガ捌きに、女の価値は下唇の大きさにあるという、日本との文化的な価値観の違いに驚かされるのは確かでしょう。

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スティックファイティングの記念品

実は、スルマの間では、男性に女性を選ぶ権利はないのだそうです。スティックファイティングに勝たなければ、女性にアプローチすることさえも叶いません。

勝者だけが若い女性が待つエリアへと近づくことができ、女性たちの結婚相手候補となることができるのです。

そのため、スティックファイティングの記念品は勝者に与えられる「女性たちとの婚活のチャンス」という形のないものです。

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用意するもの

スティックを用意しても参加はできません。観光客に許されるのは、撮影料金を支払って写真を撮ることくらいでしょう。

一部の集落では現金主義が浸透しつつあり、スティックファイティングの写真を撮るのにいくら、スティックを持ったらいくらと要求されることもあります。また女性たちの写真を撮るにも同じことが起こりますが、最初彼女たちは下唇に円盤をはめていない状態で現れ、「払えばはめる」と交渉してきます。

観光化している分、確実にスティックファイティングを目にして写真も撮れる仕組みになっているのはありがたいと思う反面、ちょっぴり興ざめしてしまう場面でもあります。

ただ、本来のままのスティックファイティングを行っているエリアへと入り込むのは個人単位では難しいため、やっぱりこのチャンスは生かすべきなのでしょう。

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参加できること

部外者の参加は禁止されています。スルマ族の女性に恋してしまった場合は別ですが。

実はこのスティックファイティングの前に、力を奮い起こすために牛の生き血を飲む習慣を持つ集落もあります。これは、観客である観光客も参加させてもらえるようです。ただ、日本人の場合はお腹を壊すこと必須です。

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一番の見どころ

やはりスティックファイティングの真剣さこそが見どころでしょう。

観光化の進んでいない集落であれば、この戦いはまさに将来をかけた決闘の場です。シンプルな洗濯物干し竿のような棒をビュンビュンと振り回し突き出しての闘いでは、ケガもつきもの。流血も当たり前の光景です。

ただし、相手を殺すことはご法度。万一決闘の相手を死なせてしまった場合には、当事者だけでなく家族もろとも追放されてしまうのだそうです。

初めから殺そうとして戦う人はいないでしょうが、肌をさらした状態で武器を手にして勝ち負けを争う以上、このさじ加減は意外と難しいのでは?

ちなみにレフェリーとなる人もいないため、周囲からストップがかかるか、本人がギブアップするまでこの戦いは続くようです。

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まとめとして

ドンガの闘いに参加することは、スルマ族の男性にとって聖人男性であることの証明でもあります。少年たちは体を鍛え、棒術を学び、来年はドンガデビューできるかな…と楽しみにしているのです。

そんな少年たちの熱いまなざしを受けた成人男性たちは、目の前にいる男を倒すことに熱中しながら、男ぶりを見せつけます。

ドンガはスルマ族の男にとってアイデンティティそのものともいえそうです。

一方、女性の場合、厳しい自然の中で生き残っていく子孫を産み育てるためにはより強い男と結婚することが求められます。女性にとってのドンガは分かりやすい形で「強い男」を見極める場となるわけです。

彼らにとって子孫繁栄のためになくてはならない儀式であり、祭りであり、最高の娯楽でもある婚活パーティーならぬドンガによる婚活決闘。

本物のドンガを見に行きたいなら、時期と場所とガイドを吟味しましょう。

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