イギリスの料理といえばフィッシュアンドチップス、ローストビーフなどが有名ですよね。
ではお菓子といえば、どんなものが浮かぶでしょうか。イギリス、アフターヌーンティときて、スコーンという答えが一番多そうですが、実はそれ以外にもたくさんの伝統的なお菓子があります。
今回ご紹介するのは「ショートブレッド」「ファッジ」「キャロットケーキ」「ビクトリアケーキ」の4つのお菓子です。
なかにはちょっとしたエピソード付きのものも。食べるだけでは物足りないという人はこちらがおすすめです。
ショートブレッド
生地にバターをたっぷりと練り込んで焼き上げられるショートブレッドは、濃厚なバターの風味が特徴的。
赤いタータンチェックの紙箱に入ったWalker社のものが有名で、イギリスの空港の売店や街のお土産屋さんには必ずと言っていいほどあります。イギリスに行ったことのある人は「あれだ!」とすぐに思い当たったかもしれません。イギリスでよく売られていますが、実はスコットランド発祥のお菓子です。
日本でもイギリスフェアや輸入食品店で売られていることがありますが、定番のスティック状のものがほとんど。現地ではユニオンジャックや花の模様が入ったものもあるなど商品のラインナップが豊富です。ユニオンジャックになったものはいかにもイギリスらしいですよね。
お土産には日本では手に入らないパッケージや形のものを選ぶと「イギリスならでは」と喜ばれそうです。
ファッジ
甘党にはたまらないイギリス伝統のお菓子がこれ。キャラメルのような外観で、とても甘い飴菓子です。砂糖、バター、牛乳を溶かして作られるファッジは食感もキャラメルに似ていますが、粘着力はなく口の中でほろりと崩れます。スコーンのように、クルミ入りやチョコレート風味のものも。
イギリスではカフェやスーパーのお菓子売り場で売られています。一粒がかなり甘いので、コーヒーや紅茶と一緒に食べている人をよく見かけました。
甘いものを食べると疲れがとれるとよく言いますが、ちょっと口にするだけでもあっという間に疲れを忘れてしまえそうです。街歩きに疲れたときの一粒にはいいかもしれませんね。
キャロットケーキ
イギリスで中世から長年にわたって親しまれているお菓子です。生地にすりおろしたにんじんとシナモン、ナツメグ、クルミやレーズンを練り込んで焼いたものにクリームチーズがかかっています。
食感はしっとりとしているのですが、そのわけは「すりおろした」にんじんにありました。イギリスで「すりおろす」とは、おろし金ではなく、チーズおろしのような無数の穴の開いたグレイターというものでおろすことをいいます。グレイターはすりおろすという意味の単語「grater」に由来するのだとか。これを使うと千切りになるので、細かいにんじん一本一本に水分が保たれたままケーキに焼き込まれます。これによって生地がしっとりとします。
生地にはシナモンとナツメグを使用しているので、味はちょっとスパイシー。日本で売られているケーキにはなかなかない味なので、まさに外国の味と言えるでしょう。
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ビクトリアケーキ
スポンジにベリージャムを挟んだだけのとってもシンプルなケーキは、大英帝国時代を築いたビクトリア女王にちなんで名づけられました。
その昔、最愛の夫アルバート公を亡くした女王は悲しみのあまり宮殿に引きこもってしまいます。そんな女王を励まそうと開かれたお茶会で出されたのがこのケーキでした。ジャム好きな女王のことを考えて作られたケーキをとても気に入り、元気を取り戻したと言われています。
見た目は素朴ながらも素敵なエピソード付きのケーキ。ぜひ写真におさめて、お土産話のネタのひとつにしてはいかがでしょうか。