満州国の面影を訪ねる旅~中国遼寧省・大連を訪れて

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歴史の交差する街・大連

東京から飛行機で3時間。

遼寧省第二の都市・大連は、東京から最も近い中国の都市の一つで、ほぼ北京と東京を結ぶ線上に位置している。

ここ大連を含む満州には、1931年の柳条湖事件を端緒として1932年には満州国が建国された。以降終戦まで日本の統治下に置かれ、南満州鉄道に代表される日本の資本や技術が導入された。

やや小ぶりな大連周水子空港に降り、地下鉄2号線で中山広場駅まで30分。階段を上って地上の広場に出ると、どこか懐かしいような不思議な風景に包まれるだろう。

そう、あたかも大正や昭和の日本にいるかのような。

 

日本統治時代の建築物が集う中山広場

ここ中山広場は、最初はロシアによって建設され、日本統治時代に入ってからは満州国大連の中枢として多くの政府・銀行系建築が建てられた。現在でもこれらの建築は史跡に指定されており、かつ当時の姿を保ったまま大切に使い続けられている。

中山広場を広場南側から順に見ていこう。

まず最初は「大連賓館」。もともとはヤマトホテルとして1914年に建設されたルネサンス様式の建物で、現在でも当時ままホテルとして使い続けられている。大連に立ち寄った際には是非一泊し、その歴史を感じ取ってみたい。

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ホテル内部も往時の栄華を偲ばせる。一泊の値段は、日本でビジネスホテルに泊まるのと同程度。日本人客が多いのか、フロントでは日本語も多少ながら通じた。

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ついで広場を反時計回りに廻ると、中国工商銀行がある。1920年に建設された大連市役所庁舎を転用したものだ。入り口部分は鳥居を模ったものだとか。言われてみれば納得である。

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筆者が訪れた際にはここで新婚と思しき男女が記念写真を撮っていた。なかなか渋い、いや良い趣味をしていらっしゃる。

ついで中国交通銀行。比較的新しい建築のように見えるが、1936年に建てられた東洋拓殖のビルだそうだ。

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そして中國銀行。中国を代表するような銀行が一堂に会しているあたり、やはりここ中山広場は大都市大連の中枢であると再確認できる。それにしてもこの建物の夕方のライトアップは惚れ惚れする美しさだ。

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大連郵政局。あいにく真夜中に撮った写真しかなかった。撮影のタイミングの問題もあろうが、他の建物よりも若干地味な雰囲気である。もともとは大連市の通信局であったそうだ。

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そして中国国家金庫の中山支庫。1920年竣工の旧朝鮮銀行大連支行で、大連中山広場の中でも特にライトアップが美しい建物の一つである。他の建物はピンク色のライトアップをされたりしていて、若干興醒めだったりする。

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鉄道網に残る日本の息吹

日本の満州統治において、南満州鉄道の存在はあまりにも有名である。流線型をした水色の機関車が牽く特急「あじあ」の画像は、歴史の教科書にも載っている。

中国国鉄大連駅の南側駅舎は、1937年に日本の上野駅を模して建てられたものだ。基となった上野駅二代目駅舎は関東大震災後を受け1932年に竣工したもので、このあたりからも当時の大連が日本の東京と並ぶ、時代の最先端を行く都市であったことを伺い知ることができる。駅の入口を2階に、出口を1階に配した構造はいかにも中国風だ。

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筆者が訪れた日はちょうど労働節(メーデーの三連休)の前日であったこともあり、駅は大勢の人で賑わっていた。ちなみに高鉄(中国新幹線)を使う場合、多くの列車は大連北駅に発着するので注意が必要である。大連駅から大連北駅はタクシーなら30分、地下鉄だと1時間は見たほうがいい。

大連駅前の長江路には路面電車が走っているが、ここでも戦前に日本で製造された車両が未だ現役で活躍している。現在では都市交通の主役は地下鉄やバスに奪われてしまったが、それでも昔ながらの凸凹だらけの車体がゆらゆらと走っている姿は頼もしく愛らしいものだ。

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またその他にも、大連の街を歩けば、おそらく日本統治時代から残っているのだろうと思しき頑丈そうな建物があちらこちらで見かけられる。

こちらは大連飯店、遼東ホテルとして1930年に建てられたものだが、残念ながら訪問時には営業を取りやめていた。このまま解体されてしまうのだろうか。

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しかし竣工から100年前後が経過しているこれらの建築が、今日までこうして生きながらえてきたというだけで驚きである。これまでの念入りな手入れには感謝しても仕切れない。

何かあるたびに関係の悪化や反日だと騒がれる中国ではあるが、こうして見ると日本統治時代からの遺産を今でも大切に活用してくれているわけで、やはりなかなか悪い気はしないものだ。大連の古くも美しい建物たちが、これからも現地の人々に愛され生き続けることを願ってやまない。

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