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お肉大好きチェコ人たちが肉に感謝を捧げる日「マソプスト」(Masopust)/チェコ各地
世界各地にキリスト教文化を持つ国が多いことは、世界に「謝肉祭」を祝う地域が多いことから、よく分かります。
チェコ国内で祝われている謝肉祭は「マソプスト」とか「ボヘミアン・カーニヴァル」と呼ばれ、チェコ人たちが愛してやまないソーセージの材料である豚に感謝を捧げ、仮装して無礼講のパーティーを楽しみ、さらには厄払いもしてしまおうという、欲張りなお祭りとして根付いています。
生来、飲んで歌ってのお祭り好きなチェコ人たちが、これでもか、まだ足らないぞとばかりにイベントを企画して開催しまくるマソプストの様子をご紹介します。
マソプストの特徴
チェコ国内各地で古くから行われてきた謝肉祭が、形を変えたり変えなかったり、宗教色を残したり消したりした結果、地域ごとに異なったマソプストを祝うようになりました。
有名なのは首都プラハで行われるもので、中世の街並みに中世貴族の扮装の老若男女が集うパレードやパーティーなどが見もののマソプスト。
プラハ近郊のロストクという町でのマソプストは、プラハのちょっぴり商業的な雰囲気を嫌う人が足を運ぶ、より素朴な謝肉祭です。街中の人が仮装してパレードして、最後には飲んで歌って踊るというシンプルなマソプストを1日堪能できます。
プラハの南東に位置するフリンスコ地方の町や村では、チェコの古い民話の登場人物などに仮装した住民たちが家々を巡ってGood Luck、Healthy、Joyをもたらすとされていて、ユネスコの世界無形文化遺産にも登録されています。
このほか、世界遺産に登録されているクトナー・ホラやチェスキー・クルムロフなどでもそれぞれに特色あるマソプストが開催されているので、謝肉祭の時期はどこへ行こうか迷うほどです。
マソプストの開催会場・開催日
もっとも大規模なのは、プラハのカーニヴァルです。プラハ城、市内の広場、オペラ劇場など各地でマソプストのイベントが目白押しです。
そのほかのチェコ各地で行われるマソプストも、町や村の中心広場や城、領主館などを開催会場としているので、誰でも気軽に見ることも参加することも可能です。
開催日は、イースターの日を基準に算出されますが、チェコの謝肉祭は宗教色がかなり薄れているため、そこにあまりこだわらず、1月末から3月にかけての週末のどこかで日程が組まれます。
プラハの場合には2週にわたってマソプスト期間となり、市内各地で連日イベントが開催されます。
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マソプストの歴史
いわゆるキリスト教徒のための謝肉祭としては、かなり古い時代から各地域で祝ってきました。ところが、チェコは宗教的に複雑な過去を持ちすぎたためか、現在は感情的に無宗教に限りなく近いといわれています。彼らにとって重要なのは、宗教的結束よりも民族的結束となっているようです。
結果として、宗教的なマソプストは無宗教のお祭りに変貌していきました。特に中世以降近代に入ると、仮装パーティー的な楽しみの場、そして食べ物に感謝する日として固定していきます。
ただ、ユネスコの無形文化遺産に登録されているフリンスコ地方の仮装行列に関しては、200年以上前の祭りの姿をそのまま留めているとされています。その中身は、チェコの寓話を元にしているものの、住民たちはそこに宗教は感じ取っていないようです。
マソプストのパレード
すべてのマソプストで仮装行列が行われます。中世風の衣装などを着込んで華やかさで飛びぬけているのはプラハの仮装舞踏会風パレードですが、各地で行われる仮装行列も手作り感やアットホームさがあって、それはそれで微笑ましさにヤラれます。
特に、フリンスコ地方の仮装行列は、伝統的な登場人物である、トルコ人、ユダヤ人、わら男、煙突掃除屋、古女房、熊が必ず現れます。住民たちの扮装もこれらのチェコ寓話に沿ったものが多め。
村祭り的な仮装行列では、子どもたちバージョンが大人気です。現代風にプリンセスやヒーローにコスプレしている子どもも少なくありませんが、伝統的な小熊や煙突掃除グッズを担いだ姿などもあって、そのかわいさにメロメロ。
世界各地のカーニヴァルの多くが、大人を中心に楽しむ傾向が強いのに対して、チェコのマソプストは子どもから大人までが一緒に参加して楽しめます。
マソプストのイベント
謝肉祭は「肉を食べられることへの感謝」、マソプストは「肉に別れる」ことを意味するそうです。
実際にマソプストの後、肉を断つ習慣はもうありませんが、この時期に肉を味わいたおしておこうという習慣はしっかりと残っています。それが「豚の屠殺」というイベントにつながっているのです。
チェコ人にとって欠かせないビールと肉のセット。この場合の肉はメインが豚です。丸焼きもあれば、煮込みもソーセージもあります。チェコ人は豚のすべてをきっちりと食べきるともいわれていて、豚の血で作ったソーセージなども有名です。
マソプストでは仮装行列の後のパーティーで「豚の屠殺と解体」が行われるのが通例となっています。このイベントは「ザビヤチカ」と呼ばれ、これを目にすることで、日ごろお世話になっている豚への感謝の気持ちを再確認するわけです。
もちろん、解体された豚はその場でしっかりと調理されて、おいしくみんなで食べて感謝を捧げます。
マソプストの食べ物
チェコではジュースよりも水よりもビールが安いほど。
カフェならコーヒーやジュースという選択肢がありますが、普通のレストランで席につけば、ウェイターたちの最初の一言は「何を飲む?」であって、これは「どの酒を飲むか?」を意味しているほどです。
そして、ビールとセットで頼むおつまみが豚のソーセージや皮つき肉のローストや丸揚げ。こってりした豚の料理と苦めの黒ビールが最高の組み合わせです。
マソプストの記念品
もともとプラハも各地方も中世の面影を濃く残していて、店のショーウィンドーにはちょっとグロテスクな骨董風の飾りものや小物が並んでいます。
マソプストの期間には、それに加えてさらに中世風のマスクやマントなどが多く売られるため、仮装行列に加わるためにちょっとしたものを購入すれば、それがそのまま記念品へと変わるでしょう。
ドクロをイメージしたグッズが多いのもチェコの特色です。
用意するもの
仮装グッズは現地でも購入したりレンタルしたりが可能です。
もちろん、普通の格好でも祭りを見学することはできますが、それだとどうしても傍観者としての疎外感を味わってしまいます。せっかく来るもの拒まずの祭りです。しっかりと仮装して自分も祭りの一部になってしまいましょう。
参加できること
どのマソプストであっても仮装パレードは、仮装さえしていれば誰でも参加できます。ただ、各戸を回る仮装行列のばあいには、一緒に付き従うことはできても、家の中に入ることはできず、寓話の登場人物の役割を担う人たちが家と家族とを祝福している間は、外で待っていることになります。
ザビヤチカの見学や、仮装行列後の野外パーティーも、多少でも仮装していれば何の問題もなく混じりこむことができます。
一番の見どころ
仮装行列とザビヤチカで迷うところですが、この二つはある意味セット。仮装して練り歩くその先で待っているのがザビヤチカなのです。
本格的な中世仮装を見たい、または自分もしたいならプラハの町をバックに仮面舞踏会風のパレードがおすすめだし、自己流の仮装やコスプレでアットホームな雰囲気を味わうなら近郊の町やフリンスコ地方へ足を伸ばしたいところです。
また、華やかな仮装行列だけを見て参加して満足せず、その後のお楽しみであるザビヤチカと飲めや歌えや踊れの大宴会にも是非出席しましょう。そのためには、現地に宿を取っておくことをおすすめします。
まとめとして
謝肉祭は、地域や言語によってその呼び名も内容も大きく異なります。多くの謝肉祭が宗教的な意味合いを失いつつある中、チェコバージョンただのお祭り化が進み、もともとの肉類の摂取を控えるイースター前の最後のパーティーとしての、食べてハジケルという役割だけが変わりなく受け継がれているようです。
ある意味、自分の宗教に関わりなく気軽に参加しやすい祭りであり、チェコ人たちの異文化や異民族をおおらかに受け入れる心の広さも伝わってくるイベントです。
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