蘇るピンタゾウガメ、ロンサム・ジョージに会いに行く

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蘇るロンサム・ジョージに会いに行きたい

2012年6月、最後の生き残りピンタゾウガメの「ロンサム・ジョージ」が死んでしまいました。

特有の生態系を持つガラパゴスにおける象徴として、また絶滅危惧種の最代表種として、世界に広く知られていただけに、その死はいまだに各方面に大きな波紋を与えています。

ダーウィンが進化や自然淘汰について考えるきっかけになったともいわれるガラパゴスゾウガメの最長老ともいうべき存在だったロンサム・ジョージ。ダーウィンの説とは異なり、人間によって絶滅に追いやられてしまいました。

でも、そこにはまだ一縷の望みが残されているといいます。

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ロンサム・ジョージの死でピンタゾウガメは絶滅

1972年に発見されたロンサム・ジョージは、その当時既に絶滅したと考えられていたピンタゾウガメの奇跡的生き残りの2頭のうちの1頭でした。

ガラパゴスに点在する各島には、それぞれ固有のゾウガメが生息していました。ピンタゾウガメはピンタ島特有種です。ピンタゾウガメがロンサム・ジョージ1頭では、本来繁殖ができませんが、ごく近い種のゾウガメとのペアリングがロンサム・ジョージの死の直前まで試みられていました。

関係者だけでなく、多くの人が2度目の奇跡「子孫誕生」を願いました。

しかし、発見当時既に推定60歳という年齢や、おそらく隔離環境における長年の近親交配による繁殖能力低下などから、成功には至らないまま死を迎えてしまったのです。

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ロンサム・ジョージの近親種の発見!

ところが奇跡は再び起きたのです。

ガラパゴス諸島にはまだまだ濃い密林が残り、すべての生物が保護管理下に置かれているわけではありません。研究者たちは、なんとかロンサム・ジョージの遺伝子を残したい一心で、近隣の島のゾウガメたちの一斉DNAチェックを進めました。

その結果、ロンサム・ジョージの死の約半年後、同じピンタゾウガメの遺伝子を持つゾウガメが17体も発見されたのです。もちろん、この17頭はピンタゾウガメそのものではありませんが、かなり濃い混血個体であることは確かだとされています。

またさらに興味深いことに、17頭のうち5頭は若いことから、今も純種または限りなくそれに近い濃厚なピンタゾウガメ遺伝子を持つ第2のロンサム・ジョージがいる可能性も示唆されているのです。

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人工繁殖技術とクローン技術で再生なるか

ロンサム・ジョージは死んでしまい、もう繁殖することはできませんが、そのDNAを利用したクローン誕生の可能性は残されています。

また同時に、発見されたピンタゾウガメ遺伝子を受け継ぐ個体たちの人口繁殖によって、限りなく純種に近いピンタゾウガメを作りだすことも可能かもしれません。

さらには、密林の奥深くでひっそりと今も暮らしている「ホンモノ」に遭遇し、その純粋種のDNAでピンタゾウガメが本当に復活する可能性もあるのです。

研究者たちによるロンサム・ジョージを蘇らせるための「インドア(研究所内)作戦」と「アウトドア(密林)作戦」は現在も進行中です。

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ガラパゴスをダーウィンが発見した頃に戻せるのか?

また、ガラパゴス諸島では継続して、島の環境と生態系をダーウィンがこの地を発見した当時に限りなく近づけようとする活動もすすめられています。

これは、現在も保護が必要とされる多くのガラパゴス特有希少種たちのための環境整備という面もあれば、これから蘇るかもしれない既に絶滅した種たちが戻ってきた時の準備でもあります。

幸い、ガラパゴスの環境が劇的に変化したのは、人間がこの地に到達した大航海時代であり、それほど昔の話ではありません。当時の情報もあれば、復元不可能な気候的な変化もありません。

実際に、人工的な保護や自然力により復元が行われた結果、人間が入り込む前の、先住動物たちにとってバランスの取れていた生態系に徐々ではあっても戻りつつあるといいます。

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ワクワクする? 現実のジュラシックパーク

今のガラパゴスであっても、研究者のみならず旅人たちにとって異文化ならぬ異生態系を覗き見できる格好の場所として人気を集めています。

そんなガラパゴスが、数百年前の豊かな姿を取り戻し、ゾウガメたちがノッシノッシと歩き回る様子を目の当たりにできるようになるとしたら、そこはもう「現実のジュラシックパーク」に近いのではないでしょうか?

想像するだけでもワクワクしてきます。

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人が絶滅に追いやったピンタゾウガメだが、奇跡のきっかけを作ったのも人だった

絶妙のバランスを保っていたガラパゴスに人が到達したことであっという間に生態系が崩れ、ピンタゾウガメを含む5つの種が絶滅に追い込まれてしまいました。

その原因は、航海中の食料としてゾウガメたちを乱獲したこと、さらにはゾウガメが不足するようになると山羊を持ち込み、猛烈に繁殖した山羊が植生を食べつくしてしまい、従来種たちの生活を脅かしたことにあります。

ところが、食料として船に乗せられたゾウガメの中には、よその島で生きたまま捨てられたものもいたのです。ピンタゾウガメは本来、ピンタ島特有種です。イサベラ島で発見されたピンタゾウガメの遺伝子を持つ17頭は、人の食料になり損ねたゾウガメの子孫だったのだろうと考えられています。

ゾウガメたちを絶滅に追い込んだのは、もちろん人間ですが、ここにきて希望の光となっている17頭の奇跡もまた、人間の行動がきっかけだったのです。嬉しい奇跡ですがちょっぴり皮肉でもありますね。

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絶滅危惧種も助けて!

世界にはこの数十年に間に絶滅したと考えられている生物が少なくとも17種いるとされています。その中には、ロンサム・ジョージのピンタゾウガメのように、再生の可能性が多く残されているものも確かにあります。

でも現実を見れば、現在レッドリストにのっている絶滅危惧種こそ、大急ぎで対応する必要があるのではないでしょうか?

その絶滅危惧種の多くは、もう自然繁殖で個体数を増やすことは無理だろうと考えられているものがほとんどです。人の力、科学の力を借りずには絶滅から逃れることはできないのです。

ただ少なくともそこには、まだ生きた個体があり、♂と♀が存在し、生き生きとしたDNAがあります。次の悲しいロンサム・ジョージを生み出さないためにも、彼らへの保護や支援が絶対的に必要とされています。

そして嬉しいことに、研究者レベルだけでなく一般人レベルでも、絶滅種や絶滅危惧種に対する興味や知識は深まる傾向にあり、それによって資金も集まり、保護活動の一部は明るい未来を示すものも出てきているようです。

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どこまで再生するのがベストか?

ただ一つ、問題点として多くの人があげるのが、絶滅種のすべてを再生することに対する是非です。

たとえば、ロンサム・ジョージであれば、つい数年前までそこに存在していたことから、たとえば数百数千という数で再生を遂げても、その生態系を保つことは可能でしょう。

では、マンモスだったらどうでしょうか? 恐竜だったら?

DNAを使ったクローン技術がいくら進んだとしても、地球の時間の針をいったいどこまで巻き戻していいのか? それは、慎重に考える必要がありそうです。

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まとめとして

問題はいろいろとありますが、テレビや雑誌でも見かけたロンサム・ジョージの子孫が再びガラパゴスに生まれてくることがあれば、それは研究者のノーベル賞受賞的な喜びだけでなく、ごく一般人にとっても「ハートウォーミング」なニュースであることは間違いありません。

世界各地で進む生態系保護や復元、絶滅危惧種の保護、絶滅種の再生。これらが着実な進歩を見せて、「絶滅が無」ではなくなる日がすぐそこまで来ていると思うと、「蘇るロンサム・ジョージに早く会いたい」とはやる気持ちを抑えられません。

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