200mの花のカーペット~イタリアの花祭りインフィオラータを訪れて

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200mの花のカーペットを踏みしめる聖体行列「花祭り(インフィオラータ)」(Infiorata)/イタリア・ジェンツァーノ

「花を敷き詰める」という意味のインフィオラータを名に持つこの祭りは、聖体行列が進む参道を花で浄める800年近く前からの習慣が祭りの元になっています。

毎年、キリストの聖体の祝日には、町の道が絨毯を敷き詰めたようにいっぱいの花で華やかにデザインされます。その距離200m。聖体の行列はその上を静々と進んでいきます。その踏みしめる一歩ごとに花の香りが立ちのぼるのです。

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花祭り(インフィオラータ)の特徴

50万本とも100万本ともいわれる花を使った生カーペット。これを見るために世界中から数十万人の観光客が訪れます。

200mのカーペットは一枚ではなく、7m×12mほどで1枚、それが15組敷き詰められた格好です。1枚につき1チームが担当し、デザイン、材料集め、下絵描き、花の敷き詰めまでを行っていきますが、相手は生活道路と生花。限られた時間との勝負です。祭りの前日の午後に下絵描きが行われ、祭り当日の午前中の数時間で一気に仕上げます。

インフィオラータを見物にくる観光客は、祭りそのものよりも、この花のカーペットの制作風景見たさに前日からやってくることも多いようです。町が少しずつ花の華やかな色と香りに包まれていく時、その場に居合わせることができれば幸せな気分を味わえるのは確かでしょう。

出来上がった花のカーペットは、キリストの聖体を運ぶ行列がそこを踏みしめる瞬間まで、誰の足も手も触れることがないように、囲いがつけられてその瞬間を待ちます。

ところが、一度聖体が渡ってしまえば、もう終わり。地域の子どもたちが一斉に花のカーペットへとなだれ込んで大暴れ。花にまみれ、あっという間に花祭りから花争いのような様相に変わります。これもまたおもしろい見ものです。

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花祭り(インフィオラータ)の開催会場・開催日

花祭りはイタリア各地で行われます。最近はその美しさが飛び火して、日本をはじめとした海外でも行われることがあります。ただ、元祖ともいわれるのはイタリアのジェンツァーの花祭りです。ローマから近いこともあって、外国からの観光客も多く訪れます。

花のカーペットが敷き詰められるのは聖堂へと続くイタロ・ベラルディ通りです。ジェンツァーノの村は小さいので、迷うことはないでしょう。

開催されるのはイタリアが花盛りに入る5~6月頃。キリスト聖体祭当日の日曜日に花のカーペットの上で聖体の行列が行われます。花のカーペットの制作は前日の午後から当日午前いっぱいかけて行われ、当日の午後はそのまま展示。夕方6時頃から行列が始まり、フィナーレは翌日の子どもたちによる花の蹴散らし大会となります。

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花祭り(インフィオラータ)の歴史

キリストの聖体が通る道を花や果物、ロウソクなどで浄めるという習慣は少なくとも13世紀頃にはあったといわれています。これはイタリア各地で行われていた習慣ですが、花を敷き詰めた道を行進していくようになったのは、ジェンツァーノがもっとも古いそうです。その歴史は230年を超え、完成度も集客数もトップです。

また、現在のように凝った図柄を花で作るようになったのはもっと最近で20世紀半ば頃とのこと。それまでは、持ち寄った花を道いっぱいにまいていたのでしょう。

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花祭り(インフィオラータ)のパレード

ミサを終えた信者たちが、聖体を背負ってパレードを行います。本来これが祭りのもっとも重要な部分ですが、この様子を見つめているのは、昼間あれほど大勢集まっていた観光客の一部と、村人と周辺地域から集まった信者たち。この行列は静かに厳かに、そしてあっという間に終わってしまいます。

観光的に注目されるパレードは実は翌日にあります。仮装行列、ブラスバンドなどのパレードが次々と通り過ぎ、最後には子どもたちが「わわ~」という感じで花のカーペットの上に雪崩こみます。パレードというより花を蹴散らしながら駆け抜ける感じ。

しおれた花がその勢いで巻きあがって、また香りを放ちます。子どもは無邪気に楽しんでいますが、大人には、最後の瞬間の輝きのような華やかさとせつなさがグっとくる瞬間です。

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花祭り(インフィオラータ)のイベント

花のカーペットを作るチームは原則地元からの参加者でしたが、10年ほど前から外国との交流を深めることを目的として、1枚を外国のチームにゆだねるようになりました。栄えある第一回目は日本が担当しています。

毎年、選ばれた国は自国とイタリアとの懸け橋になるようなデザインに頭をひねり、その出来栄えはイタリア人だけでなく訪れる人すべてから喝采を受けています。

参道のインフィオラータだけでなく、離れた場所で小さなサイズの花カーペットコンテストが行われたり、コンサートやショーなどのステージも行われます。

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花祭り(インフィオラータ)の食べ物

町には屋台がたち、飲み物や食べ物には不自由しません。花のカーペットが作られる通り沿いのカフェやレストランは場所とりならぬ席取りが激しく、なかなか落ち着ける場所を見つけるのは困難ですが、一本外れた場所であれば、時間さえずらせば、休む場所には困りません。

何しろ暑いので、ジェラートなどの屋台には行列ができています。また、水などはあらかじめ用意しておいたほうがいいでしょう。現地の屋台で売られる飲み物はちょっとお値段が高めです。

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参加できること

花のカーペット作りは、チームを結成し、デザイン画を作って応募をし、さらに選考に通らないと参加できません。聖体の行列は信者だけのもの。ブラスバンドや仮装行列も地元の人たちの楽しみです。最後の子どもたちのレースは、子どもであれば、こっそり参加できるかも?

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一番の見どころ

図柄の細かさ、完璧さには目を見張るものがあります。どの花のカーペットも、もとになった下絵とその理由などがかかれた看板が立てられているので、「なるほど」と感心しながら一つ一つ確認していけます。でも、出来上がった花を見る前に是非見ておきたいのが花の制作過程です。

一言で花といっても、使われている花は数十万本。種類は20種類にも及ぶといいます。それらを当日に合わせて用意するのは花屋さんの仕事。イタリアの灼熱の太陽があたる中、しおれたり枯れたりしないよう、半冷凍のような状態に冷やされています。さらに作業中にも冷たい霧を噴きつけながらの作業が続きます。

下絵はチョークなどで書かれていますが、その線をいろいろな深さと色の煎られたコーヒー豆でなぞり、コーヒー豆を境にして色ごとに花ビラを敷き詰めていきます。花びらを薄く敷き詰めることで下絵に薄く色がつくのです。そして修正をいれるなどしたあと、花そのものや花びらをうず高く積み上げます。その厚さは10センチ近くになるところもあります。

ポスターカラーのようなはっきりとした色使いだけでなく、陰影も作られたその花のカーペットはまさに芸術品です。ほとんど息を詰めるようにしてピンセットで花びらを置いていく姿を見た後に、聖体を担いだ足が踏みつけていくと、なんだか胸が痛むほどです。

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まとめとして

花の使用方法として、こんなに大きな絵を描いてしまおうと最初に思い立ったのは、いつで誰だったのでしょうか? これほど繊細な絵を花びらで作りだせるとは、想像でもビックリですが、実物を見ればなおのことびっくりです。

花たちの命はただでさえ短いので、こうして2日ほどで蹴散らされてゴミになってしまうのはもったいないような気もしますが、2日間でもキレイな絵の一部になること、キリストの聖体の通り道を浄める役目を果たせることを考えれば、身に余る光栄といったところなのかもしれません。

ただ、花祭りは花が好きてシンパシーを感じてしまう人よりも、その美しさをそのまま受け止められる絵画などの芸術愛好家のほうが楽しめる祭りだなというのが正直な感想です。

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