「海外の仕事」外国で楽団員になり旅暮らししてみた~音楽のある旅

音楽の才能がある人、または舞台演出や音楽団体のマネージメント経験者限定ですが、世界各地に必ずといってもいい「楽団」に参加するという就職方法があります。

才能や経験の幅は、その楽団の芸術的レベルによりけり。収入に関しては、やはり芸術的レベルと地域性、そしてパトロンの懐状態次第といったところです。

どんな楽団があるのか

世界的に名を知られ、世界ツアーを行うような大規模な楽団もあれば、村の音楽好きたちが週末に集まって楽しむクラブ活動的な楽団もあります。参加する人の目的が、音楽に触れることや楽しむことであれば、村のクラブ活動でもかまいませんが、少しでも収入に結び付けたいなら、なんらかの収入を得ている楽団に参加する必要があります。

たとえ、村のクラブ活動レベルの楽団でも、村の祭りやイベントなどに出演して出演料をもらっていれば、ちょっとしたお小遣い稼ぎにはなるかもしれません。また、少しレベルアップして、市や県内でコンサートを開くレベルになると、楽団員として多少の給料が出るほかに、楽団員であることを宣伝として、音楽個人教師などの働き口も得やすくなります。

もちろん、有名どころの大きな楽団に参加できれば、給料もネームバリューもアップします。また、扱う楽器によっては、楽団内外でトリオやカルテットを組んで、別活動をしてさらに小銭稼ぎもできます。ただ、そのためにはそれに見合う能力が必要なのは、言うまでもありません。

楽団内にある仕事の種類

分かりやすいところでは、楽器を演奏するメンバー。大きな楽団であれば、100人規模のメインメンバーにそれをカバーする100名程度のサブメンバーが存在しています。バイオリンなどの弦楽器、フルートなどの管楽器、ドラムやシロフォンなどの打楽器や鍵楽器、そして指揮者と、楽団が大きくなればその楽器の種類も人も増えます。人気があって希望者の多いパートもあれば、比較的層の薄いパートもあります。

また、これらのメンバーたちのマネージャー的な働きをする人がいます。多くの楽団員はほかに本業または副業を持っているため、スケジュール管理が必要です。練習やコンサート本番に関しては、メンバーの組み合わせも考える必要があります。お給料管理もしなければなりません。

練習場所の確保、楽器の保管場所やレンタルの手配、コンサート会場の予約、チケットの販売といった、営業活動を行う人も必要です。さらに、多くの楽団はサポーターやパトロンを持ちます。それが、国や地方公共団体などであれば、安定したサポートを受けられますが、企業や個人からのサポートを受けている場合には、それなりの結果を出さなければ、契約を打ち切られてしまうこともあります。

この場合の結果とは、チケットの売れ行き、コンサートの盛り上がり、コンサート後の評価など。パトロンたちの多くは必ずしも楽団から実質的な金銭的な利益を得ようとしていない場合が多いものの、自尊心を満足させるに足る活動をしていない楽団には見切りをつけてしまいます。楽団は一つの企業と同様に、広報活動し営業をし、収支を報告する人の存在を必要としているのです。

さらには、大きな楽団の場合、舞台技術者も必要になります。衣装に関するデザイナーがつくこともあります。クラシックなどのコンサートに足を運んで耳を傾けただけでは、見えてこない裏方の仕事がたくさんあるわけです。

楽団に入るためには

楽団の音楽レベルにもよりますが、収入を得ている多くの楽団はその入団のためのテストを行っています。入団テストは、希望者が現れた時や、欠員が出たときに不定期に行われることもあれば、年に1回定期的に行っている場合もあります。

また、入会金を支払えばほぼノーパスで入団できるような楽団もあります。ほとんど楽器に触れたことのない素人であっても、楽団に入ってから教えてくれる、そんな初心者歓迎の楽団さえあります。ただ、その楽団内で収入に結びつく活動ができるようになるには、かなりの修行時間が必要になりそうですね。

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※投稿記事とは無関係です。

楽団で稼げるの?

重要なポイントです。楽団員になれたとして、はたして収入を得られるものなのでしょうか?

もちろん、収入を得ることは可能です。でも、どんな楽団のどんな楽団員であっても収入を得られるのか、それが十分な額なのかといえば、答えはNo。

楽団員として生活を成り立たせることができるのは、大手の楽団のメインキャストだけ。それ以外の中小楽団のメンバーたちは、それがメインメンバーであろうと補欠であろうと、別に収入の口を持っていなければ、生活していけない、その程度の収入しか得られません。

外国からやってきた名のない音楽家がヒョイっと楽団に参加したとしても、それで食べてはいけないのです。あくまで、お小遣い稼ぎになるかどうかといった収入しか得られない場合がほとんどだと知っておきましょう。

ただし、マネージメント部門に就職すると話は別です。実は、中小レベルの楽団の場合は、楽団員よりも裏方の方が収入は安定している傾向があります。ただし、その必要枠は少数なので、職を得ること自体が難しいという現実もあります。

どこのどんな楽団が狙い目か

ヨーロッパやアメリカでは、楽団数が非常に多いので、どんな楽団でもいいから音楽に携わりたい! という人には向いているでしょう。ただ、それだけ音楽家(のタマゴ)も多いので、一つの空き枠に何十人もの応募があるという例も少なくないそうです。

一方で、南米やアジアなどでは、楽団の数自体が少なく、また音楽家(志望者)の数も少なめ。運よく補充しようとしている楽団があれば、滑り込める可能性があります。

実力にかなりの自信があれば、アメリカやヨーロッパで武者修行のつもりであちこち当たってみるのもいいでしょう。実力はあっても、手っ取り早く職を得たいなら、アジアなどの方が適しているかもしれません。

楽団員の生活って?

ほとんどの楽団員は楽団員としての収入だけでは生活ができないため、楽団員以外の本業、または副業を持っています。

楽団員としての練習を欠かすことは楽団員の資格を失うことにつながるため、彼らの多くは、練習日や時間からずらして働けるパートタイムの仕事についていくことが多くなります。ある程度実力のある人の場合は、それが音楽個人教授であり、短時間であってもそれなりの単価になりますが、そのレベルに至っていない場合には、普通の店や会社のパートタイマーとして働きつつ、自分のパートの個人練習をし、全体練習もするというハードな生活をしています。

まとめとして

コンサートなどで見ている限り、キレイな服装で颯爽と美しい音色を奏でる楽団員たち。でも、音楽で食べていくのは非常に大変なことなのです。

よほどの実力を持つ人でない限り、ノマドの旅先でちょっとお小遣い稼ぎで参加するには難しい職業といえるかもしれません。

それでも、世界各地の中小楽団にテスト入団して腕を磨きながら渡り歩いている人は、日本人を含めて結構な数がいます。彼らは長くても数年単位で違う地域の違う楽団へと移っていきます。ある意味、音楽を生活手段としたノマドそのものですね。ノマドで楽団員というのも、夢のまた夢というわけではないわけです。

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