「海外の仕事」外国で運び屋(クーリエ)をしながら旅暮らし

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日本語で「運び屋」と呼ぶと、怪しげな違法物を運んでいそうです。でも、クーリエと書くと、急に洗練されて聞こえませんか?

クーリエとは、大切なもの、重要なものを、航空機を使い、人の手で運ぶことや運び人をいいます。運送会社には任せられないものを大事に大事に運ぶというこの役割。世界各地を飛行機で行ったり来たり。もちろん、交通費は会社持ち。ノマドなら誰もが一度は憧れる職業かもしれません。

クーリエって?

もともとは外交官が外交文書を運ぶ、その作業のことをクーリエと呼んでいたそうです。その音から想像できるように、フランス語源の言葉で、「飛脚」という意味なのだとか。

今でこそ、文書はメールで電子ロックをかけて送ることもできますが、以前は機密外交文書も封印した形で手運びしていたわけです。この役割、時には命がけです。

今でも、その習慣はあるそうですが、確実のその数は減っていることでしょう。

かわりにクーリエという名称を受け継いでいるのが、国際宅配便。世界にはメールボーイやバイク急便のように、運送業者などの流通経路を介することなく、人の手だけを介して物を運ぶ仕事があります。現代のクーリエは、これの国際版だと考えればいいでしょう。

クーリエサービスを行っている大手

FedExやUPSなどのアメリカ系国際輸送業者、DHLやTNTなどのヨーロッパ系国際輸送業者が先駆的にクーリエサービスを行ってきました。

日本でも日通をはじめとし、いくつかの大手輸送業者が国際宅配便を扱っています。ただ、完全に送り手と運び手と受取り手の3人だけで行われるクーリエは少なく、どこかにトラックの荷台や飛行機の貨物室などに置かれるためにほかの作業員の手に触れる時間があるなど、一般流通経路が含まれることが多いようです。

もっと個人的なクーリエもある

輸送業者ではなく、人材派遣的なクーリエも存在しています。これは、「すごく壊れやすい製品を日本からアメリカまで運んでほしい」といった要望を受け、運び人(クーリエ)が現場にブツを受け取りに行き、そのまま交通機関を利用して空港に入り、手荷物としてブツを抱えたまま航空機で移動し、現地で引き渡すべき人の手元まで運ぶというクーリエサービスです。

運送業者を信用して頼むサービスではなく、運び屋であるクーリエを信用して頼む仕事です。

クーリエ人材を登録している会社に派遣を頼む場合もあれば、個人でクーリエを行っている人を、口伝などで知って頼むこともあります。

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クーリエのアルバイトはおいしい?

時間はあるものの、お金があまりない学生は、教授やその知人などに頼まれて、このクーリエ役をすることがあります。運ぶのは、実験や研究関連の資料であることが多いようです。時には動物の場合も。

これ、交通費はもちろん込み込みで、現地で勉強ができたり観光ができたりというおいしいオマケがつくため、人気があるとか。交通費や滞在費は心配ありませんが、せっかくもらった実際の日当は現地の遊行費になってしまいそうです。でも、これこそまさにノマドの夢。

クーリエの仕事はどこで見つけられるか

口コミや紹介で、というのが多いようですが、クーリエを扱っている運送会社に登録する方法もあります。また、個人でアドバタイズを出すことも。

雑多なアドが載るクラシファイだけでなく、経済紙や現地日系誌などにも載せてみるといいでしょう。逆に、クラシファイ上で募集がかかっていることもあります。

ある人は、母親の形見のステンドグラスのペアランプを日本に持ち帰りたいが、どんな運送屋であっても手から放して送れば必ず壊れると信じていて、誰か一緒に飛行機に乗って運んでくれる人を探さなければと募集をかけていました。もちろん、往復の交通費と現地での1泊料金にバイト料も日当で2日分支払ったそうです。

その時のバイトクーリエは、現地の大学生。彼は、往路の飛行機は依頼人と一緒に乗り込んで、大切にステンドグラスを運びましたが、復路のチケット代は現金支給にしてもらい、日本で別れて1週間ほど滞在してから帰ったそうです。そんな例もあります。まさにノマド向け。

クーリエは信用第一

クーリエの仕事は意外とたくさんあります。実際にクーリエのアルバイトをしていた人の話だと、ひっきりなしに仕事の紹介があるそうです。でも、長距離移動であり、条件によってはとんぼ返りを要求されるものも多く、意外とキツイというのが現実とのこと。

彼は現地の大学を卒業後、子どもたちの家庭教師をしながら海外留学費用を貯めるためにとクーリエのアルバイトをしていました。真面目な彼は、大事なものを運ぶという緊張感もまたつらかったといいます。

でも、そんな責任感ある彼だからこそ、信用されて仕事がたくさん舞い込んだのだろうと思われます。

また同じ彼の話によると、誰か信用できる人を紹介してほしいとクーリエ斡旋会社からよく頼まれたそうです。彼自身は親戚がその会社の経営に携わっていたことから、紹介されたとのこと。クーリエの仕事は信用第一。だからこそ、紹介が大きな意味を持つようです。

クーリエがはらむ危険性

国や地域にもよるのでしょうが、私が話を聞いたクーリエによると、クーリエは、自分が運ぶその荷物の中身を知る権利があるそうです。ただし、「今回は○○だから」と教えられることもあれば、何も言われないこともあるとか。

そして、何も言われないときは何も聞かないのが無言の鉄則だったそうです。ちょっと怖い気がしませんか?

また、受け渡しも緊張の瞬間です。大金をかけて人の手で運ぶようなものです。中身が違うと言われたら一大事。受け渡し前も、しっかりとシールされた箱や封筒であっても、相手に渡して受領印をもらうまでは、体調を崩そうが意識を失うわけにはいかないし、ロングフライトで眠くなろうが眠りこけるわけにもいかないと感じていたそうです。

実際のクーリエには、しっかりと保険も掛けられているそうなので、そこまで緊張する必要はないのかもしれませんが、それぐらいの覚悟は必要なのかもしれません。

きちんとした会社や個人に頼まれたクーリエであれば、危険物を運ばされることはありませんが、それでも、万一空港で別室に呼ばれれば以上に緊張するでしょうし、楽な仕事では必ずしもないようです。

まとめとして

クーリエの仕事は、ノマドにとって、物をちょっと運ぶだけで、交通費タダ、ひょっとしたら現地滞在費用もタダになるかもしれない、すごくおいしい仕事です。

でも、美味しい仕事には落とし穴がある場合も。クーリエは頼む側もクーリエの信用性を見定めますが、クーリエ役として雇われる側もまた、雇い主の信用性を見極める必要がありそうです。

美味しい条件にふらついて、空港で逮捕されるなんてことになっても、運んでいるのは自分。中身が何か知らなかった、運んだだけだと言ったところで、そう簡単には許してもらえません。クーリエの仕事を受ける時には、くれぐれも慎重に。

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