シンガポール最初の世界遺産~シンガポール植物園を訪れて

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東京ドーム13個分の巨大植物園がシンガポール最初の世界遺産に~シンガポール植物園「Singapore Botanic Gardens」/シンガポール

植物園というよりは、自然公園といった感じ。ところどころにある不自然な芝生エリアやステージ、ベンチに遊歩道、レプリカツリーなどがなければ、その広大さと緑の深さはとても人工的なものとは思えないだろう。大都会シンガポールの中心からすぐの場所にこんな自然エリアが大きく場所を取っているとは、シンガポールリピーターにもあまり知られていなかった。

しかし、世界遺産に登録された今、急激に注目を浴びるスポットになっている。

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シンガポールの世界遺産

シンガポールは観光都市だが、2015年まで世界遺産という目玉は1つも存在していなかった。

シンガポール植物園が世界遺産に登録されるに至った理由は、現在のシンガポールの発展につながるゴム産業の基礎を作ったのがこの植物園での研究だったこと、ゴム産業の発展が世界の近代産業、後の自動車産業の発展につながっていったと認められたから。

また、現在のシンガポール植物園は、都市化が進むシンガポール、マレー半島、東南アジアエリアの中で、「緑化を推進するシンガポール」というイメージを作り出すことにも一役かっている。

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設立の経緯

シンガポール植物園の礎は、植民地時代のシンガポールの発展に大きく貢献した「トマス・スタンフォード・ラッフルズ」や植物学者たちによって築かれた。

最初は、シンガポールで栽培し今後経済的な収入へと結びつけることが可能な果物・野菜・香辛料などの実験的な成育調査のための実験植物園だった。そしてこの実験植物園はその後、32ヘクタールの土地を植民地政府から借り受けて拡大し、「シンガポール植物園」として正式にスタートを切ったのだ。

また、日本統治下にあった太平洋戦争時にも、この植物園は日本人学者と現地研究者らスタッフによって自然科学の研究施設としての機能を維持したままで終戦を迎えた。日本の撤退後には、イギリス、マレーシア連邦、シンガポール政府がそれぞれに植物園の管理を引き継いで現在に至っている。

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見どころナンバー1は「国立洋ラン園」

シンガポール植物園は原則無料。広大な敷地内を散策するのもジョギングするのも、ピクニックするのも自由。ただ、国立洋ラン園だけは有料施設になっている。

1000種もの原種ラン、2000種の交配種ランが育つエリアは世界最大規模。シンガポールのラン産業ここから始まったといっても過言ではなく、長年ランの交配と繁殖の研究が行われてきた成果が、文字通り花開いたというわけだ。

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国立洋ラン園内の「VIPオーキッド・ガーデン」

3ヘクタールの敷地内に6万株が植えられているが、その中に3つの特別展示エリア「VIPオーキッド・ガーデン」「クールハウス」「ミストハウス」がある。クールハウスは冷涼な高地で育つラン類が集められ、ミストハウスには主に新しく珍しい交配種が展示されている。

国立洋ラン園内一番の人気スポットである「VIPオーキッド・ガーデン」には、世界各地からこの植物園を訪れた著名人たちに敬意を示し、彼らの名を冠した新種のランが育てられている。

たとえば、日本なら今上天皇、皇太子妃雅子さま、氷川きよしなど、海外ならサッチャー元首相、ダイアナ妃、ジャッキーチェンなどの名を目にすることができて、そのイメージとランの姿のマッチング度をチェックできる。

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子連れなら「ジェイコブ・バラスこども園」

植物園らしく、光合成や植物を使った染物の展示などもあるが、メインは遊び。ツリーハウスや吊り橋、水場に迷路と、子どもたちが緑の中で元気いっぱいに遊べる工夫が凝らされている。

ただし、緑はいっぱいでもそこは熱帯シンガポール。日中はかなりの熱気と湿度、そして虫にも襲われるため、朝や夕方などがおすすめだ。

ジンジャー・ガーデンは大人向け

多くの種類の香辛料が植えられている中、もっとも力が入っているのが「ジンジャー」。

ショウガは日本でも日常的なスパイスの一つとして利用されているが、見かけるのは根の部分ばかり。夏場に葉ショウガがちらっと出回る程度だろう。ジンジャーの花を見たことのある人は少ないはず。

ジンジャー・ガーデンには、世界の熱帯雨林に広く育つジンジャーの仲間が集められ、花を咲かせている。驚くほど美しい花が多く、独特の香りにも感心。ただ、ジンジャーの花の命は短く、早朝に咲くと昼前にはしぼんでしまうのが残念だ。

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エボリューション・ガーデン

地球の誕生とともに進化を始めた植物。長い地球の歴史と同じだけの歴史を持つ植物たちの変遷を紹介するエリアだ。

藻類やシダ類、レプリカで作られた古代の木々など、遊歩道を散策しながら、その進化の過程を見て行ける作りになっている。夏休みの宿題にもピッタリ。

シンガポール植物園で出会う生き物たち

植物が自然な形で育っている以上、そこには虫も鳥も爬虫類も、それ以外も集まってくる。ラン園では珍しい蝶が舞い、大きな木が生い茂るエリアではムクドリの仲間が群れなして叫び声をあげながら飛んでいる。

そんなシンガポール植物園での一番の大物は「オオトカゲ」。下草がガサガサと揺れたら、そこからひょっこりと顔を見せるかもしれない。その体長は50センチ以上と日本で見かけるトカゲとは別種のようだが、その姿にはドキっとさせられる。それでも襲い掛かってくるようなことはないので、互いに距離を保ったところから挨拶を交わしておきたい。

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シンフォニー湖とステージ

植物園内には「シンフォニー湖」「エコ湖」「白鳥の湖」の3つの湖が配置されている。それぞれに休憩所が設けられたり、遊び場が作られたりしているが、シンフォニー湖にはシンガポール交響楽団の常設ステージともいえる演奏ステージがあり、週末を中心に定期的に無料コンサートが開催されている。

このコンサートは熱帯の国シンガポールだけに夜に行われることがほとんどで、ステージの前のシンフォニー湖を挟んだ芝の広場にピクニックマットを敷いての鑑賞となる。ピクニックマットのほか簡単な飲食物と虫よけ、そして万一の雨に備えた傘かレインコートを抱えて場所とりをしよう。

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早朝の太極拳やヨガ

ラン園やこども園などの一部の施設はもう少し日中に偏った営業時間になっているが、植物園は早朝5時から深夜0時までオープンしている。

朝っぱらから植物園? と思われるかもしれないが、ここはシンガポーリアンにとって植物園というより公園。中国系のシンガポーリアンの朝は、太極拳から始まるのだ。

ゆっくりとした動きで舞う団体もいれば、剣を手に激しい舞を繰り広げるグループもいて、おもしろい。メンバーオンリーの集まりもあるが、見よう見まねで参加して怒られることはまずない。飛び入り参加を楽しんみるのもいいかもしれない。

また、早朝や夕方の涼しい時間には、ヨガマットを持ち込んで不思議なポーズをとる個人やグループもいる。生活に密着した植物園なのだと新鮮な驚きを感じられるだろう。

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夜にはナイト・アット・ザ・ボタニックガーデン

深夜0時まで開園しているため、夜になっても植物園内には多くの人の姿がある。

コンサートなどのイベントが行われている日以外でも、遊歩道や広場、トイレなどにはしっかりと明かりがともされているので安心。日本の夜の公園(植物園)で見かけるのはカップルばかりのように思えるが、シンガポールは暑い国なので、遅い時間になって家族連れでピクニックに来ていたり、老夫婦が散歩をしていたりとほのぼの。

昼間には見かけないような生き物の気配を感じたり、鳴き声が聞こえたりと、ナイト・アット・ザ・ボタニックガーデンも存分に楽しむことができる。

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最後に

シンガポールのメインストリートである「オーチャードロード」から1.7km、暑さに負けなければブラブラと歩いても辿りつける距離であり、タクシーならあっという間。そんな場所に南北に細長い巨大植物園が横たわっている。

シンガポール観光といえば街中でのショッピングか島嶼部でのリゾートがメインだったが、これからは「世界遺産・シンガポール植物園」の人気が間違いなく高まることだろう。そして、訪れた人はシンガポールの隠されていた新しい魅力を見つけ出すはずだ。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

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