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中国は複数宗教国家。中国国内には見た目も言語も中国人でありながら、信仰する宗教はイスラム教という人々がいます。
中国国内になんと1000万人近いといわれるイスラム教徒のうち約半数をしめるのが「回族」と呼ばれる少数民族集団です。
回族にはこへ行けば会えるの?
回族は中国国内に散らばり溶け込んで生活しています。パっと見では区別がつかないことも少なくありません。
中国西部や南部には特に多く、比較的大きな居住地区(コミュニティ)を形成していることもあります。有名なところでは、広州にある「懐聖寺」や泉州の「清浄寺」を中心とした回族コミュニティがあります。
回族はどんな生活をしているの?
ほとんどの回族が、一般的な中国人と外見的生活面では変わりなく過ごしています。
ただ、彼らにはお祈りの場所と時間が必要です。そのため、中国国内にある、回族たちが建てた清真寺がモスクとして礼拝堂の役割を担っています。都市には必ずこの清真寺があり、回族はその周囲に集まって居住していることが多いようです。
また、ほとんどの回族はムスリムであることを隠すことはありません。地域によっては、男性は帽子を、女性は布で髪の毛を隠している姿も見かけます。
生活上は中国文化に馴染んだ部分があるものの、食生活ではイスラム色が濃く残っているほか、イスラム歴に基づいた「ラマダーン」などの祭りごとを行うなど、彼らの宗教的ルーツをうかがうことのできる伝統も守り続けています。
回族は何を食べているの?
イスラム教徒は豚肉を食用しません。また、牛肉もまた避けることが多く、主に羊肉や鶏肉を食用にします。そして、アルコールは厳禁。
回族もこれらの食のルールやタブーを守って生活しています。そのため、一般的な店で外食や買い物がしにくく、同じ回族が経営する専門店から購入するか、時給自宅自炊が多く、食文化に注目してみると、もっとも中国文化に溶け込めていない部分といえそうです。
中国の街を歩いていると、羊肉の文字が躍る看板を見かけることがあります。一つ見つけると、そこここに似たような店が…。そここそ回族の食のコミュニティです。
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回族ってどんな服装をしているの?
普段の回族の多くは、パっとみてわかるような特別な服装はしていません。でも、老人は白い帽子をかぶって髭を生やしていることがあります。ただ、顔は中国系なので、帽子さえなければ、中国の歴史に登場する仙人のようにも見えます。
男性の調理人のような白い帽子に対して、女性では白いほっかむり姿を見かけます。ただこれも、回族の中でもイスラム色の強い人とそれほどでもない人がいるため、ほっかむりをかぶるかどうかも、ほっかむりのかぶり方も地域差や個人差がけっこうあります。
ただし、清真寺(モスク)で礼拝するときには、男性も女性も原則として顔と手先以外の肌を隠し、裾の長い上着を着て祈りを捧げるスタイルが一般的です。
回族の仕事は何を?
古くからのつながりをたどり、アラビアやペルシア方面と輸出入を行っている人がいます。また、イスラム教徒は漢民族と食文化において大きな違いがあるため、そのための食材卸、食材販売、レストランなどを経営することも多いようです。
回族の恋愛事情と結婚事情について
回族は中国人であってもイスラム教徒。そして、イスラム教徒は原則として永遠にイスラム教徒です。
そのため、イスラム教徒はイスラム教徒と恋愛し結婚するのがルール。ただし、家系的にイスラム教徒であることを求めるわけではなく、一個人がイスラム教徒である、またはイスラム教に改宗すれば、多くの場合は問題ありません。ただし、種族の長による宗教確認を経て、婚姻の儀式を受けなければ、結婚そのものが認められないなど、独自の制度も残っています。
結婚式はイスラム教に則って行われます。中国では、一般的に男女の身分や地位の差が小さいのですが、回族の場合、女性の地位は男性のそれよりも低く扱われる傾向があるのも、特徴的といえます。
回族のイベント・祭りについて
イスラム歴をもとにしたイベントや祭りを中心として祝いますが、中国の暦にそった祭りにも理解を示します。
まず、毎年ラマダーンが明ける「開斎節」を盛大に祝います。ラマダーンの過ごしかたそのものは、イスラムの教えの通り、早朝から日が沈むまでの間断食をするというもの。ただし、都市部の若者を中心に、このラマダーンの過ごし方はどんどん緩くなってきているそうです。
ただし、祭りは別。ラマダーン明けの日が平日であっても、少数民族への対応として、学校や仕事を休んでもいいことになっているらしく、清真寺に集まって祈りを捧げ、集会所や自宅で宴会を開きます。
もう一つ特徴的なのが回族の葬儀。
死者は速やかに埋葬されなければならないとされます。死を悼んで長く身近に置くことはタブーなのです。また、火葬を嫌って土葬を行い、その際御棺には入れず、白い布でくるんだ状態で埋葬します。
葬儀そのものは派手ではなく、粛々としきたりに従って行われます。最近は、コミュニティ内に冷凍設備の整った葬儀施設が作られ、死者の体を清めて布にくるむなどの作業を行う場所が提供されています。
これらの葬儀にはイスラム教徒以外は原則として携わることも参加することもできません。
回族の民族的な由来は?
唐の時代、陸のシルクロードである中央アジアや海のシルクロードであるインド洋を通り、アラブやペルシア方面から多くのムスリムが中国圏へと流入してきたとされます。彼らが回族の祖先。
彼らが中国の現地民と婚姻して混血し、現在のように見た目にはかなりすっかり中国人化しました。ただ、彼らの祖先が持つ白い肌や青い目などはその血筋に時折名残を見せています。
中国の歴史に表れる「色目人」は、中国領内で暮らす外国人のこと。古くは、自分たちの伝統的な文化をかたくなに守り、中国文化に馴染まない者たちを指すこともありましたが、特にイスラム教徒を中心に地文化に溶け込む者もあらわれ、それが回族につながったとされます。
歴史の教科書に登場する明の武将「鄭和」は、まるで冒険家のように中国領地外へと飛び出していきましたが、彼もまたイスラム教徒だったそうです。
現在の回族たちが抱える問題は?
歴史の中で、迫害を受けたこともあれば、懐柔されたこともある回族ですが、現代は、少数民族「回族」として認定され保護も受けています。
本来は、中国領外から移り住んできたイスラム教徒の子孫を指す「回族」という言葉ですが、近年は「イスラム教徒」そのものを指すこともあれば、アラブやペルシアなどの背景を全く持たない純漢民族でも、イスラム教に改宗したら含むか含まないかなど、少数民族「回族」の認定範囲でモメることもあるといいます。
まとめとして
中国のイスラム教徒というと、「ウイグル族」が知られています。回族と違い、ウイグル族は新疆ウイグル自治区に集中的に暮らす民族で、中国文化に溶け込んでいるとはいえません。
そのため、中国政府はウイグル族に対しては締め付けを、回族に対しては懐柔をという姿勢を見せることが多いようです。
中国の都市部を旅していて見かける、一風変わった姿の寺や、変わった帽子やほっかむりの人々、さらには、羊肉専門の飲食店。これらは、中国と混血し文化的に受け入れられる部分を受け入れ、それでも自分たちらしさを保とうと長年にわたって葛藤し努力してきた回族たちの現在の姿といえるでしょう。
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