旅先での出会い~少数民族 ゴロカ族(マッドマン)の暮らしを体験!

マッドマン(泥人間)とも呼ばれるゴロカ族がこの世に知られるようになったのは20世紀に入ってからのこと。まるでハロウィーンの仮装中のような不思議な姿の彼らは、他の文明と完全に切り離されてきたこともあり、独自の文化を持つことがようやくわかってきたところです。

また、見た目とは違って穏健な彼らとの触れ合いは、ニューギニアへの旅の一つの楽しみとしても知られつつあります。

ゴロカ族(マッドマン)にはどこへ行けば会えるの?

ニューギニアの空の玄関ポートモレスビー空港で国内便に乗り換えて1時間ちょっとでゴロカに到着します。そう、ゴロカは地名でもあるのです。ちなみに、ポートモレスビーからゴロカまで、まともな陸路はなく、車での移動は不可能です。

ゴロカ族はゴロカ空港のある平地からさらに車で45分ほどのアサロ渓谷に村を作って暮らしています。街から村までは、乗り合いマイクロバスが運行しています。

このあたりは標高が2000m近くあり、アサロ川沿いは格好のトレッキングコースとしても知られています。車のかわりに歩いていく人も多くいます。

現在のゴロカ族は普通の洋服を着て、近隣に増えたコーヒーのプランテーションなどで働いていることも多いのですが、パプアニューギニアを代表する少数民族としても、エンターテイメント性の高い観光名所としても、村人たちは訪れる観光客に対して、マッドマンとなって「ゴロカショー」を見せてくれます。

ゴロカ族(マッドマン)はどんな生活をしているの?

空港や市場のあるゴロカの街に比べて、アサロは村。それもかなり田舎の村です。

電気・ガス・水道といったライフラインはここには到達していません。明かりは空とろうそくから、水は川から、火は手起こしという昔ながらの生活を今もおくっています。

もちろんトイレもありません。逆に言えば、その辺りの茂みはすべてトイレ。お風呂は川での水浴です。パプアニューギニアというと、裸で暮らせる暑い国のイメージですが、アサロは高山地帯。空気もひんやりなら水もよく冷えています。この水浴は一種の修行のような感覚です。

ゴロカ族(マッドマン)は何を食べているの?

ゴロカでは、サツマイモやタロなどのイモ類が作られています。これに、青野菜を加えてバナナの葉でくるんで蒸し焼きにする料理が食べられています。

ちょっと豪華に豚肉がはいったり、コーンが加わったりすることもあります。

味付けはシンプル。ほとんど素材の味だけ。観光客にこのヘルシーな食事が振る舞われることもありますが、塩コショウを用意しておくとよりおいしく味わえるかもしれません。

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ゴロカ族(マッドマン)ってどんな服装をしているの?

マッドマンと呼ばれる所以は、彼らが全身に泥を塗りたくっているから。

世界に泥や土を肌に塗り込む民族は少なくありません。ただ、その多くは、健康のためだったり、カムフラージュのためだったり、威嚇のためだったりします。ところが、ゴロカ族の場合には、精霊に近づくことが表向きの理由であり、現実な理由としては、戦闘相手の戦意をくじくところにあります。

「白い人=精霊」「精霊=恐ろしい」「白い人=泥まみれ」という意識経路によって、「泥まみれのゴロカ族は恐ろしい精霊だ」ともっていく、彼らなりの戦う(または戦いを避ける)ためのスタイルといえます。

元の肌がかなり浅黒いため、泥を塗って乾くと白灰色に。さらに、隠しようのない髪の毛を含む頭には、同じく灰色の大きなヘルメット型のお面をかぶります。このお面の顔も、恐ろしい精霊をイメージしているそうです。

ゴロカ族(マッドマン)の仕事は何を?

水が豊かなこの地では、かなり古くから農耕が行われてきたとされます。ゴロカ族も、農業のほか、野生の豚などを半家畜化したりするほか、手作りの弓での狩猟や虫や木の実などの採集も行ってきました。

ただ、現在のゴロカ族の多くは、わずかに農耕牧畜を行うほか、近隣に作られた大規模なコーヒープランテーションなどで働くことも増えています。また、マッドマンを求めて訪れる観光客相手のゴロカショーも彼らの重要な仕事です。

ゴロカ族(マッドマン)のイベント・祭りについて

ゴロカ族が伝統的に行ってきたイベントではありませんが、彼らのマッドマンとしての文化を伝えるイベントが「ゴロカショー」です。

ゴロカショーは本来、毎年9月に1回、パプアニューギニア最大の祭りとして、80もの部族が集合してそれぞれのダンスや特技を披露するものです。もちろん、ゴロカ族もメインキャストとして登場します。

また、ゴロカショーはよりローカルな場所・機会にも行われます。先にご紹介したように、アサロ村ではマッドマンがゴロカショーを見せてくれます。

このマッドマンゴロカショーでは、村の背後の森から煙が立ち上り、その向こう側からひっそり忍び足で無言のままのマッドマンが現れるところから始まります。もちろん、全身は灰色の泥まみれ、頭にはおかしなヘルメット面をかぶっています。さらに、手には手作りの弓や槍が握られています。

彼らはなんとなく及び腰で、そのまま静かに観客の目の前まで迫ってくると、観客に向けて弓をひき、やりを構えます。マッドマンの登場に一度は沸き立つ観客も、ショーだとわかっていても、この瞬間緊張感のあまりかたずをのみ込みます。

たしかに、戦いたくないと逃げ出したくなるあやしさです。

ゴロカ族(マッドマン)の民族的な由来は?

1000年以上前から農耕を行ってきたらしい…とか、神話や伝承などが山盛りあるといった情報はあっても、彼らの伝統的な文化や民族的な由来に関する研究はあまり進んでいません。

その原因の一つが、彼らが「発見」されてまだ100年にも満たないこと、彼らが長く自然に「隔離」された民族だったことから、その言語文化の解明が不十分で、研究の遅れをさらに助長しているという状況なのです。

今後、言語を含めた研究が進むのが先か、彼らの伝統文化が知らぬ間に消滅していくのが先か、心配されるところです。

マッドマンに変身するようになったきっかけは一応知られています。

アサロエリアを争っていたほかの部族との闘いを避けてアサロ川の泥の中で隠れていたゴロカ族。敵が発見した時には、全身泥だらけの灰色に変身していたのです。これを見て、「精霊だ!」と畏敬の念を抱いてしまった敵は、その後ゴロカ族と敵対することを避けたとか。

泥んこ作戦は、偶然の産物だったようです。

まとめとして

ゴロカ族の村を訪ねるには、首都を通過します。残念なことに、パプアニューギニアの都市部の治安は非常に悪く、危険度マックス!

ゴロカ村へは、非常に割高な国内便を利用する人がほとんどですが、中には1週間のトレッキングキャンプでのコースもあるそうです。森に入ればギャングはいないと思いきや、山賊も多くもぐりこんでいるそうなので、要注意。

また、現在のゴロカ族にとってマッドマンは通常モードではありません。そのため、マッドマン化してもらうゴロカショーをお願いすることになります。

これは、有料のサービスで、ツアーなどで参加するとツアー代金に含まれてはいるもののかなりの高額設定。個人的に訪ねれば、質素ながら食事がついたり、彼らの家での宿泊サービスを受けることができて、料金も割安。幸い、ゴロカやアサロエリアまで行けば、それほど治安も悪くないので、個人での訪問がおすすめです。

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