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ヨーロッパ各地で暮らす移動型の民族「ロマ」。定住せず、国籍を持たないこともあります。
常に移動しているところは、遊牧民族ノマドと同じ。でも、その世間での受け取られ方は大きく異なります。
ロマにはどこへ行けば会えるの?
ロマは流浪の民。ここに行けば必ず会えるという場所はありません。定住しているロマもいますが、彼らは時に完全に、時には微妙に浮いてはいても、社会に溶け込んでいるため、本当にロマかどうかの区別がつきません。少なくとも、同じ社会で暮らしていない日本人にはわかりにくいでしょう。
ロマの多くが、ヨーロッパ各地で迫害されてきたため、決まったコミュニティを作り出せなかったという事情もあります。ただ、一部の旧社会主義国ではロマを少数民族であっても国民であると認めて定住化や混血化を進めたため、現在も、ロマはロマ血筋を引く人たちに出会える可能性が高いといえます。
ただ、ヨーロッパでは、旅先で物乞いをしている人や、公園などで浮浪者になっている人に対して、通りかかる人やガイドなどが、「あれがジプシー(ロマ)だよ」と差別的な発言をするので、ロマの存在を知ることがあります。
また、ロマは民族間での同族意識が薄いとされます。別地域のロマ同士で連絡を取り合ったり協力しあうということはほとんどありません。これは、長年の迫害の歴史から、ロマ達がそれぞれの身近な社会に溶け込んでしまうか、逆に完全に飛び出して孤立するかのどちらか両極端に置かれたことが多いのも関係していそうです。
ロマはどんな生活をしているの?
ロマはジプシーと呼ばれることもあります。ロマたちは音楽的な才能に秀でていて、また男女ともに美麗な外見を持つ傾向が強いことから、旅芸人的な放浪の旅を続けている場合もあります。ただ、ロマたちのその行動を許す国は多くありません。
ごく一部のロマは混血化してその形跡を消していたり、多国籍社会の中に埋もれて、目立つことなく日常生活を送っています。でもほとんどのロマは今も、定住定職を持つことができず、放浪したり浮浪したりするしかない例が少なくないのです。
ロマはどこにいても、マイノリティです。生活面や就職などで差別を受けるだけでなく、住民権を与えられていないこともあります。それほど、迫害されてきた民族なのです。
その歴史は今も覆すことができていません。ロマはその血統をインドから引いているため、その外見がヨーロッパ系の人々と大きく異なります。そのため、目立ちます。
現代になってもまだ、一般教育を受けられないロマの子どももいます。
こうして、ロマたちは定住したくてもできず、難民キャンプなどで暮らすか、放浪や浮浪を余儀なくされているのです。
ロマは何を食べているの?
ロマが属する地域によっても違うようですが、野でとらえられる動物を食べる習慣があるようです。ロマは仲間以外が作ったり調理したものを食べることを嫌う傾向があります。そのため、自分たちが捕まえたものを食べるのです。
放浪型民族なので、農業はしません。野菜もまた、野草に頼っているのかもしれません。
たとえば、過去にはハリネズミを食べていたという話もありますが、現在は、鶏を飼いタマゴを、時には羊などを連れていてミルクを飲むことでたんぱく源を摂取しているようです。
これらは、昔ながらのロマたちの生活であり、現在は一般的なヨーロッパ人の食事と原則としては変わりない食事をとっています。
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ロマってどんな服装をしているの?
腰の細さ、お尻や胸の大きさを強調する服装をした女性、足の長さを強調した男性の服装など、ロマの民族的な衣装は、彼らの魅力的な外見をより魅力的に魅せるものでした。
胸が深く切れ込みピッタリとした上着とロングスカート。レースや刺しゅうものの肩掛けや腰飾りを身につけていることもあります。
男性は白いシャツに黒いパンツ、黒い帽子に黒い靴の姿が思い浮かびます。とてもオシャレにみえるものの、実際のところはあまり衣装には凝ることがないようです。
ロマの仕事は何を?
ヨーロッパ各地のローカルなイベントに乱入して、またはその近くで歌や踊りを披露して現金や食料などを得てきました。
古くは、城主や村の治め役などが、お気に入りのロマたちを年に数回、余興として呼び寄せて滞在させることもあったそうです。
ロマ達が得意とするのは音楽関係だけではありません。占いもまたロマたちが仕事としても趣味としてもたしなむものです。特にタロットは、ロマたちが発祥かもしれないという説も。
また、地域によっては、レンガ職人だったり、遊牧スタイルの牧羊人だったり、馬の放牧をしていたりといった例もあります。
ロマの恋愛事情と結婚事情について
ロマ達は自由恋愛主義。もともと、ロマには財産などの個人所有の概念がなく、すべてば集団全体の共用という考えが強かったそうです。その影響から、一夫多妻制が長くロマの間には残っていました。
現在も、伝統的な放浪型ロマの間では、一夫多妻制の習慣があるそうです。
また、気性の荒い傾向も強いとされ、男女間のいさかいは時に命がけの争いになることも。結婚は、一族やそのつながりの中から相手を選ぶことを優先しますが、ロマ民族外だからといって、結婚できないということはありません。
放浪ロマたちは、法律にも影響を受けないため、結婚・離婚などにあたって、一族への報告と長老の祝福はあっても、何かに誓うとか、届け出を出すという習慣がない場合も多いようです。
ロマのイベント・祭りについて
年に一度、真冬の2月の満月に合わせて、ロマ族の出身地ともいわれるインドに、ロマたちが集まって祝う「砂漠祭り」があります。
ここには、比較的自由で豊かなロマ達が集まってきて、踊ったり歌ったりといった、ロマらしい祭典が繰り広げられます。
ロマの民族的な由来は?
所説ありますが、インドとパキスタンの国境付近にそのルートがあるといわれています。
ロマたちは主に山岳地帯に集団で生活していましたが、地域の紛争に巻き込まれて現在のヨーロッパ方面へと移動を余儀なくされて、各地に散らばっていったとされます。
ただ、現在世界中でロマと呼ばれる人々も、その民族的なルーツが同じかどうかの研究は進んでおらず、はっきりとした由来は今もはっきりしません。
現在のロマたちが抱える問題は?
ヨーロッパでのロマへの偏見や差別は、移民問題という大きなニュースの前に、目に入りにくくなっていますが、確実に根付いているようです。
ロマの子どもが普通の学校に通わせてもらえない。スーパーへの入店を断られる。公共交通機関への乗車を断られる。そんな日常的な差別がヨーロッパ各地で起きています。
大きくクローズアップされている移民問題に対しては、それを解決しようとする動きがあっても、中世から続くロマへの根強い差別は、あまりに根が深く解決の糸口さえ見つけられない状況だといいます。
まとめとして
ヨーロッパを旅していた時、夜更けのバーの外で大きな叫び声が聞こえてきました。店の主人は慌てることなく、裏口に回ると、数分で戻ってきます。
「すいませんね。ジプシー(ロマ)が騒いでいるんです。毎晩来るんですよ。食べ物をたかりにね」と口を曲げて言い捨てました。
店を出る時には、「そっちの通りにはジプシーがいるから回り道するように」との注意まで受けました。
私自身が旅行中にロマたちから危害を受けたことはありません。でも、ロマらしい子どもが擦り切れた洋服を着て縋りつくように物乞いをしている姿、ロマらしい親子が素足でゆっくりと路地を歩きながら、ゴミを物色していく姿などを見かけ、豊かなヨーロッパの暗い面を見た気がしたものです。
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