旅先での出会い~ 少数民族 モン族(Hmong)の暮らしを体験!

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中国・ベトナム・ラオス・タイ

かつて、アジアの山奥にあった黄金のトライアングル地帯。そこで、芥子の栽培を行っていた少数民族として、その名を知られたのがモン族です。

現在は、トライアングル地帯の消滅や、芥子栽培の取り締まり、焼き畑農作の制限政策などの影響から、定住農耕民族化が進んでいます。

そのおかげで、独特の文化を持つモン族の姿や生活の様子を、彼らの定住した村を訪れれば必ず目にすることができるようになりました。

モン族にはどこへ行けば会えるの?

少数民族モン族として集団生活をしている姿を見るには、中国・ベトナム・ラオス・タイなどの居住地区を訪ねるのが手っ取り早いでしょう。

以前のように、一般人が近寄りがたい山岳地帯を転々としているモン族では出会いはなかなかありませんが、現在は、彼らの多くが定住しているため、電車やバスや車を乗り継ぎ、最後は歩いて彼らの村へとたどり着くことができます。

中でもタイ北部の山岳地帯には、観光客に対応しているモン族の村があります。

チェンマイから車や象(!?)でアプローチできるモン族の村はラオスから亡命してきたモン族たちが大勢暮らしています。

チェンマイから車なら1時間ほどでたどり着けるものの、その道はまさに林道か山道レベルのガタガタ道路で、電気が通ったのもごく最近という秘境レベルです。

「トライバル・ビレッジ」と呼ばれる現地では、1000人ほどのモン族が観光収入によって暮らしています。華やかな民族衣装や刺しゅう・ビーズ細工などが売られ、記念撮影もできるとあり、人気の観光スポットになっています。

モン族は何を食べているの?

米やトウモロコシを中心に、野菜も作るため、その食生活はバランスの摂れたものといえそうです。

香辛料を使った辛いものを好む村もあれば、シンプルな中華風の味付けを好む村もあります。それぞれの村のモン族の出身地から受け継いだ味と、現在の定住地の食文化の影響とが混ざり合っていて、特にモン族独特の料理や味付けというものはないようです。

モン族ってどんな服装をしているの?

モン族の中には複数の種族があり、その衣装の色合いの違いから「白モン族」「赤モン族」「花モン族」などと呼ばれています。

全てのモン族に共通しているのは、黒や青や白を主体とした布に、カラフルな刺繍を施し、さらにビーズを縫い込んでいること。

すべての衣装は家族の間で作られています。女性は特に色鮮やかで、スカートとシャツのほか、頭巾や帽子、帯やベルトなどのコンビネーションでオシャレを楽しみます。

自分の結婚衣装は自分で縫うため、手先の器用な人ほど早く結婚できるともいわれます。普段着と祭り着、正装などの違いもあり、それぞれに刺しゅうなどの凝り方が違います。

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モン族の仕事は何を?

古くは定住農耕を、その後は移動しながら行う焼き畑農業を、一時期はアヘン芥子の栽培を、そして今はモン族の多くが、定住して棚田を作るなど、再び古い時代と同じ農耕生活に戻りつつあります。

農作業は、老若男女を問わず行いますが、中心となるのは男性。女性、特に老人は縫物に時間と労力を費やします。それは、彼らの生活の中で使用されるものだけでなく、お土産品などとして販売することで現金収入にも結びついています。子どもたちは、年かさのいった子どもが幼い子どもたちの面倒を見ながら、農作業を手伝ったり、縫い仕事を習ったりしている姿を見かけます。

モン族の恋愛事情と結婚事情について

モン族は内部で小さな種族に分かれています。彼らが属するそれぞれの村によって、ルールが異なるともいわれます。

彼らの中心となるのは経験豊富な老男性。彼らは父系民族であり、村をおさめるのもまた男性なのです。

家族単位は核家族、もしくは長男家族と老夫婦が共同生活を送る二世帯家族が多いとされますが、一部にはいまも 一夫多妻制や、寡婦を兄弟で娶る制度なども残っています。

さらに珍しい習慣としては、「略奪婚」があります。最近は少なくなっているようですが、若い男性が気に入った女性を、本人や家族の同意なく略奪してきて強引に婚姻するという習慣もありました。

これらのモン族独特の結婚風習も、彼らが定住化した地域や国のルールに従う形で徐々に薄れてきているそうです。

モン族のイベント・祭りについて

モン族は農耕民族なので、農業の暦に合わせた祭りを祝います。また、新年も大切な祝の場であり、日本とよく似た風俗ともいえる、餅や酒を作ったり供えたりするほか、鶏を神に奉納し、その肉や血の「赤」を使って、浄めを行うこともあります。

家族での新年を祝った後には、集落全体でスポーツやダンスを楽しむなどのイベントで盛り上がります。

またモン族にとって、新春は祭りのシーズンであると同時にお見合いのシーズン、恋のシーズンでもあります。

イベントが開催される広場に集まったモン族の男女は、ボールを投げ合ったり、ダンスを楽しみながら、恋のお相手を見つけます。多い時には、千人以上の男女による大お見合いパーティーとなるそうです。

女性は特に念を入れた化粧と衣装で臨むため、その華やかさは圧倒されるほどです。

モン族の民族的な由来は?

モン族はミャオ族とつながる少数民族であり、その起源も近いとされます。

古代からその存在はあったとされ、今の中国国内に居住していましたが、漢民族の勢いが増すにつれ、徐々に西や南へと移動を余儀なくされた結果、現在のように広く国を跨いだ地域に散らばっていったようです。

モン族は近世から近代の戦時中に他勢力に翻弄された歴史を持ちます。自分たちの意思とは関係なく争いに巻き込まれた結果、行き場を失ったモン族も多く、彼らは政治的亡命をしたり、より人里離れた山岳地帯へとその拠点を移したりしていき、また同民族の間にも壁が生まれて、分断されていきました。

彼らは、本来は定住農耕民族でしたが、歴史に翻弄された結果、山岳地帯を転々と移動しながら焼き畑農業で生活していくというライフスタイルに、そしてそれさえかなわず、一部は武装したゲリラ化集団になった者もいます。

ただ、私たちが一般的に「モン族」と呼ぶのは、転々と移動する生活から再び定住農耕生活へと戻りつつあるモン族たちです。

現在のモン族たちが抱える問題は?

私たちが出会うモン族たちは、自分たちのルーツとは異なる国や地域ではあっても、その地に定住して馴染み、比較的安定した農耕生活を送っています。その姿は一昔前の日本の里山での暮らしを彷彿とさせます。

しかし、過去の戦中にさまざまな勢力に組み込まれ、巻き込まれた結果、モン族たちはゲリラ的な戦闘員になってしまったグループもいれば、いまだに政治的な理由から定住先を得られず、難民として転々としているグループもいます。

アメリカへと移民できたモン族たちもいますが、極端な生活の変化についていくことができず、かといって戻る場所もないという「迷いモン族」も問題になっているそうです。

まとめとして

旅行会社のパンフレットやサイト、旅行関連雑誌などで見かけるモン族は、小さくても実りのある畑を耕し、マーケットを開き、観光客たちに対しても明るく笑いかけてくれます。

私たちが出会えるモン族の多くは、数々の困難を通り過ぎて、今安定期に入ったほんの一部のグループに過ぎません。一方では、民族紛争の巻き添えを食って、定住も放浪も自分たちで選ぶことができずに彷徨っているモン族もいるそうです。

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