異常事態が発生!ウェンブリーで英仏大合唱のラ・マルセイエーズ!

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la3ウェンブリーで英仏大合唱のラ・マルセイエーズ!

「ヨーロッパ」「サッカー」といえば、異常なほどの盛り上がりを見せることが多く、熱狂的なファン「フーリガン」による大暴れも連想させます。国を代表するサッカーチーム同士が戦えば、競技会場もその周辺もまるで国の旗とそのプライドを掲げたファンたちが「我がチームこそが!」「我が国こそが!」と自国チームびいきぶりを発揮します。

ところが、2015年末にロンドンのウェンブリーで開催されたイングランドVSフランス戦は、その試合結果こそイングランドが勝利を収めたものの、競技場では英仏両サイドによるフランス国家「ラ・マルセイエーズ」の大合唱が起こるという「異常事態」が発生しました。

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イギリス人にとってのウェンブリー

サッカーの試合では「ホームゲーム」と「アウェイゲーム」があります。ロンドン・ウェンブリーで行われた「イングランドVSフランス戦」は、イギリス領内での試合であることからイングランドチームのホームゲーム。全てにおいて、イングランドが優先されます。例えば、試合の呼び名はイングランドの名が先、国歌斉唱では余韻を引く2曲目をイングランドが取るといった具合。

ましてや会場となったのは、イギリスサッカーの聖地とまでいわれる「ウェンブリー」。イギリスの威信をかけて建設された最新最大規模の競技場は、サッカーファンだけでなくイギリス人すべての誇りであり自慢のタネでもあります。ウェンブリースタジアムのトレードマーク、空にかかる巨大なアーチにも、ホームチームのゲームに合わせてカラーやイングランド国旗などがデザインされています。

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ウェンブリーでラ・マルセイエーズ

そのウェンブリーで開催されたのが、イングランドとフランスの親善試合。

パリでの同時多発テロ後すぐだったこともあり、オランダ、ドイツ、ベルギー、スペインなどの親善試合はキャンセルされていました。でも、イングランドとフランス戦だけは決行されたのです。

そして国歌斉唱。本来ならアウェイチームの国歌に続いてホームチームの国歌となり、それぞれの国歌をそれぞれの選手と観客とが立ち上がって斉唱します。ところがこの時は違っていたのです。先にイングランドの国歌が流れ、後にフランスのこんな「ラ・マルセイエーズ」が演奏されたのです。

それも、ウェンブリーの大きなスクリーンにはラ・マルセイエーズの歌詞が表示され、イギリス人もフランス人もそこに集ったすべての人が大合唱を行ったのです。これはまさに異例中の異例。

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フランスとの「連帯」を示す機会となった親善試合

2015年末、フランス・パリで起きた同時多発テロは、ヨーロッパを代表する大都市のど真ん中で一般市民多数が犠牲となったこともあり、世界中に大きなショックを与えました。特に、ヨーロッパは中東やアフリカからの移民受け入れで揺れていた最中だったこともあり、民族や宗教という通常時から扱いの難しい問題がより深刻化し、対応を迫られることにもつながりました。

テロの標的となったフランスだけでなく、ヨーロッパ近隣国では「いつ自分の身に起こるか分からない身近なテロ」の存在に怯え、警戒心を高めています。そんな中、だからこそ「連帯」の必要性を説き、示す必要があると考える人も多くなっています。

このイギリスVSフランスの親善サッカー試合はまさに、タイミングもその影響力も両国の「連帯」を表現するのにピッタリの場でした。普段は血の気たっぷりに親の仇同士のような戦いぶりを見せる自国愛にあふれるフーリガンたちが、サッカーを愛するサポーターとして両国チームを平等に、いえそれ以上のサポート力を発揮したのです。

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会場にはウィリアム王子の姿があり、重装備の兵士の姿も

その日、ウェンブリーに集ったのは、サッカーファンだけではありませんでした。試合の開催が決定するや、ウィリアム王子が観戦を発表し、キャメロン首相(当時)をはじめとしたイングランド政府の要人たちも参加を決めました。

イングランドチームとフランスチームの監督とともに、会場に現れたウィリアム王子やキャメロン首相たちは、トリコロールカラーの花束を献花して、テロ犠牲者への追悼を捧げました。

しかし、それだけの要人が集合するとなると警備も厳戒態勢。武装した特殊部隊がピッチに控えている状態での試合開催となったのです。

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そこまでしてでも示したかった「連帯」

この親善試合は、ギリギリまで開催が危ぶまれていました。それもそのはず、すぐお隣の国フランスでテロが起きたばかりであり、そのフランスとの対戦なのです。会場もスポーツスタジアムと、パリの同時多発テロを身近に感じずにはいられません。

それでも開催に踏み切ったのは、犠牲者への「哀悼の意」を示すことができ、「テロには屈しない!」という意思と「対テロ連帯」の必要性を大きくアピールできる絶好のチャンスでもあったからです。

イングランド代表のロイ・ホジソン監督は、自身がフランス語圏での監督経験を長く持ちフランス語に堪能であることから、試合前から「フランスへのサポート」の中心人物となりました。「フランス語は話せなくても、歌詞を見ながら国歌を歌うことはできる」と言い、メディアが提供している「ラ・マルセイエーズ」の歌詞を、「競技会場で歌えるように練習しておこう。それなら誰にでもできるはずだ」と相手チームのサポートをイギリス国民に呼びかけました。

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ピッチは異例づくし、観客席から感動の歌声とエールが

国歌斉唱の場面では、両チームのメンバーが、ベンチメンバーまで加えて全員がピッチに登場し、一列に並んで肩を組み、ラ・マルセイエーズを熱唱しました。

観客席からも、もちろんアウェイチームであるフランス人のサポーターはその数でイギリス人に負けているはずなのに、響き渡るフランス語の歌詞。

ウェンブリーは、コンサート会場にも使われる音響システムが導入されています。会場中が一体となって斉唱したラ・マルセイエーズの響きは、その場にいた人だけでなく、アップロードされた数々の動画を見た人にも感動を届け、「連帯」の気持ちを植えつけました。

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サッカーへの情熱が「対テロ連帯」で燃え上がる

パリ同時多発テロを受けて、各地で追悼式が行われました。でも、これほどの力強さと一体感をもったイベントはなかったのではないでしょうか?

普段はサッカーの試合とその勝敗に熱く燃え上がるフーリガンたちが、サッカーを愛する者同士、国境を越えて「連帯」した時、そのパワーの大きさは、多くの人を感動させるに十分すぎるほどでした。

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フランス人やフランス政府からの「メルシー&サンキュー」

この親善試合でイギリス側が示したリガードは、フランスでも大きな波紋を呼びました。中でもいち早く反応したのが、フランス政府のツイッター。フランス語と英語で「ありがとう」とシンプルにアップされた声明には、フランス政府がまだテロ後の対応に追われている中、それでも感謝の意を示したいという気持ちの現れとしてイギリス人の間で温かく受け止められたといいます。

試合には出場しなかったフランス人選手たちも、それぞれにツイッターやフェイスブックなどで「感謝」や「I Love England」などの意思表示を行っています。また、親しい人をテロで失ったフランス人サッカー選手は、国歌斉唱の間も顔を上げることができずにうつむいたままの姿が印象的であり、その様子に涙した視聴者も多かったことでしょう。実際に、観客席では国歌を斉唱しながら涙を流すサポーターも少なくありませんでした。

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まとめとして

フランス国内では悲しいテロが続き、イギリスではEU離脱などの政治がらみのトラブルが発生するなど、人々の不安を煽る事件が多く起こっています。多くの犠牲者が出ていることに心から追悼の意を捧げたいと思います。

ただ、これらの負の活動に対して、多くの正の活動も活発化していること、一般市民の連帯力が強まっていることを示すニュースも決して少なくないことが希望となります。憎むべきテロの報道だけでなく、心に感動を呼び起こしてくれるようなニュースに耳や目を向けフォローし、世界規模での「連帯」へとつながっていく力を拡散させていきたいものです。

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